ヘ短調作品34

ルブランの回想録の link 先はゲストブックを御覧ください。

英語圏女流詩人

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昨日お約束したヘマンズ夫人の唯一記憶されてきた「カサビャンカ」の解説である。以下はそっくり Wikipedia の英語版の記事を拝借したものである。ドイツ語版はその翻訳、フランス語版でも記事がある。フランス語版にはカサビャンカとはコルシカの地名、カサビャンカ一族の記事、カサビャンカ提督にちなんだ潜水艦の名前として記事が載っている。

http://en.wikipedia.org/wiki/Casabianca_%28poem%29

若干付け加えるならば、ナポレオンがエジプトに遠征したことはよく知られている。カサビャンカはナポレオンをエジプトに運び、ネルソン提督率いるイギリス艦隊と一戦を交えたフランス海軍の提督であり、ナポレオンと同じコルシカ出身であった。フランス海軍は壊滅し、カサビャンカとその息子は旗艦オリエントと運命をともにしたのである。

イギリスの熱烈な愛国者であるヘマンズ夫人は、この海戦があったときには5,6歳であったと思うが、その後敵将の息子の運命に興味を持ち、この江戸時代の儒学者からも賞賛されてもおかしくない「孝行息子」の詩を書いた。この詩は本国よりもアメリカに渡り、何世代もアメリカの子供たちに読まれた経緯がある。


では Wikipedia の記事、多分これはアメリカ人の執筆者になるものと思われる。

「カサビャンカ」は19世紀初頭イギリスの(女流)詩人フェリシャ・ドロシー・ヘマンズ(1950年以前は一般に「ヘマンズ夫人」あるいは「F.D.ヘマンズ夫人」と呼ばれた)の詩である。詩の正式の題よりも、最初の一行"The boy stood on the burning deck".の方がお馴染みである。

この詩は1850年代から1950年代まで約一世紀にわたって、アメリカ合衆国の小学校の定番の教材であった。意味や感情を理解するよりも、ただひたすら暗記させられ、暗唱させられたので、今では決まり文句やパロディーで記憶されている。

詩の冒頭は

「少年は全員が退避した、
燃えさかるデッキに立っていた。
艦の残骸を燃やす炎が
あたりの死体を照らしだしていた。」

この詩は1798年「ナイルの戦い」あるいは「アブキールの戦い」で実際にあった事件を追悼している。司令官ルイ・ド・カサビャンカの若い息子、ジョカンテ Giocante(年齢10歳とも12、3歳とも言われる)が持ち場を離れず、火炎で弾薬庫が爆発したときに散っている。

ヘマンズ夫人やその他の話では、若きカサビャンカは父の命令なしに持ち場を離れることを拒んだ。(信憑性は疑わしいが、艦がイギリス海軍に拿捕されるのを阻止するために、彼は果敢にも弾薬庫に火をつけたという話もある。)少年の死という明白な事実以外にこの事件の詳細は何も残っていない。ヘマンズ夫人は史実というより、少年の死から詩の題材を得たのである。

「炎は近づいてきたー でも彼は持ち場を離れなかった、
父親の命令がないからだ。
父は息も絶え絶えで、
その声はもはや聞こえない。」

ヘマンズ夫人は少年に、繰り返し、心をかきむしるように命令をを求めて叫ばせている。「ねえお父さん、次に僕は何をしたらいいの?」そしてもう一度さらに大声で叫んだ「お父さん、僕はここに残るべきでしょう?」ああ、もちろん返事はない。

ヘマンズ夫人は船と少年の働きを賞賛する言葉で締めくくっている。

「見事に役を果たした、
マスト、舵、華麗な軍艦旗とともに
散った最も気高きものは、
若き忠実なる精神であった。」

McGuffey(アメリカ最大級の教科書会社)の読本の第4巻(1866)では、この詩を第55課の教材として採用し、もちろん大まじめで扱っている。まず生徒に次の言葉の子音をはっきり発音するように指示している: terrible, thunders, brave, distant, progress, trust, mangled, burning, bright,。次に詩の概要を紹介し、全文を載せている。そして思考力を高める質問が出てくる。「この物語は何をかたっているの?、カサビャンカとは誰?、戦闘の最中に誰のそばにいたの?、お父さんはどうなったの?、何が燃えてたの?、水兵達はどうしたの?、少年はどうしたの?、こんな危険な中で持ち場を離れたかった理由は?少年はどうなったの?」


