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ミュオンネソスの岬(続き)
本営の迎賓館に戻る、その彼女が待っていた。高級将校の出で立ちであった。
「マニアケスにございます、閣下」
「うーむ。相変わらず見事な美丈夫よな…」
提督は感嘆した。
それは女性の美を讃えるではなく、武将の美を賛嘆するものであった。
実は二人は初対面ではない。国を追われたハンニバルを大王に推挙したのは、このポリュクセニダス。その過程で、二人はやり取りをかわしていた。
「途中耳に挟みましたが、略奪勝手の免状を市民にお与えになられたとか」
「さすが早耳だな」
提督は、ぶどう酒をぐいとあおった。
「敵は三方よりやって来る。牽制しておかねば、な」
そう。総数では互角ないしそれ以上の威容を誇るポリュクセニダス艦隊であったが、指揮官が一人である以上、その行動は単一にならざるを得ない。
対するローマ、ペルガモン、ロードス連合艦隊は三か国混成。戦闘時には一箇所に集まるが、その過程で三者三様に行動する。つまり、行動が掴みにくくなるのだ。
そういう敵にはこちらも手を打たねばならない、ということだ。
「我らは海賊を用い、奴らの目をくらますのだ」
ポリュクセニダスは笑った。
「して…提督お考えの戦場は?」
「それこそ秘中の秘」
提督は微笑した。
彼は副官の一人に地図を広げさせた。
「ここだ」
提督が指差したのは、このテオスから南に位置する岬。
「それは…」
「ミュオンネソス岬だ」
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