ヘ短調作品34

ルブランの回想録の link 先はゲストブックを御覧ください。

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55.ブラームスからエリーザベト・フォン・ヘルツォーゲンベルクへ

[ウィーン、1879年1月]

 大変親愛なる友へ

 私はあなたが私の整理整頓にかんしてどうお考えか知りませんが、私が聞かなくてはいけない質問によって意見を変えないでください。

 あなたのお兄さんは、ショパンのマズルカ作品41の2(1)、ホ短調の原稿を私に預けられましたでしょうか。彼のマズルカの多くの版や写本がここに長年にわたって山のように積もってきました。そこで私は昨日この整理に真面目に取り組んでみました。ヘルテル所有の作品41の印刷業者による写本以外のも、二番の自筆原稿があります。私は、うすい鉛筆で印をつける癖があるので、それがヘルテルの物であるとは思えないのです。たとえば、マズルカの束にはあなたのお兄さんの名前があります…わたしはいくえにも言い訳と弁明をお願いしなければなりません。あなたが整理以外のことでも私に厳しい判断をしておられることを知ってさえいたら、わずかばかりの整理のことで後悔することはなかったのに。

 私の演奏旅行はライプツィッヒ(2)の後は坂を下るようなものでした。ライプツィッヒ以上に楽しくはありませんでした。まあ演奏旅行ではどこでも友人やもてなしがあるわけではないから、すこしは大げさかもしれませんが。ささやかな点では、むしろ成功だったでしょうか。聴衆はより温かく活気もありました。ヨアヒムはリハーサルごとに私の作品をより美しく演奏しました。ここでのコンサートでは、彼のカデンツァはあまりに見事で、聴衆は私のコーダに入ってようやく拍手を止めました。でも、フンボルト・シュトラーセに戻り、三人の女たちにもみくちゃにされる特権に比べたら、それが一体なんなのでしょう。あなたは「女性」という言葉には賛成されませんでしょう。

 私はあなた方がノルウェーには行かれないことを希望します。それよりケルンテンにいらっしゃい。あるいはバーデンに行かれるなら、私はお会いできるでしょう。互いの仲間に会えるという利点があります。かならずしも私の仲間ばかりではありません。取り急ぎ失礼しますが、お仲間にはよろしくお伝えください。

誠実なるあなたのJ.Br.より




(1)この財産の所有者はヘルテル社であった。

(2)ヨアヒムは1月14日ウィーンでバイオリン・コンチェルトを演奏した。その後、一人でイギリス日渡り、クリスタル・パレスでは要請に応じて二度演奏した。ブラームスと再会後、ブレーメン、ハンブルク、ベルリンで共演した。

訳注

ヴァイオリン・ソナタ第一番の第三楽章。演奏はパールマンとバレンボイム。



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