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今日紹介するのはイギリスの詩人ハウスマンの「ウェンロックの斜面」である。詩人はイギリスに今も残るローマ帝国支配時代の遺跡を訪れて、感慨にふけった詩である。ここまでは正しいとしよう。 さらに、この詩は4詩節からなり、1詩節4行である。全行8音節で弱強格を厳格に維持し、脚韻も完璧である。この形式から主語とか動詞を割り出す努力をした。 語学力がないといろんな解釈が成立するものであるが、先入観が出来上がった。吹き荒れる強風はイギリス原住民の抵抗精神である。 ウェッブをブラウズしてみたが、ネイティヴにはまったく問題がなく、いまだに人気があるようである。ウェンロックという固有名詞はハウスマンのこの詩で記憶されているそうである。でも私の解釈が正しいかどうかは、ウェンロックを詣でてこの詩を朗読する必要がある。ああ英吉利に行きたし、されど英吉利はあまりに遠し! On Wenlock Edge On Wenlock Edge the wood's in trouble; His forest fleece the Wrekin heaves; The gale, it plies the saplings double, And thick on Severn snow the leaves. 'Twould blow like this through holt and hangar When Uricon the city stood; 'Tis the old wind in the old anger, But then it threshed another wood. Then, 'twas before my time, the Roman At yonder heaving hill would stare; The blood that warms an English yeoman, The thoughts that hurt him, they were there. There, like the wind through woods in riot, Through him the gale of life blew high; The tree of man was never quiet-- Then 'twas the Roman, now 'tis I. The gale, it plies the saplings double; It blows so hard, 'twill soon be gone. Today the Roman and his trouble Are ashes under Uricon. A.E. Housman (1859-1936) ウェンロックの斜面 森が騒めくウェンロックの斜面。 レキンの丘の樹々は短く。 風は若木を強く揺すり セヴァー[ン川に降りそそぐ木の葉。 ユリコンの町の昔には 斜面の雑木林を吹き抜けた。 遠い昔の怒りの風、だが昔は吹き抜け さらに一つの森をおそった。 昔のことだが、ローマ兵が あの小高い丘で監視していた。 イギリスの農民の燃える血と 不穏な考えを。あそこだ。 森を吹き抜ける風のごとく 命の強風が空高く吹き上げた。 人も木も穏やかだったことはない ― 昔はローマ兵、今は私。 風は若木を強く揺するが 風もやがて治まるはず。 ローマ兵も謀反も 今やユリコンの灰。 ハウスマン 上の写真はレキンの丘である。 注1:ユリコンはローマ軍が駐屯していた町である。 注2:http://commons.wikimedia.org/wiki/Image:River_Severn_from_Severn_Valley_Railway_train_2004-12-31.jpgはイギリスで一番長い川だそうである。 詩の人気もさることながら、この形式美で作曲家ボーン・ウィリアムスが飛びついた。イギリスの音楽はイギリス人のみが理解できる。少なくとも納得するには、イギリスの田園地帯を訪問する必要があろう.
たしか気前のよくない試聴ができるサイトがあったはずである。 |
英詩和訳
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