新しいギリシア・ローマの物語2

179年、暴君フィリッポス、悪業の報いを存分に被り、死去

第6章カンネーの章

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−これまでのあらすじ−
 アルプスを越えイタリア進出を果たしたハンニバル。連戦連勝し、ついには平民の英雄フラミニウスを、トラスメネス湖畔に潰滅せしめる。
 この非常事態に、ローマは重鎮のファビウスを独裁官に選任。穀倉地帯カンパニアで駆け引きを繰り返し戦線は膠着。虚を衝いて奇襲を敢行したファビウスに対し、ハンニバル、火牛の計を施し、無事アプリアへ通過。
 ゲルニウム近郊でローマ軍とハンニバル軍、本格的な戦闘に及ぶも決着はつかず、そのまま冬を越し、紀元前216年春を迎える。
 待望の執政官パウルス着任。ハンニバルの糧道を断つ作戦に打って出るも、ハンニバル、ローマ軍の兵糧基地カンネー急襲。対決の機運一気に高まる。



 ハンニバルの演説 
 ここ、カンネー。ハンニバル軍本陣。
「そうか。敵は大軍をもって迫っておるか」
 ハンニバル、静かな瞳で聞いていた。
「はい。大将軍にイリュリア平定の英雄パウルスを戴き、ウェヌシアに入ったとのこと。その兵力膨れに膨れ、総勢八万の大軍勢。他の指揮官もテレンティウス、ミヌキウス、ゲミヌスと錚々たる顔ぶれ。決戦覚悟の陣容と存じます」
 マニアケスは淡々と報告した。
「そうか」
 ハンニバルは、すっくと立ち上がった。その瞳はきらと輝いていた。
「ようやく…ようやく待ちに待った戦機が到来したぞ。マニアケス」
「御意」
 マニアケスは頷いた。
 そう。トラスメヌス湖畔の戦いの後、ローマ軍は持久戦術に転換し、小競り合いや奇襲の応酬に終始した。大局を決するが如き戦いは皆無であった。
 だが、ハンニバルの真骨頂は会戦にある。広大な平原を戦場に、味方の隊を大きく展開し、騎兵戦力を自在に駆使し、敵の主力を包囲撃滅する。そこにハンニバル戦術の神髄があった。



「総司令」
 マゴーネが口を挟んだ。
「確かに会戦の好機と存じます。ただ、将兵の中には、敵のあまりの大兵力に、不安に思う者も少なからずおります。ここは、将兵を元気づけていただきとう存じますが」
 味方には、すぐに浮き足立つガリア兵も大勢いる。臆病を一掃し、気を引き締め、なおかつ歓喜にも似た勇気を注がねばならない。
「よろしい。直ちに将兵に闘志を与えてみせよう。全員を集めてくれ」
「ははっ」
 陣内に合図のラッパが鳴り響き、将兵は広場に招集された。



 集まった兵たちは、額を寄せ、ひそひそ語り合っていた。
「敵は総力を挙げて攻めて来たそうな」
「十万近い兵力とか聞いたぞ」
「本当か。そいつは大事だな」
「敗北すれば、背後は海。我らは溺れ死ぬしかないぞ」
 そう。カンネーから十キロほど川を下れば、そこはアドリア海。
 ハンニバル軍優勢とはいえ、いわば背水の陣にも似た格好となっていたのだ。
 勝ち続けていたとはいえ、将兵たちが、背筋を寒くするのも無理はなかった。

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−これまでのあらすじ−
 アルプスを越えイタリア進出を果たしたハンニバル。連戦連勝し、ついには平民の英雄フラミニウスを、トラスメネス湖畔に潰滅せしめる。
 この非常事態に、ローマは重鎮のファビウスを独裁官に選任。穀倉地帯カンパニアで駆け引きを繰り返し戦線は膠着。虚を衝いて奇襲を敢行したファビウスに対し、ハンニバル、火牛の計を施し、無事アプリアへ通過。
 ゲルニウム近郊でローマ軍とハンニバル軍、本格的な戦闘に及ぶも決着はつかず、そのまま冬を越し、紀元前216年春を迎える。
 待望の執政官パウルス着任。ハンニバルの糧道を断つ作戦に打って出るも、ハンニバル、ローマ軍の兵糧基地カンネー急襲。対決の機運一気に高まる。


 パウルスの演説(続き)
 広場に集まった将兵は、迫る決戦に不安な眼差しを寄せ合っていた。
「ハンニバルは、我らが蓄えた兵糧を悉く奪ったとか」
「そのため、周辺の諸都市も大いに動揺しているとか」
「アプリア地方は、もはやハンニバルの天下というぞ」
 不利な話は、不安により増幅され、かつ速く広がる。
 事実、ローマ軍は負け続きだから、根も葉もない話ということもできない。
 パウルスが、この将兵たちに活力を与えることを真っ先に思いついたのは、正しいことであったといえよう。



