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「今日の詩」の選者はアイルランの詩人イェーツの「満足してるか?」を送ってきた。高齢で今では病弱である。無為な人生だったという思いにとらわれている。自分のルーツをたどりたくもなる年齢でもある。過去の人生には満足していないが、といって今更どうしようもない。私には身につまされる話である。
Are You Content?
I call on those that call me son,
Grandson, or great-grandson,
On uncles, aunts, great-uncles or great-aunts,
To judge what I have done.
Have I, that put it into words,
Spoilt what old loins have sent?
Eyes spiritualised by death can judge,
I cannot, but I am not content.
He that in Sligo at Drumcliff
Set up the old stone Cross,
That red-headed rector in County Down,
A good man on a horse,
Sandymount Corbets, that notable man
Old William pollexfen,
The smuggler Middleton, Butlers far back,
Half legendary men.
Infirm and aged I might stay
In some good company,
I who have always hated work,
Smiling at the sea,
Or demonstrate in my own life
What Robert Browning meant
By an old hunter talking with Gods;
But I am not content.
William Butler Yeats
満足できる?
私は私を 息子 孫 曾孫
と呼んだ人たちを訪問する
叔父 叔母 大叔父 大叔母も
過去に私がしてきたことを判断したい。
言って見れば はたして私は
彼らが与えたものを活かしたか?
死が浄化する目のみが判断できる
私にはできないが、私は満足していない。
昔の話になるが、石の十字架を
ドラムクリフのスライゴで建てた人
カウンティ・ダウンの赤毛の牧師
サンディマウント・コルベット
名士オールド・ウィリアム・ポレクスフェン
乗馬好きの紳士
密輸業者ミドルトン、引退した執事たち
すでに伝説上の人物たち。
親しい仲間に囲まれ
病弱で年寄りの私
私は海を見ては微笑み
常に労働を厭い
ロバート・ブラウニングの
神と対話する老いた猟師の意味を
生涯議論し続ける。
だが私は満足できない。
イェーツ
一部気になる箇所がある。pollexfen という語がある。この言葉OEDにもない言葉である。素人の私があえて分析すると pollex とfen なる。Pollex は親指、fen は沼である。今ではそのような地名はヒットしない が、人名にはある。前後関係から family name であると考えた。したがって pollexfen を Pollexfen として訳してみた。英語で小文字の 名前が出てくるはずはない。生意気だが、これはタイポであり、コピー・ペイスト時代特有の問題だと考えたのだが。
このような固有名詞を並べた風変わりな詩である。それでも偶数行に完全韻ではない場合もあるが、詩の形式は保っている。
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こうでなかったはず。との悔悟の思いは、おおかた誰しものものであるようだ。人間はそうした自惚れを免れがたい。なぜか?苦し紛れの認めたくはない自己肯定。これは神=絶対価値喪失の近代だけの問題だろうか?つねに気になっている問題です。イェーツとは誰か?誰の謂いかということで、身につまされる詩であるようです。
2007/4/15(日) 午前 10:05
たしかに話者は高齢者です。この詩を書いたイエーツがはたして高齢であったかどうかは知りません。彼自身詩壇の先頭にたってきたという自負心がありましたが、新しい勢力が台頭し、晩年には20世紀の詩人ではないという宣告を受けたそうです。たまたま私には未知の詩であるという理由で毎日訳していますが、今回は最近の私の心境を言い当てられたような気がします。先祖のルーツを証言できる近親者を次々に失い、残されたのは自分だけと気にし始めた事もあります。的はずれなコメントになってしまい申し訳ありません。
2007/4/15(日) 午後 1:42 [ fminorop34 ]