新しいギリシア・ローマの物語2

179年、暴君フィリッポス、悪業の報いを存分に被り、死去

第1章アカイアの章

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 その後アラトス-下(続き)
「陛下」
 この時、アラトス五十五歳。
 荒ぶる年月を経て、重厚な大樹の如き落ち着きを見せていた。
「クレタには険しい山々が聳え、ボイオティアにも要害が控え、アカルナニア地方にも驚くほどの険難な地形があります。しかるに、どれもが自ら進んで陛下に服しております。それは、陛下の武威に服しているのではなく、陛下の徳に服しているのでございます」
「…」
 フィリッポス、何も答えない。
「今、その徳を捨てては、いかにアクロコリントスとイトマタスを手に入れても、陛下の大業の前途は危ういものといわざるを得ません」
 全くの正論であろう。力だけでは、政治はできないのである。反論の余地はない。
「こちらへ来たまえ。同じ道を歩もう」
 フィリッポスは、アラトスの手を取り、今来た道を下り始めた。
 王は、アラトスの意見を容れ、メッセニアから手を引いたのであった。


 しかし、次第に、フィリッポスの性格は、病変を来し始めていた。
 独裁権力を手にする者のかかる、嫉妬と猜疑という病だ。
 その病状の進行とともに、次第に、アラトスを疎ましく感じるようになっていた。アラトスあってのフィリッポス、そういう評価が定着していたからだ。
(やつがいては、ギリシア世界において、余はいつまでも軽んじられるばかり)
 既に、彼の野心は途方もなく膨れ上がっていた。
それは、アレクサンドロス大王の後継者たらんとの野望だ。マケドニア・エジプト・シリア三カ国で東方世界の争覇を繰り返す時代に終止符を打ち、自ら新たな帝国の支配者になろう、その大野望だ。
 そんな彼にとって、足元のギリシア人の騒動に忙殺されることは我慢ならなかった。
(直接支配すれば、このような馬鹿げたことは起こらんのだ)


 彼は、腹心でペロポネソス総督のタウリオンを呼びつけた。
「陛下、お呼びにございますか」
「そなたはアラトスとは親しいのであろう」
「はい。親しく交友しておりますが…」
 タウリオンは怪訝な表情を浮かべた。
 職務柄、アカイア同盟とは交渉を頻繁に持っていた。当然、その指導者アラトスとの信頼関係が不可欠であり、自然と友情も深まった。
「それをアラトスに与えよ」
 王は、侍臣に命じ、小瓶を彼に渡した。
「なんでございますか。これは?」
「妙薬じゃ。アラトスも年であろう。これを日々服用して精をつけよと申してやれ」
 そういって、フィリッポスは、妖しい笑みを見せた。
(そうか…陛下はアラトスを亡き者にしようと…)
 タウリオンの背筋に寒いものが走った。
 アラトスを救う方途を思い浮かべてみた。それは、ありのままを伝えることであろう。
 が、こんな大事を外に漏らせば、彼が毒殺・・されてしまう。毒殺はマケドニア王家の十八番なのだ。


 タウリオンは、命令に従い、薬をアラトスに渡した。
「陛下は、閣下のお体をいたくご心配なされ、王家秘蔵の妙薬を服用あるようにとの仰せにございます」
 アラトス、その小瓶をじっと見詰めていたが、やがて恭しく受け取った。
「勿体無いお言葉。アラトス、喜んで服用し続けることでしょう」
 それは、どこか奇妙な物言いであった。
 彼は、素直に、薬を日々服用し始めた。
 が、どうしたことか、彼の体は、次第に衰弱し始めた。まず風邪の症状にも似た咳が出始め、やがて血を吐き、ついには病の床についた。
 あるとき、彼の友人が見舞いに訪れ、その異状を察した。
「一体どうしたのだ。もしや、その薬は…」
 語尾を濁し、あることを示唆して、服用をやめるよう勧めた。
 アラトスは首を振り、寂しそうに笑った。
「これが、王の私に対する褒美なのだ」
 彼も、事ここに至って、マケドニアの後ろ盾を得てギリシア世界の秩序を回復するという自身の志が、大きな挫折を見たことを知ったであろう。
 しかし、もう手遅れであった。彼は、もはや自身の肉体すら守ることのできない境遇となっていた。だからこそ、彼は大人しく、毒薬を呑み続けたのだ。
(クレオメネスよ…。この有様を見たら、それ見たことかと、さぞ笑うであろうな…)
 彼は、病床にあって、蒼白い顔に笑みを浮かべ、かつての宿敵の面影を思った。
 間もなくして、アラトスは死去した。
 紀元前213年、享年五十八歳であった。