(イギリスの反ビクトリア的な小説家である) Samuel Butler は,彼の著作「万人の道 The Way of All Flesh 」でこの教訓的な詩から「非正統的」教訓を引き出している。

<ある時、彼はカサビャンカについて考えた。彼は父親から以前にこの詩で試されたからである。「少年が持ち場を離れるとしたら、それはいつか?少年は誰に言ったか?ここで散った最も高貴な精神は誰のものか?お前はそう思うかね?なぜそう思うのかね?」等々。もちろん彼はカサビャンカの命がここで散った最も高貴な命であると思った。それについては全く異論はない。ただ彼が思いつかなかったこの詩の教訓は、親に従順といっても程というものがあるが、若い人にはそれが判断できないということである。>

おそらく Samuel Butler の思想と一致するところがあるのだろうが、無礼な小学生が何代にもわたってパロディーを作った。

The boy stood on the burning deck,
The flames 'round him did roar;
He found a bar of Ivory Soap
And washed himself ashore.

少年は燃える甲板に立っていた。
炎がごうごうとうなり声を上げた。
彼はアイボリ・ソープを見つけ、
上陸して体を洗った。

あるいは

The boy stood in the waiting room,
Whence all but he had fled;
His waistcoat was unbuttoned,
His mouth was gorged with bread...

すでに全員が退避したのに、
少年は控えの部屋にいた。
チョッキのボタンがはずれ
口の中にはパンが詰まっていた。

あるWikipedian の回想によれば、

The boy stood on the burning deck
Eating peanuts by the peck;
His father called, he would not go
Because he loved those peanuts so.

少年は燃える甲板に立っていた。
ピーナッツをかじっていて、
父親が呼んだが、動かなかった。
彼はピーナッツが大好きだったから。

さらに

The boy stood in the waiting room
His mouth was filled with bread
"Another crust, and I will bust"
The greedy varmint said.

少年は控えの部屋にいた。
彼の口はパンが詰まっていた。
もう一切れ手に入れるぞ。
食い意地の張った悪ガキは言った。

さらに

The boy stood on the burning deck
When all about had fled!
Twit!

すでに全員が退避したのに、
少年は燃える甲板に立っていた。
馬鹿じゃない!

The Poetry Library website にはこんなのもある。

The boy stood on the burning deck,
Picking his nose like mad;
He rolled it up in tiny balls
And threw it at his dad.

少年は燃える甲板に立っていた。
鼻をほじくり
鼻くそを丸めて
父ちゃんに投げつけた。

イギリスの漫画 The Bash Street Kids のパロディーでは、 「少年は燃えさかるデスクの上に立っていた。」で始まり、最後のほうでは、クラスの全員がこれを朗唱している「ある少年は燃えさかる学校のデスクの上に勇敢にも立っていた。」


最後に執筆者はもう少し優しいアメリカの女流詩人 Elizabeth Bishop のパロディーを紹介している。彼女の詩も、アメリカの小学生がこの詩で悩まされている様子を証言しているが、この女性の詩は私には自信がない。先生に叱られるのが怖くて、少年は燃えるデッキに立って「少年は燃えるデッキに立っていた」を暗唱し、水兵達は先生に叱られてもいい、とにかく死ぬよりはましだと必死に泳いでいる。作者はそのいずれにも同情的である、と解釈した。先生というものが絶大な権力を持っていた時代の物語にしたと私は解釈した。お父さんの命令がないからというのは、言い訳であり、本当は先生に叱られるのが怖いのだと解釈したのだが、無理だろうか。

love's の用法がよくわからなかった。Love は用法が多すぎてとても調べる気にはなれない。おもに女性が子供やペットに love と呼びかける用法はあるようだ。坊やと呼びかけているのだろうか。


Casabianca

Love's the boy stood on the burning deck
trying to recite "The boy stood on
the burning deck." Love's the son
stood stammering elocution
while the poor ship in flames went down.


カサビャンカ

いじらしいわ!燃える甲板に立っている坊や!
燃える船が沈もうというのに、
この子は「少年は燃える甲板に立っていた。」
を暗唱しているわ。いじらしいわ!坊やは
どもりながら発声の練習をしているわ。

Love's the obstinate boy, the ship,
even the swimming sailors, who
would like a schoolroom platform, too,
or an excuse to stay
on deck. And love's the burning boy.

Elizabeth Bishop


いじらしいわ!頑固な坊やとお船、
教壇の方がましだと
泳いでいる水兵さんも、
甲板にのこる言い訳も、
いじらしい燃える坊や。

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