新しいギリシア・ローマの物語2

179年、暴君フィリッポス、悪業の報いを存分に被り、死去

過去の投稿日別表示

[ リスト | 詳細 ]

全1ページ

[1]

旅立ち(続き)−終章3


[https://novel.blogmura.com/novel_historical/ranking.html にほんブログ村 歴史・時代小説]

ランキングに参加しています。お越しの際には応援の1クリックをお願いいたします(1日1回有効)


 旅立ち(続き)
「ペルガモンが厚く遇され、マケドニアにも領土の分配あることは、両国の働きから当然。ですが、それは隣国ビュテニアには頭痛の種」
 近隣に強大な国家があるということは、隣国にとっては、常に切実な選択を迫られるということでもある。
「ふーむ」
「プルシアスは小細工を好む策士。手駒を密かに用意することでしょう。その手駒は多ければ多いと思っている筈。いざという時には、こういうのがあるぞ、と」




「それが…余である…と?」
「これは独り言です。誰に聞かせているつもりもありませぬ」
 スキピオは空とぼけた。
「ローマを揺るがした男が手許にある、となれば、マケドニアもペルガモンも野心を抱かぬであろう、と」
 要はハンニバルここにあり、となればペルガモン王エウメネスも、マケドニア王フィリッポスも、迂闊にビュテニアに手出しして来ないであろう、ということ。
「ふーむ…なるほど」
 頷いたハンニバルだったが、急に笑い出した。
「はは。罪人が追捕の総大将に落ち延び先を訊くなどあろうか…。はは、滑稽な」




 間もなく。
 ハンニバルは、頭巾を深々と被ると、マニアケス一人を供に神殿を出た。
 振り返った。
「スキピオ君、さらばだ」
「おさらばです、ハンニバル殿」
 二人は互いの瞳を真っ直ぐに見た。
 その時、二人を眩しい陽光が包み込んだ。




 スキピオは胸に衝かれたかのように、右手をすっと差し出した。
「ハンニバル、我が好敵手…そして、我が師よ」
 その言葉に、ハンニバルの隻眼は大きく見開いた。
 大きく頷いた。
「…そう。我が好敵手…そして、第一の弟子よ」
 寂し気な笑みが浮かんだ。
 背を向けると、神殿の階段を駆け下りていった。
 繋いであった馬に飛び乗ると、マニアケスと共に、かっかっと駆け去っていった。

全1ページ

[1]


.
アバター
Dragon
男性 / 非公開
人気度
Yahoo!ブログヘルプ - ブログ人気度について
1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30

過去の記事一覧

スマートフォンで見る

モバイル版Yahoo!ブログにアクセス!

スマートフォン版Yahoo!ブログにアクセス!

Yahoo!からのお知らせ

友だち(3)
  • 時間の流れ
  • JAPAN
  • ダイエット
友だち一覧

よしもとブログランキング

もっと見る

[PR]お得情報

ふるさと納税サイト≪さとふる≫
実質2000円で好きなお礼品を選べる
毎日人気ランキング更新中!

その他のキャンペーン


プライバシー -  利用規約 -  メディアステートメント -  ガイドライン -  順守事項 -  ご意見・ご要望 -  ヘルプ・お問い合わせ

Copyright (C) 2019 Yahoo Japan Corporation. All Rights Reserved.

みんなの更新記事