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エウリュメドン河口の海戦−上(さらに続き)
ようやく白々と夜が明け始めた。敵味方の様子が、はっきり視界に捉えられる。
「ふ。陸戦の名将ハンニバルも海戦の名将ではない、ということよな」
エウダモス、思い通りの展開に、ほくそ笑んだ。
「よーし、縦列のまま敵中央を一気に切り裂くのだ!」
全速力で敵船列を目指し、突き進んだ。
が、エウダモスがあまりにも急ぎ過ぎたため、彼の旗艦について来れたのは四隻だけ。
彼の頭脳は、味方の数のことよりも、敵が不利な地形隊形にある間に急襲する、そのことで占められていたのだ。
エウダモスの軍船が突っ込むと、ハンニバル艦隊はどっと乱れ立った。
背後が陸地だと船を思うように動かせない。しかも、両翼には味方の船とならば、立ち往生のほかない。
辺りは敵味方の水兵の怒号が響き渡った。
エウダモスの味方は僅か四隻でしかないが、敵の軍船を面白いように追い回し、横転させ、座礁に追いやった。
「ハンニバルの旗艦はどれだ!」
エウダモスは、目を血走らせ、叫んだ。
(稀代の名将ハンニバルをこの手で捕えるのだ)
そうなれば腐朽の名声を獲得出来るであろう。
「閣下!」
水兵が指差した。
すると、雷光をあしらった旗が高々と掲げられている船が一隻。
「あれだ!あの船に向かえ!」
エウダモスは雀躍りした。
エウダモスの軍船は全速力でハンニバルの旗艦に向かった。
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