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今回もヴィクトリア女王のお気に入りの詩人テニスンである。上品で哀愁をおびた詩である。以前紹介した詩でテニスンは川の流れを見つめていたが、今回は断崖に立って海を見つめて静かな感慨に耽っている。
Break, Break, Break.
Break, break, break,
On thy cold gray stones, O Sea!
And I would that my tongue could utter
The thoughts that arise in me.
O, well for the fisherman's boy,
That he shouts with his sister at play!
O, well for the sailor lad,
That he sings in his boat on the bay!
And the stately ships go on
To their haven under the hill;
But O for the touch of a vanished hand,
And the sound of a voice that is still!
Break, break, break,
At the foot of thy crags, O Sea!
But the tender grace of a day that is dead
Will never come back to me.
Tennyson
打ち寄せよ、打ち寄せよ
打ち寄せよ、打ち寄せよ、汝海よ!
灰色の冷えし石に打ち寄せよ!
我に蘇る想いが
我が口から洩れもれるやもしれぬ。
あれは漁師の息子
大声で妹と戯れる。
あれは若き船乗り
入り江にて歌う。
大きな船が向かう
丘の聳える波止場。
されど別れし手の温もり
静けき声の響きは!
打ち寄せよ、打ち寄せよ、汝海よ!
断崖の岸辺に打ち寄せよ。
されど去りし優しき日が
我に戻ることなし。
テニスン
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こういう詩に出会うとほっとします。それ程難しい単語もなくて声に出して読めそうです。
2007/4/18(水) 午後 6:09
桂冠詩人という称号に相応しい詩ですね。適切な詩であると思います。なによりも上品です。
2007/4/18(水) 午後 7:57 [ fminorop34 ]
こういった詩は、「しみじみ」がしみてくる齢にふさわしい。
2007/4/19(木) 午前 8:40
相変わらず人気はありますね。前衛史観の観点からすると否定の対象になってきたテニスンです。前衛的な「緑の森」さんに評価されるからには、それだけのことはある人でしょう。現在私は本当の彼に興味があります。この詩は桂冠詩人テニスンの書いた詩なのか、無冠の詩人テニスンが書いた詩なのかとふと思うことがあります。「軽騎兵の突撃」は桂冠詩人の作だと思います。
2007/4/19(木) 午後 0:18 [ fminorop34 ]