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 シキュオンの劇場です。丘を利用して席が設けられ、海の方向(北東)に舞台が設けられています。典型的なギリシア劇場の様式です。

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 その後アラトス−下 
 しかし、アラトスとフィリッポスの蜜月は長く続かなかった。
 所詮、フィリッポス五世は、アンティゴノス王家のギリシア世界制覇の野望を受け継ぐもの。その最終目標は、ギリシア世界の直接統治に他ならなかったからだ。
 特に、紀元前219年、イリュリアの支配者デメトリオスがローマとの戦い(第二次イリュリア戦争)に敗れ、フィリッポスの宮廷に亡命して来てからは、それが歴然としてきた。
「陛下こそ、ギリシアの王者なのでございます」
 デメトリオスはしきりに唆した。
 彼とすれば、いずれはイリュリアの支配者に返り咲きたい。そのためにはマケドニアの支援が不可欠。マケドニアを強大化することは自身の利益に合致するのだ。
「陛下自らが支配してこそ、真の王者」
 彼は、青年王の野心に薪を盛んにくべ、油をしきりに注いだ。
 ために、フィリッポスは、次第に野心を剥き出しにした行動にでるようになった。


 紀元前215年、メッセニアで内乱が勃発した。指導層と民衆の対立が昂じたものだ。
 デメトリオスはここぞと進言した。
「これはメッセニアを手中にする好機。メッセニアを押さえれば、いずれはペロポネソス全土に強い支配を及ぼすことは容易にございます」
 フィリッポスは、介入を決意し、軍勢を率いてメッセニアの首都メッセネに赴いた。
 表面上は、「ギリシアの覇者の務め。仲介者として騒乱を鎮めよう」と称して。
 が、彼は現地に着くと、さらに対立を煽る行為に出た。
 民衆に向かっては、こういった。
「独裁者を打倒せよ。我がマケドニアが援助しよう」
 政府に対しては、こう助言した。
「国法に反し騒ぐ者どもは断じて処断せよ、我がマケドニアが支持する」
 ために、騒乱は激化し、収拾がつかなくなり始めた。
 要は、極限まで混乱させ、その後、メッセニアを併合しようという肚であった。


 ただ、メッセニアは、アカイア同盟に加盟していた。同盟本部に対しても、混乱収拾に協力されたしとの要請があった。
 ために、アラトスがメッセネに駆けつけ、直ちに双方の代表者を呼びつけ、争いを仲裁すると、騒乱はたちまち静まった。こういうところは、彼の十八番である。
 その後、アラトスはフィリッポス王に抗議した。
「聞くところによると、陛下が双方の対立を煽ったとのこと。一体、いかなるお心からでございますか。このままでは天下の人心は陛下から離れましょうぞ」
 王は、それには何も答えなかった。
「思うところがある。ついてまいれ」
 王は、アラトスとデメトリオスを、メッセネの西に聳えるイトメ山頂のアクロポリス、イトマタスにつれて上がり、自身は黙ったまま、デメトリオスをしてこういわせた。
「アクロコリントスとイトマタスは、牛の角のごときもの。これを押さえつければ、ペロポネソス全土はマケドニア王家のものとなります。王者たるもの、これほどの土地を手に入れない訳にはいきませぬ」
 暗に、メッセニアでの行動を容認せよ、そういっているのだ。


