新しいギリシア・ローマの物語2

179年、暴君フィリッポス、悪業の報いを存分に被り、死去

第9章ヒスパニアの章

[ リスト ]

イメージ 1

※カナリア諸島から望む大西洋です。GNUフリー文書利用許諾書 (GNU Free Documentation License) 1.2に基づいて掲載しています。


https://novel.blogmura.com/novel_historical/ にほんブログ村

ランキングに参加しています。お越しの際には応援の1クリックをお願いいたします(1日1回有効)


 ヒスパニア平定(続き)
 ジスコーネ率いるカルタゴ軍は、体に鞭打ち、さらに丸一日行軍を重ねた。
 この間、敵は現れず、それが綿のように疲れた彼らに僅かな勇気を与えた。
「皆の者、あと少しだ。あと少しの辛抱で海に出る」
 そして、日が高くなった頃。
「ジスコーネ殿!海ですぞ!」
 先頭を進んでいたマゴーネが喜悦の声を上げ、前方を指差した。
 その声に、ジスコーネ、思わず馬腹を蹴り、馬を飛ばし駆けた。
 駆け上がると、雄大な海原が視界に飛び込んだ。
 大西洋である。
「おお、やっと…やっと海に出たか!」
 ジスコーネの顔も綻んだ。
 彼だけではない。穏やかな潮風に、誰もが緊張をここで解いた。
 海辺には、マニアケスの報告通り船が繋がれているのが見えた。
「よし、早く船に乗り込み、陸から離れるのだ」




 人々は、丘を駆けるように下っていった。なにしろ、あの浮かぶ船に乗りさえすれば、生還出来る訳だ。生あるものとして、喜びを覚えずにはいられなかったろう。
 だが、その時であった。
「か、閣下!」
 アドヘルバルが愕然とした様子で、北の方角を指差した。
「どうした、そのような顔をして…」
 ジスコーネ、苦笑して振り返った。途端、彼の瞳はこれ以上ないほどに見開いた。
「ああっ!」
 思わず叫んだ。
 そこには、ローマ重装歩兵の大部隊がずらりと並んでいたからだ。
 中央に、鷲をかたどった旗が高く掲げられている。それ即ち、ローマ軍司令官スキピオ率いる部隊である。




「馬鹿な!一体どうやって先回りしたのか!」
 そう。ローマ軍の夜襲奇襲を振り切り、それから急ぎに急いでこちらに来たのだ。
(足の遅い重装歩兵が先回り出来る筈がない…なぜだ)
 無論、これには理由がある。スキピオは、敗れたカルタゴ軍が西方に進路をとると予測すると、こちらにまっすぐ進んで来たという訳だ。
 そのスキピオは右手を上げた。
「さあ、勇敢なるローマ将兵よ、闘志を見せよ!」
 若き司令官の鼓舞に、ローマ軍団は、高らかに雄叫びを上げ始めた。
 そして、ざっとざっと草を踏みしめジスコーネたちに向かって来る。


.
アバター
Dragon
男性 / 非公開
人気度
Yahoo!ブログヘルプ - ブログ人気度について
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31

過去の記事一覧

スマートフォンで見る

モバイル版Yahoo!ブログにアクセス!

スマートフォン版Yahoo!ブログにアクセス!

Yahoo!からのお知らせ

友だち(3)
  • 時間の流れ
  • JAPAN
  • ダイエット
友だち一覧

よしもとブログランキング

もっと見る

[PR]お得情報

ふるさと納税サイト≪さとふる≫
実質2000円で好きなお礼品を選べる
毎日人気ランキング更新中!

その他のキャンペーン


プライバシー -  利用規約 -  メディアステートメント -  ガイドライン -  順守事項 -  ご意見・ご要望 -  ヘルプ・お問い合わせ

Copyright (C) 2019 Yahoo Japan Corporation. All Rights Reserved.

みんなの更新記事