ヘ短調作品34

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美術

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印象派とドレフュス6

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さてまた順番がバジールの絵と一致しないが、マネの後ろで絵を見つめているモネである。彼はカフェ・ゲルボアの常連ではあったが、論争に加わることはなく、聴いていることが多かったという。彼は雄弁ではなかったのだろう。また彼も手紙を書いているが、ゴッホとかピサロのように芸術を語った書簡は知らない。政治の議論にも加わったことはないだろう。

彼の書簡といえば金の無心である。たとえば、糟糠の妻カミーユが長く患い死ぬ前の友人あての手紙である。「カミーユの命はもう長くない。カミーユが大好きでいつも身につけていたブローチは質屋に入っている。なんとかしてこのブローチを請けだしたいのだが、金がない。お願いだから金を貸してくれないか。あの世でもこのブローチを身につけさせたいのだ。」

質屋はユダヤ人とは限らないが、かなりの質屋はユダヤ人である。聖トマス・アクイナスによれば、羊や麦は妊娠して子孫を増やし、羊飼いや農民は豊かになる。彼らの仕事は自然であり、神の摂理に敵っている。金貨は妊娠しない。にもかかわらず金貨を増やしていく仕事は自然ではない。キリスト教徒のすべきことではない。そこで土地を持つことを許されなかった賤民ユダヤ人がこの仕事をすることになる。

質屋とは縁のあったモネがユダヤ人に対してどう思っていたかの証言はない。多分多くのフランス人同様良くは思ってはいなかったろう。一人のユダヤ人の人生は、彼にはどうでもいいことであったろう。彼は反共和派ではない。まあ無党派層といったところか。

そこでゾラとの関係である。ゾラは印象派の人達との交流はあったし、体制に反抗的な人達に同情的な人物である。ゾラは印象派の絵画が傑作だとは思っていなかったみたいである。例外的に小学校以来の親友セザンヌとモネは評価してきた。

彼は『制作』という小説を書いた。主人公は娼婦になったナナの異父兄にあたるクロード・ランティェである。彼は画家を志し、大傑作を描こうとした。彼は結局それに失敗して自殺し、家庭も崩壊するという話である。

この小説のモデルは小説家ゾラ自身であり、セザンヌではないといわれているが、モデル問題で長年続いたセザンヌとの友情は終わり、回復することはなかった。モネも画家であるし、主人公がモネと同名のクロードであったことが影響したかどうかはしらないが、ゾラとの関係は冷えていた。

ゾラが『私は弾劾する』を発表したのは『オーロール』紙である。この新聞の編集者は政治的野心のあるクレマンソーである。クレマンソーはモネを高く評価していた。この人間関係はモネの態度に影響したことは間違いない。

そして冷えていたゾラとの友人関係であるが、この記事を書いたゾラの勇気に感動した。そしてその勇気を褒め称える手紙を書いている。たしかに勇気のいることである。彼は何の得にもならず、ただ危険なだけである、ユダヤ人擁護論を展開したのである。ゾラはもとより裁判で弁護人になるのも身の危険を覚悟しなければいけなかった。

要するに非政治的なモネはゾラの勇気に感銘し、ドレフュス擁護派になったのである。

今日は肖像画がわりにモネの庭園の絵を掲載した。彼のトレードマークであり、自画像のようなものである。クレマンソーもよくここにきて昼食をともにした。

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fminorop34さんの記事を拝見していると、絵画や詩にどんどん興味が湧いてきます。知識がないので毎回驚くばかりでコメントができませんが、楽しみにしています♪♪

2006/9/2(土) 午前 1:51 hag*m*mic*an*

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お早うございます。私はあんこさんの記事を楽しく読ませて頂いています。ところで今住んでいらっしゃる所からウィーンまで自動車で何時間かかりますか。

2006/9/2(土) 午前 9:19 [ fminorop34 ]

そうですね、ブラチスラバ旧市街からウイーン1区までとして、自動車だと街の中は平均して50キロ制限、街を出るとみなさん100キロはだします。その速度で国境の待ち時間を含め、1時間20分くらいが平均だと思います。早い方は1時間だそうです♪

2006/9/3(日) 午前 4:31 hag*m*mic*an*

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日本でいえば県を一つか二つまたぐようなものですね。

2006/9/3(日) 午前 8:43 [ fminorop34 ]

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今日(9/3)の朝日新聞書評欄に、ドレフュス事件に知識人概念の誕生を見るという書物の紹介批評が載っていましたが、それはともかく貴ブログの印象派画家たちの生き様への考究、興味のあるところです。履歴からやってきました。

2006/9/3(日) 午前 10:57 緑の森

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コメント有り難うございます。私は以前ニューヨークで美術史を専攻している女性のリアリズムの論文集の一部を読みました。そのメモを取ったのですが、それをなくしました。はっきり記憶している人物だけをとりあげたのですが、どうもお恥ずかしい内容です。彼女の論文も結論はなかったと思うのですが、絵描きまで巻き込んだフランスの大事件という意味できょうみがありました。ロンドンの大火が終わったらまた再開します。

2006/9/3(日) 午前 11:32 [ fminorop34 ]


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