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 その後アラトス-上(さらに続き)
「メガレアスよ。アイトリア同盟軍は追い払ったぞ。これからどうやって、アカイア同盟の力を削いでいくのだ」
「アカイア同盟の威望は、ひとえにアラトスによるもの。彼が、かつて我が国と戦い勝利し、そして、今我が国と固い絆をもって結びついている、そのことによるものです」
「ふむ」
「そこで、彼を今回の敗戦を理由にストラテゴスから追い、陛下に忠順な別の者を据えます。ならば、アカイア同盟は骨抜きとなりましょう」
「なるほど、それはよい」
 メガレアスは、早速に工作を開始し、金を有力者の間にばら撒いて、今回のアラトスの敗戦について非難する人々を仕立てて、反アラトスの空気を煽り立てていった。
「あの有様では、軍の指揮を委ねることはできぬ」
「そうだ!アラトスの責任は重い!」
 アラトスも敗戦を恥じていたため、自らストラテゴスの職を辞した。
 そして、選挙が行われた。
 アラトスは、時局が緊迫していることを理由に、ストラテゴスの経験あるティモクセノスという人物を推挙した。が、投票の結果、フィリッポス王の推薦に従い、後任に親マケドニア派の政治家エペラトスが選出された。
 しかし、これは、予想外の反響をもたらした。
「あのような無能をストラテゴスに据えるとは…」
「さては、マケドニアの新王は、アカイア同盟によからぬ野望を抱いているのではないか」
 事実、エペラトス政権が、何ら諸問題に対処できないことが分かると、それはフィリッポスへの悪評に転じた。
「新王は人を見る目がないのではないか」
「いや、アカイア同盟を内より転覆しようとの心積もりではなかろうか」
 王の悪評は、瞬く間にギリシア全土に広がっていった。


「これはいかん」
 フィリッポスは狼狽した。
 ギリシア世界において、悪評を立てられること、それは政治的に致命的であった。ギリシア人というものは、元来政治的な生き物。マケドニアに半ば従属しているとはいえ、その口を塞ぐことはできない。また、弁論の民として、ときに正しい世論を強力に形成していくからだ。
 新王は、慌てて、隠棲していたアラトスの許を訪ね、ストラテゴス復帰を求めた。
「陛下の仰せではございますが、わたくしは責めを負って職を辞したばかりゆえ…」
「いや、そのような些事で貴殿を辞職するにまかせたのは余の不明。なにとぞ、アカイア同盟の指導者に復帰してもらいたい」
 王の説得により、アラトスは、再びストラテゴス職に復帰した。
 アラトスの復帰により、たちまち、アカイア同盟の統治機構は円滑に動き始め、同盟に対する人々の信望は復活した。それに伴い、フィリッポスに対する信用も回復した。
(迂闊に策を講じたのは軽率であった。先王陛下の態度を見習わねばならぬ)


 フィリッポスは聡明な男でもある。以降、ギリシアの国事については、何事もアラトスに相談し、それにより自身の重みも加えていった。
 こういうことがあった。
 とある年、フィリッポス率いるマケドニア軍は海路クレタ島に攻め込み、制圧した。
「いかがいたしたものであろう。兵の略奪に任せたがよいか、それとも寛大な処置をとるべきか」
 マケドニア兵が従軍するのは、多分に勝利したときの略奪の欲望があるからだ。この時代、それを認めることも、よい君主とされる要件であった。
 アラトスはこれに答えた。
「陛下が、この島一つで満足されるのならば、略奪をお認めになるもよろしゅうございましょう。しかし、陛下が東方世界への雄飛を願うならば、大いなる慈悲を見せることこそ偉大なる王者への足がかりとなりましょう」
 ヘレニズム諸国の君主が憧れるのは、かのアレクサンドロス大王の如き大帝国の建設。フィリッポスにも、その野望は無論ある。
 ために、その言葉に従い、フィリッポスは、麾下の兵に略奪を厳禁し、クレタ島の諸国には独立を認め、賠償金を取ることにして、その中から兵らに恩賞を与えることとした。
 このことで、フィリッポスの名声はいよいよ高まり、ために、王のアラトスへの信頼もいよいよ深まっていった。


