新しいギリシア・ローマの物語2

179年、暴君フィリッポス、悪業の報いを存分に被り、死去

過去の投稿日別表示

[ リスト | 詳細 ]

全1ページ

[1]

挑発−世界帝国の章78


[https://novel.blogmura.com/novel_historical/ranking.html にほんブログ村 歴史・時代小説]

ランキングに参加しています。お越しの際には応援の1クリックをお願いいたします(1日1回有効)




 挑発
 翌朝。大王軍の陣営は騒然となっていた。
「なにっ、ローマ軍が渡河して来たと!」
 大王も驚愕していた。
 そう。未明にローマ軍、そして、ペルガモン軍、アカイア軍などが大挙して川を渡り、そして、柵を延々と連ね始めたからだ。
「馬鹿な…少数の兵でなおかつ川を背にするなど…」
 大王は唖然とした。
 背水の陣は、洋の東西を問わず、軍略上あり得ない逸脱。




 この時、渋い表情を浮かべたものがいた。
 マニアケスである。
(先を越されたか…)
 彼女としては、川岸の線まで兵を進めておきたかった。昨日の進言もそのため。
(河岸に陣取ってあれば、河で敵の攻撃を阻むことも出来たものを…)
 確かに、敵の攻撃を持ち堪えることが出来れば、そのまま河中に追い落として大勝も出来よう。が、もし劣勢になれば、そのまま味方の隊列に敵軍が飛び込んで来る。
(味方は多種多様な民族部族て構成されている…危ういことだ)
 大軍勢ゆえ敵を押し込む力は強いが、小さな綻びが大きな破綻に直結しかねない、そんな脆弱性もある。その懸念を深くしていた。




「陛下」
 セレウコス王子が進み出た。
「我らも直ちに前進せねばなりません。さもないと、敵に侮られ、味方の士気は低下するばかり」
 王子の意気軒昂に他の諸将も声を合わせた。
「左様にござる」「我らも進まねば侮りを受けるばかり」
「うーむ」
 大王は思案した。
(敵はスキピオ・アフリカヌスを待つつもりはないのか…)
 ルキウスの積極果敢は意外であった。寡勢ゆえ、てっきりスキピオの采配を恃んでいるものと思い込んでいた。だから、こちらもゆったり構えていたというのに…。




「マニアケス、そなたはどう思う」
 大王は、類希なる嗅覚を持つ彼女に訊いた。
 マニアケスはすぐさま進言した。
「王子様の仰せの通り、敵勢が城門まで押し寄せて来れば、陛下の陣立ても不自由となりましょう。合戦に及ぶ及ばぬに関わらず、ここは御出陣遊ばすしかありますまいかと存じます」
 確かに、ここでの逡巡は味方の士気を落としめるだけでなく、合戦の足場を失うことにもなろう。

全1ページ

[1]


.
アバター
Dragon
男性 / 非公開
人気度
Yahoo!ブログヘルプ - ブログ人気度について
1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31

過去の記事一覧

スマートフォンで見る

モバイル版Yahoo!ブログにアクセス!

スマートフォン版Yahoo!ブログにアクセス!

Yahoo!からのお知らせ

友だち(3)
  • JAPAN
  • ダイエット
  • 時間の流れ
友だち一覧

よしもとブログランキング

もっと見る

[PR]お得情報

CMで話題のふるさと納税サイトさとふる
毎日お礼品ランキング更新中!
2019年のふるさと納税は≪12/31まで≫

その他のキャンペーン


プライバシー -  利用規約 -  メディアステートメント -  ガイドライン -  順守事項 -  ご意見・ご要望 -  ヘルプ・お問い合わせ

Copyright (C) 2019 Yahoo Japan Corporation. All Rights Reserved.

みんなの更新記事