新しいギリシア・ローマの物語2

179年、暴君フィリッポス、悪業の報いを存分に被り、死去

過去の投稿日別表示

[ リスト | 詳細 ]

全1ページ

[1]


[https://novel.blogmura.com/novel_historical/ranking.html にほんブログ村 歴史・時代小説]

ランキングに参加しています。お越しの際には応援の1クリックをお願いいたします(1日1回有効)


 ミュオンネソス岬の海戦−セイレーン再び
 耳をつんざくような喚声、断末魔の叫び。大王軍の艦隊司令官ポリュクセニダスは、まさしく阿鼻叫喚の渦中にあった。
「これまでか…」
 彼は呟いた。
 彼を守る精鋭たちは、押し寄せるローマ兵、ロードス兵と激しく斬り結んでいる。
「む…」
 彼は目を見開いた。
 いつの間にか眼前に一人の者が跪いていたからだ。
「そなたは…」
「マニアケスにございます」
 妖しい美貌を輝かせた彼女の顔が現れた。




「ふふ」
 ポリュクセニダスは苦笑いを浮かべた。
「そなたも逃げ遅れたのか。…だが、汝ならばどうにでもなるであろう。速やかに退散しハンニバル殿の許に帰るがよい」
 提督は、絶望の極みにあって悠然と諭した。後事をハンニバルとマニアケスに託す想いなのであろう。
「いえ」
 マニアケスは首を振った。
「提督をお救いするため参上しました」
「ほう…まだ逃げる道は残っているか」
「はい。こちらに」




 彼女がいざなって歩きかけたその時、ローマ兵数人がわらわらと立ちふさがった。
 グラディウス剣の切っ先をびしと向けた。
「総大将ポリュクセニダスであろう!潔く降伏せよ!」
 その途端である。
 真っ白な煙が急に辺りに立ち込めた。
「な、何だ!」
 次の瞬間、
「うっ」「げっ」
 ローマ兵は当て身をくらい、その場に倒れた。
 煙はあっという間に甲板全体に立ちこめた。しびれ薬が仕込まれていたらしく、ローマ兵にロードス兵、そして大王軍の兵も区別無く倒れていく。




 マニアケス、一部始終を冷然と見詰めていた。
「味方には悪いが…今はやむを得ませぬ。提督、袖で鼻を塞ぎこちらに」
「うむ」
 ポリュクセニダスは袖で口元を押さえ、マニアケスの後に続いた。




 こちらロードス艦隊エウダモスの旗艦。
「なにっ、ポリュクセニダスを取り逃がしたと!」
「はっ、どうやらどさくさに紛れ逃げ出した模様」
「うぬ、あの国賊め。なんと逃げ足の速いやつ…」
 その時、エウダモスの瞳を大きく広がった。
 視線の先に、小船がすうっと通過し、それに二人。
 一人は体躯堂々、絢爛豪華な鎧兜に包まれている。
「いた!ポリュクセニダスだ!」
 舷側に駆け寄ると、
「弓兵!右舷に集まれ!」
 命令にロードス兵は舷側に居並び、弓に矢をつがえた。

全1ページ

[1]


.
アバター
Dragon
男性 / 非公開
人気度
Yahoo!ブログヘルプ - ブログ人気度について
1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30 31

過去の記事一覧

スマートフォンで見る

モバイル版Yahoo!ブログにアクセス!

スマートフォン版Yahoo!ブログにアクセス!

Yahoo!からのお知らせ

友だち(3)
  • JAPAN
  • ダイエット
  • 時間の流れ
友だち一覧

よしもとブログランキング

もっと見る

プライバシー -  利用規約 -  メディアステートメント -  ガイドライン -  順守事項 -  ご意見・ご要望 -  ヘルプ・お問い合わせ

Copyright (C) 2019 Yahoo Japan Corporation. All Rights Reserved.

みんなの更新記事