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エウリュメドン川(続き)
シデ沖合で演習の日々が始まって数日。
マニアケスが戻って来た。
「閣下!」
ハンニバルの船に乗り込むと、挨拶もなしに切り出した。
「どうであった」
ハンニバルは壁にかけた海図を眺めたまま訊いた。
マニアケスの口からは、ロードス本島の様子が知れると思っていた。だが…。
「ロードス艦隊がこちらに向かって来ます」
予想外の言葉に、ハンニバルはがばと振り返った。
「敵将は誰だ!」
「エウダモスにございます」
「なに!エウダモスだと!」
「敵艦隊は既にケリドニアイ群島に差し掛かっております」
ケリドニアイならば、パンピュリア地方の入口である。
「なんと!」
ハンニバルは愕然とした。
ロードスに留守の艦隊が残っているのは承知していたし、それなりの兵力のあることも分かっていた。だが、エウダモスら主力はまだペルガモンにいる筈であった。
「ペルガモンを包囲していた味方はどうした!」
大王軍は圧倒的大軍でペルガモンを包囲していた筈であった。城中に、レギルス、エウメネス二世、エウダモス、三か国の将が立て籠っていた。彼らが城中にある間は艦隊は動かない。
包囲軍が、海上を西進する味方の時を稼いでくれる筈であった。
「は。セレウコス王子が包囲作戦を指揮しておりましたが、アカイアの将ディオパネスの不意の突撃に遭い、味方は大敗。王子以下、サルディスへ退却したとのこと」
アカイア軍は五千ほどに過ぎない。その突撃に、セレウコス王子の率いる大軍は脆くも崩れたという。
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