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今回は「今日の詩」が先日送ってきたスコットの「正統的イギリスの詩」を紹介しよう。現在ではあまり流行らないかもしれないが道徳的な内容の詩を振り返ってみよう。
Breathes there the man with soul so dead
Breathes there the man with soul so dead
Who never to himself hath said,
This is my own, my native land!
Whose heart hath ne'er within him burned,
As home his footsteps he hath turned
From wandering on a foreign strand!
If such there breathe, go, mark him well;
For him no minstrel raptures swell;
High though his titles, proud his name,
Boundless his wealth as wish can claim
Despite those titles, power, and pelf,
The wretch, concentred all in self,
Living, shall forfeit fair renown,
And, doubly dying, shall go down
To the vile dust from whence he sprung,
Unwept, unhonored , and unsung.
Scott
すでに魂は死んだ男がまだ息をしている
すでに魂は死んだ男がまだ息をしている
この男は一度だってつぶやいたことはない
此処が俺の国だ!生まれ故郷だ!と。
異国の海辺をさまよったあげく
家路についてからも
この男の心は燃えてはいない。
こんな男がまだ生きていたら行ってよく見るがよい
この男の胸は吟遊詩人の喜びでふくらむことがない。
位は上がり名前は知られ
望むだけの途方もない富があっても
位と権力と金があっても
この悪党は自分だけ自分の人生だけを考え
栄誉を失うのだ。
そして男は二度目の死を迎え
出でた賤しい塵に帰ることになるが
泣く者もなければ 敬意を表し称える者もいない。
スコット
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俗に栄達出世した人間を、また心をなくした人間を「悪党」と呼ぶ。わからないではないけれど。それにつけても、日経新聞の「私の履歴書」を読んでいると、実業家、経営者は、出会いの一期一会、縁とか支えと言った殊勝なことは言うがおおむね自慢話が多く(のぼりつめた人達だからあたりまえといえばそうですが)、芸術家はそう云った成功自慢話を避けるきらいがあるようです。それはともかく先の見えた身にはこたえる詩です。
2007/2/24(土) 午後 0:04
仰るように「私の履歴書」は自慢話です。スコットには死を悼む人が数多くあり、後世に名前を残すという自負心があったのでしょう。でも財政的にはどん底だったことを今回知りました。借金に追いまくられて書きまくったそうですが、それでいて質の高い作品を残しているのだから大したものです。この詩は彼の借金取りに献呈されたものでしょうかね。緑の森さんに「先の見えた」といわれたら私などはどうなります。緑の森さんは全く隙のない文章を書かれるます。たしかに読者に緊張を要求するという点ではお好きなウェーベルンに似ていますね。これ以上の感想は私的になりますのでゲストブックにでも書き込ませて頂きます。
2007/2/24(土) 午後 0:40 [ fminorop34 ]