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プトレマイオス朝の首都アレクサンドリアの地図です。
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その後クレオメネス-下(さらに続き)
クレオメネスの一隊は、屋敷を飛び出ると、まっすぐにとある屋敷に向かった。
重臣プトレマイオスの邸宅だ。
と、そこには、丁度王宮から戻ってきたプトレマイオスの馬車が門前につけていた。勿論、クレオメネスは手の者を使って事前に調べ上げていたのだ。
ラケダイモンの戦士たちは、彼の馬車を取り囲んだ。
「降りろ!」「馬車から降りろ!」
プトレマイオスは、馬車のうちから引きずり出された。
「こ、これはなんとしたことぞ」
プトレマイオスの顔は、既に土気色となっていた。
「白々しい!貴様が謀りをもって、我が主君を死地に追い詰めようとしていることはとうに承知ぞ!覚悟せい!」
パンテウスは白刃を振り上げた。
「ま、待ってくれ!それは誤解じゃ!」
「問答無用!」
プトレマイオスは、怒り狂ったラケダイモン戦士により滅多斬りにされ、血祭りに上げられてしまった。
「それっ!監獄を襲うのだ!」
クレオメネスは叫んだ。
そう。囚人たちを解放し、それを味方に加えようと目論んだのだ。
クレオメネスと十三人は駆けに駆けた。
が、途中、ヒッピダスが遅れ始めた。老齢に加え、足が不自由であったためだ。
彼は、味方が足を緩めるのを見ると、
「王様の足手まといとなり、事を妨げるようなことがあれば痛恨の極み。ここで殺してくだされ!」と叫んだ。
「馬鹿者!事を成す者が味方を殺すものか!」
クレオメネスは叫び返し、道端に繋いであった馬を奪うと、彼をそれに乗せ、再び駆け始めた。
クレオメネスの叛乱決起の報に、宮廷は震撼した。
「なにっ!クレオメネスが叛乱を起こしたと!」
宰相ソシビオスは仰天した。
「はい。既に、プトレマイオス閣下が討ち取られた由」
「なんと…」
ソシビオスは絶句した。
彼もクレオメネスの自滅を企んだ一人であるが、相手が、都の内で、こんな大胆な挙に出るとは夢にも思っていなかった。
そこに、今回の騒動の原因となった、オイナンテとアガトクレイアも姿を見せた。
「宰相殿」
「お。お后に御母堂か」
「クレオメネスがついに本性を現したとか」
オイナンテがいった。
「左様、十三人を率いて」
「ほほ。愚かよの。そんな小勢でどうなるでもなし」
アガトクレイアが嘲笑した。
「いや、そうは言い切れませぬ」
「どうして?」
「もし、クレオメネスが頑強に抵抗するようなことがあれば、いかなる異変が起きるか…」
ソシビオスは心配していた。
微々たる勢力に過ぎないクレオメネス。が、彼の叛乱が呼び水となり、王弟マガースが呼応して決起するようなことがあれば、エジプト国家を二分する大乱となろう。
(既に気脈を通じているやも知れぬ。速やかに鎮圧せねば…)
とそこに、兵が駆け込んできた。
「宰相様!クレオメネスの一隊が監獄に襲い掛かりました!」
「なんだと!」
「一の門、二の門が破られ、このままでは叛徒の手に落ちてしまいまする」
(まずい…監獄が落ちれば、囚人どもがクレオメネスに味方して、大変な事態に…)
「監獄を渡してはならぬ!近衛兵を向かわせろ!」
ソシビオスは、王宮を守護する精鋭部隊の近衛兵を一部割いて、監獄のある城砦に、急遽向かわせた。
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