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 その後アラトス-上(続き)
 最大の難敵スパルタが降伏し、もはや天下に敵なしと思っていたアカイア同盟は大騒ぎとなった。本拠地シキュオンに、同盟の主だった者が集まり直ちに会議が開かれた。
 指導者アラトスは立ち上がった。
「アイトリア同盟の暴虐まことに許しがたい。直ちに兵を進め、懲らしめねばならん」
 アイトリア同盟討伐が決議され、アラトスを総大将とする大軍が進発した。
 その頃、アイトリア同盟軍は、メッセニア一帯を荒らしまわっていたが、
「なに、アラトスがやってくると」
「これは好都合。奴を討てば、アカイア同盟全体を一挙に崩壊させることができるぞ」
として、軍を北に向けた。
 両軍は、アルカディア北部の要衝カフィアイで激突した。
 マケドニアの後援を受けているアカイア同盟。軍資金充分で、装備は充実していた。
 が、ここでアイトリア同盟軍により徹底的に打ち破られ、大敗してしまった。アラトスは、近隣の都市オルコメノスに逃げ込み、そこに立て籠もって打って出なかった。
 アラトスという男は、つくづく大軍の采配を取るのが不得手であったようだ。また、アカイア兵が、近年マケドニア軍の補助部隊の如き役に回っていたというのも影響していたのかもしれない。
 とにかく、アラトスの敗北により、アカイア同盟は大いに動揺した。
「こうなればマケドニアの力を頼るほかなし」
 すっかり大国に依存する傾向が身についてしまった人々。すぐに一決した。
 急使がマケドニアに飛んだ。


 ここマケドニアの王都ペラ。
「ほう、アカイア同盟から援軍を求める使者が参っておると」
 国王フィリッポス五世、まだ十八歳であったが、既に英気凛々。この王家の伝統ともいうべき野心を満々に見せていた。
「陛下、これは好機ですぞ」
 アペルラスが言った。
 彼は、先王アンティゴノス三世の遺言により、新王の後見役を任せられていた。
「どう好機なのだ」
「先王陛下はアカイア同盟を通じてギリシアを統治することでよしとしました。それは大敵クレオメネスに勝利することを優先したため」
「うむ。余もそれは聞いたことがある」
「こたびこそ、ギリシア世界を直接支配する好機と存じます」
「ほう。どうするつもりぞ」
 新王は身を乗り出した。
 すると、今度は、メガレアスが口を開いた。彼は、先王の遺言で国務の総理を委ねられていた。
「アカイア同盟を助けると称してアイトリア同盟を追い払い、ついでアカイア同盟の力を削いでいくのです。ならば、自然とギリシア世界は陛下の手に落ちましょう」
 マケドニア王家は、古来より陰謀渦巻く王朝であったが、その伝統はしっかりと受け継がれていたようだ。
「なるほど」
 こうして、新王フィリッポスは大軍を率いて南下した。そして、アイトリア同盟の本拠を衝くべく軍勢を進めると、ペロポネソスに進攻していたアイトリア軍は大いに驚き、潮が引くように退却していった。
 こうして、マケドニア軍の強さを見せ付けてから、彼は悠々ペロポネソス半島に入っていった。

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古代シキュオンにある、ドリス式の神殿の遺跡です。シキュオンはコリントスにほど近い場所にありますが、今は観光ルートにも入っていないと思います。
 しかし、この話の紀元前222年頃は、ギリシア古代政治の中心の一つでした。