 パウルスは、壇に上がると、将兵の顔を見回した。
「ローマの将兵諸君!」
 彼は、常と同じくにこやかであった。
「我らは必ず勝つ!まずそれを強く思うのだ!」
 彼は言い切った。
 怪訝な眼差しを向ける兵も多かった。なにしろ、これまで連戦連敗なのだ。
「これまでは確かに敗北してきた。だが、その理由は明白。従って、その敗北の原因を弁え、勇敢に戦いさえすれば、勝利は疑いないのだ」
 パウルス、次第に語気を強めていく。



「一つは、不運が重なったことだ。トレビアでは執政官の一人が負傷していて采配を取ることが出来なかった。二人の執政官が力を合わせ戦った訳ではないのだ」
 トレビアの戦いは、スキピオが負傷し、センプローニウス一人が指揮を執った。充分な意思疎通を欠き、戦機に逸ったため敵の計にかかり敗北を招いたもの。
「そして、トラスメヌス湖畔の戦いでは、天候も味方に災いした」
 湖畔の濃霧のため、敵の奇襲に抗する術無く、味方は潰滅してしまった。
「もう一つは、敵の襲来が急であったため、兵の調練が充分でなかったこと。しかも、トレビアの折には、シチリア駐留の部隊を長駆、パドゥス川の畔まで馳せ向かわせるしかなかった。その兵は、充分の休養も与えられず、戦いに臨まねばならなかった」
 パウルスの言は正確さに欠ける。実際は、パドゥス川の陣営に到着してから、しばらく休養の時があった。
 だが、今は、そのような些事は関係ない。味方に勇気を与えることさえ出来れば、少々誇張が混じっていても差し支えないのだ。



「しかし、である。今、ようやく時は我らに幸いしておる」
 パウルス、言葉を高ぶらせた。
「まず、我ら執政官二人が、こうして揃って諸君の前にあるということ」
 そういって、右手でテレンティウスの方を差した。
「そして、昨年執政官を務めたゲミヌス殿、そして、騎兵長官を務めたミヌキウス殿にも御助力を依頼し、こうして諸君と共に戦場に臨んでもらうことにした。今、ローマが用意し得る知勇優れた指揮官が、こうして諸君と共にあるのだ」
 ちなみに、執政官格司令官の一人レグルスは、首都防衛のためローマに戻っていた。



「さらに、諸君は、この二年に渡る戦いで鍛えに鍛えられている。隊列の組み方にも習熟し、武器の使い方にも慣れた筈。いわば勇猛の兵となった訳だ」
 パウルス、いつの間にやら、己の言葉に自ら確信を得たかのような高揚を見せ始めた。言葉通りの自信の塊となっていた。
「加えて、我が軍は敵兵力の倍!これでは敗北を夢想することすら困難ではないか!勇猛な兵が雲の如く馳せ参じ、我が国の誇る指揮官が一堂に揃い、しかも敵より多数!となれば、勝敗の帰趨は誰の目にも明白!勝利以外に何が待つというのか!どうだ諸君!」
 パウルスは、叫ぶようにして締めくくった。



 将兵も、大いに勇気づけられ、彼方此方で歓声が沸き起こった。
「勝利以外なし!」
「我らを待つものは勝利のみ!」
「コンスル閣下!早く戦いに打って出て、敵に目にもの見せてやりましょう!」
 パウルスは、言葉が将兵らに伝わったことを確かめ得ると、満足そうに頷いた。
「我らは慎重に戦機を窺う。諸君は、士気を保ち、団結を乱さず、その時に備えるのだ」
 そういって、解散を命じた。
 こうして、パウルスは、味方の士気を高めることに成功したのであった。


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 パウルスの演説 
 紀元前216年六月末。
 執政官パウルス、同じく執政官テレンティウス、両名率いる総勢四万の大軍がローマを進発した。
 ローマ市民の期待を一身に集める二人、大いなる歓呼で送り出された。
 パウルスの馬のそばには、この遠征に副官に取り立てられたプブリウスが、そして、同じく副官として親友ラエリウスが従っていた。さらに、執政官の槍持ちは、ディキトゥスが務めていた。



