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「今日の詩」はホィットマンの南北戦争時代の詩である。彼の「草の葉」に収録されている。弟がフレディリクスバーグの戦闘で負傷し、詩人が彼の看病のためワシントンに滞在したときの詩であろうか。
Beat! Beat! Drums!
BEAT! beat! drums!―Blow! bugles! blow!
Through the windows―through doors―burst like a ruthless force,
Into the solemn church, and scatter the congregation;
Into the school where the scholar is studying;
Leave not the bridegroom quiet―no happiness must he have now with his bride;
Nor the peaceful farmer any peace, plowing his field or gathering his grain;
So fierce you whirr and pound, you drums―so shrill you bugles blow.
Beat! beat! drums!―Blow! bugles! blow!
Over the traffic of cities―over the rumble of wheels in the streets:
Are beds prepared for sleepers at night in the houses? No sleepers must sleep in those beds;
No bargainers’ bargains by day―no brokers or speculators―Would they continue?
Would the talkers be talking? would the singer attempt to sing?
Would the lawyer rise in the court to state his case before the judge?
Then rattle quicker, heavier drums―you bugles wilder blow.
Beat! beat! drums!―Blow! bugles! blow!
Make no parley―stop for no expostulation;
Mind not the timid―mind not the weeper or prayer;
Mind not the old man beseeching the young man;
Let not the child’s voice be heard, nor the mother’s entreaties;
Make even the trestles to shake the dead, where they lie awaiting the hearses,
So strong you thump, O terrible drums―so loud you bugles blow.
Whitman
響け! 響け!太鼓!
響け! 響け!太鼓! ― 鳴れ!鳴れ!ラッパ!
窓から― 扉から ― 情け容赦なく
厳粛なる教会に飛び込み、会衆を蹴散らせ。
学者が研究している大学に飛び込め。
花婿を慌てさせろ ― 花嫁と仲良くさせるな 。
畑を耕し収穫する農夫をのんびりさせるな。
強く凄まじい音を立てよ、汝太鼓よ ― かん高い音で鳴れ、汝ラッパよ。
響け! 響け!太鼓! ― 鳴れ!鳴れ!ラッパ!
街の往来に向けて ― 街の車輪の騒音に向けて。
夜ベッドで眠る準備ができたって?連中をベッドで眠らせるな。
日中商売人に商売させるな ― 仲買人も株屋もだ ― 続けるだろうって?
弁士が演説するって?歌手が歌おうって?
弁護士が法廷で立ち上がり、裁判官の前で陳述しようって?
では太鼓はもっと速く大きい音を立てよ ― ラッパはもっと激しい音を鳴らせ。
響け! 響け!太鼓! ― 鳴れ!鳴れ!ラッパ!
和平交渉は要らぬ ― 忠告など無用だ。
臆病者など気にするな ― 嘆く者、祈る者など気にするな。
子供の声も母の願いも聞かせるな。
霊柩馬車を待つ死者の架台を揺さぶれ。
恐るべき太鼓よ強く響け ― ラッパよ大きく鳴れ。
ホィットマン
私はこの一見きわめて好戦的な詩を知っていたが、この詩を考証する知識を持たない。今のところリンカーン大統領を支持した詩であるという推測しかできない。
この詩には多くの作曲家が付曲している。その中に黒人奴隷の血が混じったサムエル・コールリッジ・テイラーもいる。サムエル・テイラー・コールリッジではない。両親がサムエル・テイラー・コールリッジの崇拝者だったのでこの名前が付けられた。私はこの夭折した作曲家に興味があるが、この人のホィットマンのこの詩の音楽となるとはたして入手可能であるのか?
写真は南北戦争時代の軍楽隊である。いささか生気に乏しいけれど仕方がない。兵隊さんでなければジッとカメラマンを見つめておれない。いくら好天に恵まれても、ホィットマンの太鼓やラッパは演奏する軍楽隊の写真を写せなかったろう。
当時の技術水準からすると、理想的な被写体は死体である。ゲティスバーグにころがる兵隊さんの死体は今でも写真史に残る報道写真である。
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私は、争いの現実、人の世への怒りを読みとったのですが、下欄の説明文によるとそうでもないようだ。詩人ホィットマンの多少が分かっていればそうでないのかもしれない。
2007/4/15(日) 午前 10:17
このあまりに有名なホィットマンについて私はほとんど知りません。多くの犠牲を払ってイギリスから独立を勝ち取って成立したアメリカです。彼にすれば、そのアメリカがさらに近代国家へと前進するために、どんな犠牲を払っても、北軍が勝利しなければならないと考えていたという記述を最近読みました。彼は北軍に参加し負傷した弟を看病し、ワシントンで3年間ばかり無償で看護兵をしていました。リンカーンの詩を悼む詩も書いているとか。アメリカが歴史上最大の死傷者を出した南北戦争ですが、彼は北軍の立場で「進軍ラッパ」を鳴らしたと人物として私は訳しました。
2007/4/15(日) 午後 1:22 [ fminorop34 ]