新しいギリシア・ローマの物語2

179年、暴君フィリッポス、悪業の報いを存分に被り、死去

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 −暦(こよみ)について(続き)−

 ところで。
 歴史を追っていく時、困るのが、年代表記の不統一です。
 私たちは、例えば、西暦2009年4月15日といえば、ほぼ世界中の人々が、
「この日のことだな」と認識し、それは同じ日のことを考えています。
「はあ?何を当り前のことを言っているんだ」
 そう思われる方もいるかもしれません。
 が、この当たり前に思えることが確立されるまで、多くの人々が英知を絞ってまいりました。
 正確に太陽の動きを知るには、天文学の発展が不可欠だったからです。
 今日の太陽暦の基は、ガイウス・ユリウス・カエサルによって定められました。
 ローマのカエサルのことです。
 そこで、この暦はユリウス暦と呼ばれます。七月はこのときからユリウスと呼ばれることとなりました。彼の氏族名ユリウスからきたものです。英語のJulyは、このユリウスから来ているものです。
 ユリウス暦は、紀元前45年1月1日より施行されました。
 今から2050年ほど前のことです

 古代欧州において、ローマが覇権を握るまで、長い間国によって、暦が異なっておりました。
 たとえば、ギリシア諸国では、都市国家ごとに暦がつくられているため、アテネでは一月であっても、スパルタでは三月ということがあり得ました。
 
 ギリシアの歴史家は困りました。
「何年何月に何が起こった」
 この事実の記載は、歴史叙述の形態として最も基本的なことです。
 が、読者であるギリシア人は、自分の祖国により定められた暦しか認識できません。
 すると、歴史家の記載が、いつ起きたことなのかということが認識しにくいのです。
「さあて、どうするか」
 歴史家は考えました。
 年の表記は、アテネでは「誰誰がアルコン(統領)の年」、スパルタでは「誰誰がエフォロス(監督官)の年」というように表記されていました。つまり、指導者や役人の名前により、年代の識別がなされていた訳です。
 二大国の指導者は比較的よく知られていたため、年代認識の共通化は、なんとか確保されていたようです。あとは、何日かということです。
 歴史家は悩みました。
 考え出されたのが、何年の春、何年の秋、何年の冬というように、季節による大雑把な表記です。
 ヘロドトス、トゥキュディティス、クセノフォン、ポリュビオス。いずれもこの方式を採用しています。

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−暦(こよみ)について−

 暦(こよみ)。
 現代では、カレンダーといった方が分かりやすいのでしょうか。
 ところで、なぜ、暦があるのか?
 考えたことがおありでしょうか。
 最大の理由は、農業や漁業という、我々先祖の大多数が従事していた日々の仕事のためです。
 いつ種をまけばよいのか。
 いつ雨が降るのか、降らないのか。
 それを知るためです。

 その基準として、月の満ち欠けで考えるのが、太陰暦。
 太陽の動きで考えるのが、太陽暦。
 月の満ち欠けは、見た目で誰もが判断できるので、大変分かりやすいものです。だから、古代国家の多くは太陰暦を採用しています。
 が、太陰暦の弱点は、季節の移り変わりと一致しないことです。季節に決定的に影響を与えるのは太陽の動きですからね。
 ということで、現代の多くの国は太陽暦を採用しています。


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