 全軍、ラティウム街道を真っ直ぐに南に進み、カプアを経てアッピア街道に入り、ベネウェントゥム(現ベネベント)を通過し、ウェヌシア(現ヴェノザ)に入った。
 ここがローマ軍の本営であった。
 ゲミヌス、レグルスの両将率いる軍勢がここに集結していたからだ。
 合流したローマ軍は総勢八万。大軍勢となり城外に兵が溢れ出した。
 市内の本営に入ると、パウルスは早速に軍議を開いた。
「敵軍はどのような布陣をしているか」
「はい」
 温厚な貴顕市民ゲミヌスが応じた。
「敵は、カンネーに本陣を置き、一軍をカヌシウムに配しております。総勢四万」
「ということは、アウフィドゥス川(現オファント川)の東岸に、ほぼ全軍が集結している訳か」
「左様にございます」
「ふむう」
 パウルスは地図を見た。
 あたりは平原地帯。その真ん中を縫うようにアウフィドゥス川が流れている。
(敵に接近するためには、この川を盾にするよりほかないな…)
「よろしい。我が軍は、この西岸を進み敵の向かいに陣取ることにしよう。…どうかな、テレンティウス殿」
 パウルスは同僚執政官の同意を求めた。
「よろしいかと存じます。それならば、敵の動きに臨機に応ずる事が出来ましょう」
 テレンティウスは頷いた。
 パウルス、微かに息をついた。いかに、この同僚に対し、並々ならぬ気遣いをしているかが分かる。



「パウルス閣下」
 先の騎兵長官ミヌキウスが挙手した。
 彼も、この戦いに執政官格司令官(プロコンスル)として参戦していた。
「何よりも、まず将兵の臆病を払い、勇気を与えることこそ先決。さもなくば、いかに必勝の策を立てようとも、それを遂行することは叶いますまい」
「うむ、貴殿の申される通りだ」
 パウルス、大きく頷いた。



 実は、パウルスは、ミヌキウスに頼み込んで、従軍してもらっていた。
(ミヌキウス殿は、ファビウス殿の下で働き、最後は持久戦の有効性を悟られた御仁。また民衆の信頼も厚い)
 だから、ローマを発つ前、二人で充分に話し合っていた。
「こたびは、味方の内で混乱があるような事はあってはならぬ。そのためにも、貴殿のお力が必要だ。これはファビウス閣下も同じ意見だ」
 ミヌキウス、前の遠征から戻ってからは、全くの別人格になっていた。
 平民党の重鎮であり続けながら、ファビウスを敬い、慎重を旨とする武将に変身を遂げていた。
 だから、彼は、パウルスの求めに快く応じた。
「かしこまりました。コンスル閣下の意に沿うよう務めまする。ご安心ください」
 今も、その筋書き通りに発言したものだ。



「ここは、前のイリュリア平定で、将兵の信望も篤き閣下により御訓示いただきとう存じます。閣下の言葉により、是非とも将兵を勇気づけていただきたく存じます」
 ミヌキウスは、そういった。
 この、パウルスの言葉により、という部分が肝心なのだ。二人の執政官はあれど、全軍の前で演説する者こそが総指揮官。そう。全軍の総指揮官が誰なのか、それを全将兵に知らしめることになるからだ。
「よろしい。直ちに訓示を与えることとしよう。全将兵を集めてくれたまえ」
 パウルスは立ち上がった。

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 絆−古の縁(いにしえのえにし)(さらに続き)
「…では、アエミリア、そなたも」
「はい」
 アエミリアが取り出したのも一振りの剣。
「これは、私の生国ラケダイモンより持参したもの」
「ということは王家所蔵の…」
「はい。『月光の剣』にございます」
 そういって、ププリウスに渡した。
 プブリウス、それを鞘から抜くと、刀身が露の滴るような光を放った。



「おお、これは見事な…」
「この剣は…」
 アエミリア、僅かに寂しげな色を見せ、その出自を語った。
「かつて王家より、ある忠臣に王の娘を嫁がせる際に下賜されたもの。その忠臣は、この剣を佩いて決戦に臨んだと伝えられています」
 それを聞くと、プブリウス、瞳を大きくした。
「それは…もしやパウサニアス公のことでは…」
 アエミリア、静かに頷いた。
「が、その後、ゆえあって王家に戻されたものと聞き及んでおります。我が父、いえ、クレオメネス三世王が我が娘を嫁にやるときにはもたせるようにと言い残し…」
 養父の手前、他人のようにクレオメネス三世と言い換えたものの、アエミリアは嗚咽を堪えることは出来なかった。
「それを…私に。…いいのか?私はルキウスの末裔。パウサニアス公と戦った者の子孫」
「…クレオメネスは」
 アエミリアが実父を他人行儀に呼ぶのを、パウルスはたしなめた。
「アエミリア、構わぬからクレオメネス殿を父上と呼びなさい」
「はい」
 アエミリアが養父に頭を下げ、そして続けた。
「父クレオメネスは、あなた様のことをたいそう気に入り、もう百年前の事は全て水に流してやろうぞ、とよく笑っておりました」
「水に流す…。確かに冗談めかして仰っていたが…」
「さもなくば、娘を嫁がせるかもしれぬと思いながら、プブリウス様に私のことをお頼みなどなさらなかったでしょう」
「そうか…そうであったか」
 プブリウスの声は震えていた。



