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I heard a fly buzz when I died;
The stillness round my form
Was like the stillness in the air
Between the heaves of storm.
The eyes beside had wrung them dry,
And breaths were gathering sure
For that last onset, when the king
Be witnessed in his power.
I willed my keepsakes, signed away
What portion of me I
Could make assignable,-and then
There interposed a fly,
With blue, uncertain, stumbling buzz,
Between the light and me;
And then the windows failed, and then
I could not see to see.
Emily Dickinson
死の床で私はハエの羽音を聞いた
死の床で私はハエの羽音を聞いた。
床の周囲は静まりかえり
まるで嵐の合間の
空の静けさだった。
涙も枯れた人達の目
やがて息づかいはついに
最高権力の王が現れる
始まりの時が来た。
私は遺言で形見分けし
私の相続分で譲れるもの
すべてを譲った ― そこへ
ハエがブーンと
薄気味悪い不規則な羽音をたて
灯と私の間に割り込んだ。
おまけに窓が暗くなり
私は見ようにも見えなくなった。
エミリー・ディキンソン
今回エミリーはご臨終である。死を暗示する不快な生き物はどの社会にもあるだろうが、ハエというのは他に例があるだろうか。たしかにハエは死体の腐敗に群がる。死体を待っているのであろうか。あまりに符号化された「死」をもってこないところが面白いか。
この日常的な虫の羽音は死の部屋の静寂さを強調する効果はたしかにある。取り巻く自然の静寂さと死を受け入れる詩人の精神的静寂さである。
なぜハエ(fly)が登場したのだろうか。第1行は大切な行である。この第1行には I, fly , I, diedと同じ母音の音が8シラブル中4語ある。この assonance の効果を狙って「死」をハエで表したのか。結果的にそうなったのか。朗読した感じは悪くない。
絵はまったく詩と合わない。無いのも寂しい。
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ハエ・・・死ぬときにしか自分のとこへ寄ってこない(形見分けも含めて)、人たちを皮肉ったのかと思いましたが違うみたいです。終わりの方はまるで謎解きのよう。lightは死を導く光のことでしょうか。窓は何だろう・・・
2007/2/27(火) 午前 2:07
臨終を見守る人達の静けさをハエの羽音で表現するのがにくいとも思えます。そもそも彼女は人間がいようがいまいが、自分だけの世界にいる人なので人は部屋の彫刻のような存在だと解釈しました。ハエはそれ以上ではの役を演じていないのか、「死」を告げる役割をはたしているのか。そもそも彼女はプロテスタント、それもピューリタンの教育を受けて育ったのですが、ピューリタンの死後の世界については私は知りません。
2007/2/27(火) 午前 11:04 [ fminorop34 ]
Between the light and me の行に疑問をお持ちでしょう。私も同様です。 当時のことですから照明は lamp か candle です。この行に candle はあり得ないと思います。 candle は2音節です。辞書を引いて頂くと、candle は中ポチで can と dle の2音節に分けてあるはずです。彼女は8・6・8・6の調子を守っていますから candle で7音節になってしまいます。lamp は1音節ですからいいのですが、この臨終というお通夜の前段階である厳粛なときには lamp ではなく、candle だと勝手に思いました。candle を1音節にするためには light で置き換えなくてはならない。the light は灯であることが多いと辞書にはあります。ここでは a と the の違いに注目しました。光とするのには抵抗がありました。
2007/2/27(火) 午前 11:43 [ fminorop34 ]
the windows failed は最後まで悩まされました。窓が失敗したとか機能を失ったというのはどういうことでしょうか。光を取り入れるのが役目である窓が機能を失ったということは、窓が真っ暗になった、すなわち彼女は目が見えなくなったということを表現したのだと思いました。嵐の夜ではないのに、突然窓が壊れ、ロウソクが消えて暗闇になるというのはロマン派の詩人ではあるまいしと思いました。写実的な描写でシュールな世界を表現するのが彼女の特色と、ろくに読んでもいないのに勝手な期待をもっているのです。すみません弁解とこじつけばかりで。
2007/2/27(火) 午後 0:30 [ fminorop34 ]