新しいギリシア・ローマの物語2

179年、暴君フィリッポス、悪業の報いを存分に被り、死去

第10章アフリカの章

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 大平原の戦い−正攻法 
 翌朝。ローマ軍は前進を開始した。
 応じてカルタゴ・マサエシュリ連合軍も押し出した。
 真っ青に澄み切った空。降り注ぐ朝陽が兜に反射した。
取り囲む全てが青と白の光で、きらきら輝いていた。




 スキピオは将兵の前に進んだ。慣例の訓示をするためだ。
「諸君!」
 手綱を引き、輪乗りして全員を見回した。
 伝来の鎧兜に身を包み、腰に愛刀『星天の剣』を佩いている。
 まこと落ち着いた騎乗ぶりで、全身、自信に満ち溢れていた。
 将兵たちの目にも、勝運に乗りに乗ったこの青年指揮官の姿は、さぞ頼もしく映ったことであろう。




「こたびの戦いは勝利と決まった!」
 指揮官は迸るように断じた。
「なぜなら、ここは、我がローマ軍古来の戦法の効用が遺憾なく発揮される地形であるからだ!」
 大草原に自信に満ちた声が響き渡る。
「必要なものは諸君の勇気勇戦のみ!必然、勝利は我らのものぞ!」
 指揮官の自信は、草原にある全員に瞬く間に伝播した。
 なにせ、スキピオの作戦はヒスパニア以来悉く的中している。その自信満々は、将兵らも同じであったのだ。
「おおおお!」「わあああ!」
 将兵の喚声が轟いた。




 両軍は再び接近を開始した。
 その陣形は、この時代の地中海世界における伝統的なもの。
 前方に軽装歩兵を配し、中央に歩兵部隊、両翼に騎兵隊だ。
 即ち、カルタゴ・マサエシュリ連合軍は、中央に先に援軍としてやって来たケルト・イベリア傭兵部隊を中心とした歩兵部隊、左翼をシファクス王率いるマサエシュリ騎兵軍団、右翼をジスコーネ率いるカルタゴ騎兵隊。
 対するローマ軍は、中央にシチリア奴隷軍団・ローマ市民兵を主力とする歩兵部隊、左翼をマシニッサ率いるマッシュリ騎兵軍団、右翼をラエリウス率いるローマ騎兵隊。スキピオは、歩兵の後方にあって、全軍の采配を取ることにした。


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