「パウルス閣下」
 プブリウス、感に堪えたように口を開いた。
「何か」
「今、閣下の手にある『星天の剣』は、その昔我がルキウス公がラケダイモン王家より拝領したと言い伝えられております」
「そうであったのか」
「はい。そして、この『月光の剣』を…」
 そういって、プブリウスは刀身を撫でた。
「これを持つパウサニアス公と対決したとのこと」
「なんと…それは本当なのか」
「はい。実は…」



 プブリウスは話した。
 先のギリシア行で、スパルタ(ラケダイモン)の公式の記録を確かめ、祖先のルキウスが王の寵を得て『星天の剣』を賜ったこと。年を経て、スパルタの敵となり、『月光の剣』を佩くかつての親友パウサニウスと決戦で対決するに至ったこと。
 両家の親族は、二振りの剣の数奇な運命に、驚きと意外に息を呑んでいた。
「まこと不思議な縁ではありますまいか。今日、かつて敵味方に分かれた剣が、再び会いまみえ、両家の絆を固めるものに変じておるのであります。いや、ラケダイモン王家との縁も固め得たのであります。かつての宿怨が氷解したのであります」



 プブリウス、いつの間にか涙ぐんでいた。
「こんな嬉しいことは…こんな喜びはありません。ルキウス公も、今世にあれば、きっと感激していたに違いありません」
 彼は、左手に抱える彫像を愛おしそうに抱いた。その像は、随分とすり減っていたが、ルキウス公をかたどったものなのかもしれない。
 それはあたかも、スキピオ家の者が二人、時空を超えて抱き合い、今の感動を分かち合っているように見えた。
 パウルスも、花嫁のアエミリアも、まぶたに熱いものを一杯に湛えていた。
 それから。両家の華燭の典は、その夜、遅くまで続いた。
 笑い声と、明るい希望に満ちた話題がいつまでも続いた。


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  絆−古の縁(いにしえのえにし) (続き)
「ププリウス殿。顔を上げられよ」
 パウルスの大らかな笑顔が頭上にあった。
「私こそ、そなたのような聡明な息子を我が娘の夫に迎えることを喜ばしく思うぞ」
「ありがたきお言葉」
「ただ一つだけ…遺憾に思うことがある」
「は、何でございましょうか」
「本来ならば、そなたの父スキピオ殿と共に今日を祝いたく思っていた。が、それは叶わなくなったこと、それのみが心残りぞ」
 プブリウスの父スキピオは、紀元前217年の春から執政官格司令官(プロコンスル)として、ずっと任地のイベリアにあった。その間、一度も国に戻ってなかったのだ。
「なんの」
 プブリウスが言った。
「我が父と閣下は刎頸の友。閣下の主催ならば、我が父も喜びかつ安心しておるに違いありませぬ」
「そうか」
 パウルスは瞳を輝かせた。



「では、只今より、コルネリウス氏族スキピオ家とアエミリウス氏族パウルス家、両家の結婚の儀式を執り行う」
 パウルスが宣した。
 パウルス家は名門。当主パウルスの儀式に関する素養も充分。また、今日のために、神官や占い師を多数招いていたため、式典は滞りなく進んだ。
「それでは、両名、前に出なさい」
 促され、ププリウスとアエミリアは一歩前に進んだ。
「花婿よ」
 パウルスが厳かに呼びかける。
「はい」
「汝は、汝の妻アエミリアを愛することを女神ユーノーに誓うか」
 ユーノーとは、最高神ユピテルの妻で、結婚生活を司る女神である。ギリシア神話のヘーラーに相当する。
「誓います」
 次いで、パウルスはアエミリアを見た。
「花嫁よ」
「はい」
「汝は、汝の夫を愛することを女神ユーノーに誓うか」
「誓います」
「それでは、夫は妻家に、妻は夫家に、誓いの品を渡しなさい」



「わたくしは、これを御家に差し上げます」
 取り出したのは一振りの名剣。
 プブリウス、それをアエミリアの手に渡した。
 アエミリアは、恭しくそれを受け取り、養父パウルスに手渡した。



 パウルス、鞘からすっと抜くと、刀身がきらきら輝いた。
「おおっ、何と見事な…」
 まるで夜空に星がちりばめられたが如くであった。
「我が祖ルキウス公以来、スキピオ家に伝わる『星天の剣』にございます」
「このような秘宝を…もらってよいのか」
 パウルスは、驚きの眼差しで、プブリウスの顔を改めて見た。
「はい。この剣をお佩きありて、来る戦いに御臨みいただきますよう」
 まさに、スキピオ家のパウルスに対する全幅の信頼を示すものに他ならない。
「そうか」
 パウルスは満足そうに大きく頷いた。


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