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とうとうドイツのオークションで手にいれた本が届いた。といってもドイツ人も見向きもしなく、競り合う必要もなくさっそく私のものになった。だが支払いを済ませたのに待てど暮らせどこない。最低の輸送料金で注文したから、はるばるスエズ運河をこえてやってくるとこういうことになるのかなと思っていたが、それにしてもおそい。
先日その売り手の古本屋から、ごひいきと辛抱強さに感謝いたしますというメイルが入ってきた。なんでも商売を独りでやっているが、病気になり入院し皆様にご迷惑をかけた。それども愛読家の皆さんのことを考え、生命の危険を賭して発送に取り組んでいる。(同文のメイルであろうが)今800通の手紙を書いているところである。もう少し辛抱して待ってくれと言ってた。それほど待っていたわけではないが、受け取ったからには返事をしとかなければいけない。私のドイツ語の語学力では、他の人の返事をまねて「Vielen Dank für die schnelle und zuverlässige Lieferung!(はやくて信頼できる発送を感謝します)」とか書くことになるであろう。
本は Gerhard Focken: Am Moorrand という24ページの本であり、1928年出版である。「湿地帯にて」と訳すのだろうか。湿地帯といえばニーダー・ザクセンで、その地方の郷土文学を期待して買ったのだが、どうであろうか。ただし髭文字のドイツ語であるから、結構読み終わるのに相当時間がかかるだろう。語学力は衰えているが、暇人だからいつかは完成するだろう。
ブログを始めてつくずく感心したのは、日本人の知識欲の旺盛さである。私が日本初紹介と思ってもまず誰かが記事にしている。ただこの本はドイツでも買い手のつかなかった本だから、まず日本でこの本を所有しているのは私ぐらいのものであろう。私の蔵書中でもっとも安価で(300円ぐらいかな)、珍品中の珍品であることはまちがいない。価値はともかく日本初公開という意味で翻訳してブログに載せてみようかと思う。
なぜこの本にこだわったかというと、この本の作者の Gerhard Focken という姓名が気になったからである。この事情については以前ヘルマン・アルマースが作詩した Feldeinsamkeit について書いたことがあるので興味のある方はみていただきたい。ヘルマン・アルマースは自分の詩にブラームスが付曲したのが気に入らず、ゲルハルト・フォッケンという人の曲が好きだったという話をどこかで読んだが、このニーダー・ザクセンにはありふれた名前の人物の作曲は完全に忘れられている。暇人はなんとかこの人を捜そうとしたが、無理だった。
農家の多いこの地方で、地方文化人であり、本をめくった感じでは、ヘルマン・アルマースの知人の可能性があり、ひょっとしたら素人くさい作曲をしたゲルハルト・フォッケンその人かもしれないといと思った次第である。ただそれだけの理由である。作家としても無名である。
http://blogs.yahoo.co.jp/fminorop34/6719318.html
http://blogs.yahoo.co.jp/fminorop34/6558738.html
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