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シキュオンのアラトス-下
アクロコリントスに通じる間道は、とても険しく、アラトス達はふうふう言いながら行軍した。
「皆の者!頑張れ!あと少しだ!砦さえ押さえれば、町にいるマケドニアの軍勢はものの役にも立たぬ!」
やがて城壁が現れた。確かに、ここの壁は低く、手をかけて登れるほどであった。
「城壁にとりつくのだ」
アラトス達は、そろそろと地を這うようにして城壁に接近した。
ところが、この日、あいにくなことに満月であった。幸い、それまでは雲が彼らを覆い隠していてくれたが、今、その雲がみるみる晴れ渡っていく。
砦を守るのは選りすぐりの精兵たち。彼らは油断なく巡回していた。
ために、アラトスの兵は、たちまち発見された。
「あっ!敵兵だ!敵兵が現れたぞ!」
砦の中は騒然となった。と同時に、矢がびゅんびゅん飛んできた。
「ちぃっ、気づかれたか」
とある岩陰に隠れたアラトス、舌打ちした。
「アラトス様、いかがなさいます」
アイギアスが訊いた。
「こうなれば一気に壁を飛び越えて砦を押さえる」
アラトスは自身抜刀すると命じた。
「弓兵!砦の内に矢を射かけよ!」
弓兵たちは、砦めがけて一斉に矢を射かけ始めた。
「わあっ」
砦の兵はばたばた倒れた。
その隙にシキュオン兵が壁に取り付いて登り始めていく。
「そうはさせるか!突き落とせ!こちらからも矢を射かけよ!」
砦の将はペルサイオス。
哲学者で、王室の家庭教師を務めたほどの人物である。その彼を置いたということは、アンティゴノスがいかにここを重視していたかが分かろう。
ここは、ギリシア世界制覇を目論むマケドニア宿願の地。明け渡すなど思いもよらぬこと。従って、守将以下、砦の兵は必死に防戦した。
城壁をはさんで激戦となった。
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