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世界の覇者インペラートル(続き)
大王の使節ゼウクシスとアンティパトロスは、戦々恐々エウメネス王の許を訪問した。
(果たして和平に同意あるか)
エウメネス王はローマ軍陣営における最強硬派と目され、大王のペルガモン包囲にも屈せず抗戦し抜いた。当然、大きな戦果を狙っているに違いないと思われたからだ。
が、案に相違し、エウメネス二世王は、元来の穏やかさそのままで現れた。
「ようこそ。よくぞ我が許へお出で下さいました」
使者の二人はほっとすると、すぐさま本題に入った。
「是非とも王君の力添えにより和平へと運びたく」
和平条約に向けた協力を懇請した。
協力の暁には、ペルガモンへの配分が増大するように報いたいとも申し添えた。
エウメネス王は微笑を浮かべた。
「我が王国は、元々はセレウコス一世の恩徳により統治を認められました」
ペルガモン王国は、アレクサンドロス大王後の覇権を争うディアドコイ戦争(紀元前322年〜同301年)の混乱の最中に誕生した。
王家の初代は、ディアドコイの一人リュシマコスの配下フィレタイロスという人物で、ペルガモンでそのリュシマコスの銀9000タラントンを管理していた。そのフィレタイロスは、セレウコス一世の進軍にあっさり鞍替えして、その配下に付いた。
リュシマコスの遺産を横領したフィレタイロスは、ペルガモンで勢威を強め、その子エウメネス一世はついに自立して王号(バシレウス)を称した。征伐に来たアンティオコス一世の軍も撃退。ペルガモン一帯に独自の王統を打ち立てることに成功した。
そのエウメネス一世の次の王がアッタロス一世であり、その子が現国王エウメネス二世となる訳だ。
「成り行きで戦って参りましたが、我ら王家、その歴史も忘れてはおりませぬ」
滔々と述べた。
この王は、ペルガモンの図書館拡張工事を進めるなど、父アッタロス一世にも劣らぬ文化人でもある。振る舞いに豊かな素養が滲み出ていた。
「御安心あれ。私は和平に反対はいたしませぬ。ロードスも同じ。ならば、あなた方が説くべき相手は…スキピオ殿一人、ということになりましょう」
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