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アイトリア最後の抵抗
さて、マグネシア戦後のギリシア本土の情勢にも一瞥しておこう。
少し時を遡り、紀元前189年初め。
その頃、アイトリア同盟は、ローマ軍がいなくなったのを物怪の幸い、失地回復に努めていた。司令長官ニカンドロスは大軍を率いて、猛烈に周辺地域を攻め立てた。
なにせ、スキピオ兄弟率いるローマ本軍はアジアにあって不在。マケドニア王フィリッポス五世もテッサリア地方に留まったまま。
このような一見絶好の機会が与えられていたのは、アイトリアが表向きローマと和睦の協議中で、この地域が当面の関心の外に置かれていたからだ。まさに火事場泥棒よろしく動いていた訳だ。
「一気呵成に攻め立てよ!」
そのため、ドロピア、アペランティアという地方をあっという間に制圧した。
「これでアイトリア本土の安全は確保された」
アイトリアの指導者たちは安心した。
ローマ軍の新手の来襲があっても持ち堪えることが出来ると思われた。
だが、そこにマグネシア敗戦の報が届いた。
「なに!大王軍が惨敗したと!」
大王が抗戦を断念しアジア最大の拠点サルディスも放棄して敗走したと聞くと、アイトリア人たちは顔面蒼白となった。
昨今の積極的な軍事行動は、大王の物心両面の援助を宛てにしたもの。なのに、その肝心の大王は、フリュギアの彼方に退却したというではないか。もはや、言葉を交わすことも困難な遠くに。
そこに、ローマに赴き和平交渉に当たっていたダモテレスが戻って来て告げた。
「交渉は不調に終わりました。ローマは戦闘継続を決議し、新執政官ノビリオルが大軍を率いてこちらに迫っています」
アイトリア首脳部は恐慌に陥った。
「これはいかん!」
「何とかローマ人の怒りを鎮め、和議に運ばねばアイトリアは滅亡してまう」
大王軍と戦いながらのローマ軍にすら歯が立たなかったのだ。そのローマが主力を向けてくればどうなるか、誰にも明白のことだ。
直ちに、パイネアスらの使節団が編成しローマに赴くことが決まった。そして、ローマと友好関係にあるアテネ、それに加えロードスの両国に和議仲介を依頼した。
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