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その後アラトス−上 
 アンティゴノスの亡くなる直前、マケドニア王太子フィリッポスが、ギリシアに外遊のためやってきた。
 彼は、まず、アカイア同盟の指導者アラトスの許を訪れた。
「フィリッポスにございます。陛下に命じられ参りました」
 太子は慇懃に挨拶した。
 アラトスは王太子を大いに歓迎した。
「おお、殿下、ようこそお越しになられました」
 アラトスは、このフィリッポス訪問を、ことのほか喜んでいた。
 スパルタを破ったアカイア同盟は、この頃、ペロポネソス半島全域に勢力を拡大していた。その同盟の勢威、そして、アラトスの権力は、強大なマケドニア王家の威光あってこそだからだ。
「何も分からぬ若年。なにとぞ、よろしくお導きありますよう」
 フィリッポスは、神妙な面持ちで言った。
 これは、彼のこの時の偽りなき言葉であった。強国マケドニアの王太子という、輝かしき明日を約束されているとはいえ、未だ実戦の経験もなく、諸外国と渡り合ったこともない彼なのであった。
 だからこそ、アンティゴノスは、政略に抜群の才を持つアラトスの許に送ったものであろう。
「殿下、何の心配も要りませぬぞ」
 アラトスは自信を言葉に込めた。
「ギリシア世界の名士はこぞって殿下を敬うことになりましょう」


 アラトスは、太子をアカイア同盟の重鎮たちに引き合わせ、また、その外遊にも付き従い、諸国の指導者を、彼を次代の王位継承者として認知させていった。
「フィリッポス殿下こそ、アンティゴノス陛下のマケドニア王位を継承するお方。今のうちに誼を通じておくことが祖国繁栄のためですぞ」
 ために、諸国はフィリッポスに対する畏敬を深め、そのことにより、フィリッポスはアラトスを大いに尊敬する結果となった。
「アラトス殿。貴殿のお陰で、ギリシア諸国はわたくしを王位継承者と認知してくれました。感謝いたします」
「なんの。殿下に備わる気品と人格が王位にふさわしいがため。感謝には及びませぬ」
 こうして、フィリッポスは、アラトスの人となりを目に焼きつけ、大いに感銘を受けてマケドニア本国に帰国した。
 そして、彼は間もなく王位についた。
 マケドニア国王フィリッポス五世である。この時十七歳であった。


 全ギリシアがマケドニアの覇権に屈し、またアカイア同盟の統治に従うなか、ある勢力がこれに反抗した。
 アイトリア同盟である。
 アイトリア地方のポリス(都市国家)を中心とする連合勢力で、昔からアカイア同盟とは確執があった。ただ、アラトスがアカイア同盟の指導者となり、マケドニアと戦う段にあっては、一時同盟を結んだこともあった。が、アラトスが、対クレオメネス戦争で追い詰められ、一転マケドニアの援助を仰いでからは、再び疎遠となった。
 戦火を交えることなく推移して久しかったが、スパルタ降伏によりアカイア同盟の勢力が急激に拡大すると、これを大いに嫉視し、また警戒した。
「このままアカイア同盟の勢力が拡大すれば、我が同盟の存亡に関わる」
 その頃、丁度、マケドニアではアンティゴノス三世が逝去し、フィリッポスが王位を継いだところであった。
「これは好機ぞ。新王は若年。大軍を動かすことはできまい」
「そうだ。マケドニアの威を借り驕り高ぶるアカイア同盟を打ち砕くのは今だ」
 紀元前220年、アイトリア同盟は大軍を催すと、コリントス湾を渡海し、アカイアに進攻すると、パトライ、デュメの両都市をたちまち制圧した。さらに、南に進み、エリスの領土を荒らして軍を進め、メッセニアに進攻した。


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