ヘ短調作品34

ルブランの回想録の link 先はゲストブックを御覧ください。

全体表示

[ リスト ]

つれなき美女 -- キーツ

イメージ 1

「今日の詩」はキーツの「つれなき美女」である。題名が英語でなくてフランス語であるが、私はそういう詩があることをラファエル前派の絵画で知っていた。多すぎて、誰の絵にするか最後まで迷った。グーグルでLa Belle Dame Sans Merciのイメージ検索をするとずらりと並ぶ。壮観である。


La Belle Dame Sans Merci

Ah, what can ail thee, wretched wight,
Alone and palely loitering?
The sedge is withered from the lake,
And no birds sing.

Ah, what can ail thee, wretched wight,
So haggard and so woe-begone
The squirrel's granary is full,
And the harvest's done.

I see a lily on thy brow
With anguish moist and fever dew,
And on thy cheek a fading rose
Fast withereth too.

I met a lady in the meads,
Full beautiful, a faery's child:
Her hair was long, her foot was light,
And her eyes were wild.

I set her on my pacing steed,
And nothing else saw all day long;
For sideways would she lean, and sing
A faery's song.

I made a garland for her head,
And bracelets too, and fragrant zone;
She looked at me as she did love,
And made sweet moan.

She found me roots of relish sweet,
And honey wild, and manna dew,
And sure in language strange she said,
"I love thee true!"

She took me to her elfin grot,
And there she gazed and sighed deep,
And there I shut her wild, sad eyes--
So kissed to sleep.

And there we slumbered on the moss,
And there I dreamed, ah! woe betide,
The latest dream I ever dreamed
On the cold hill side.

I saw pale kings, and princes too,
Pale warriors, death-pale were they all;
Who cried--"La belle Dame sans merci
Hath thee in thrall!"

I saw their starved lips in the gloam,
With horrid warning gaped wide,
And I awoke and found me here,
On the cold hill side.

And that is why I sojourn here,
Alone and palely loitering,
Though the sedge is withered from the lake,
And no birds sing.

John Keats.



つれなき美女

ああお気の毒に、どうなされた
青い顔して独り歩いてなさる?
湖のほとりのスゲはしおれ
鳥は一羽も歌わない。

あお気の毒に、どうなされた
やつれて悲しそう
リスの穴倉は食べ物で溢れ
収穫も終わったのに。

お前さまの顔に百合が見えます
涙の苦しみと露の熱があります
頬のバラは衰え
今にもしぼみます。

私は野で女性にあったが
妖精の娘で完璧な美女だった。
長い髪、軽やかな足取りで
瞳は情熱的だった。

私は彼女を並み足の馬に乗せ
一日中ただ彼女を見ていた。
彼女は横向きにもたれ
妖精の歌をうたった。

私は彼女の頭には花輪を
腕輪も香しい花の帯も作った。
彼女は私を愛しているように
見つめ、甘く悲しげに語った。

彼女は私のために甘い茎や
素敵な蜂蜜や新鮮な珍味を見つけ
聞き慣れぬ言葉だがたしかに言った
「私は心底あなたを愛している」

彼女は私を妖精の洞窟に連れて行き
そこで彼女は見つめ、深い嘆息をつく
私は彼女の情熱的で悲しげな瞳を閉じ
口づけをして眠らせた。

私たち二人は苔の上で眠り
そこで私は夢を見た。なんと忌わしい!
初めての夢を見たのは
冷たい丘の斜面の上。

私が見たのは血の気のない王様や姫君
青ざめた戦士、みな死人のようだった。
全員が叫んだ − 「つれなき美女は
君を虜にした」

みなは黒ずみ凍えた唇で
恐ろしい切なる警告を告げ
私は目覚めて、気づいたのは
この寒い丘の斜面の上。

こういう訳で今ここにいる
私は青ざめ独り彷徨っている。
湖のほとりのスゲはしおれ
鳥は一羽も歌わない。

キーツ


キーツの詩は、いわゆる異教的存在である妖精と人間との交わりは死にいたるという伝説に基づいている。この伝説の成立にはキリスト教会の意向もはたらいているだろう。

この作品についてウェッブでは素人だろうが、各種説があるらしい。ある人物によれば、典型的なドラッグ中毒者の幻覚症状だそうである。

ウィキペディアによれば、フェミニストは男性が美女に誘惑されたのではないと主張する。美女は男性にレイプされ、当然の報いを受けたという解釈だそうである。イブの時代から女は男の不幸の原因とするお話には我慢できないのだろう。


なお「百合」は純潔のシンボルと思っていたが、「死」を象徴する花だそうである。

絵はウォーターハウス作。「シャロットの姫君」を描いた。

.


プライバシー -  利用規約 -  メディアステートメント -  ガイドライン -  順守事項 -  ご意見・ご要望 -  ヘルプ・お問い合わせ

Copyright (C) 2019 Yahoo Japan Corporation. All Rights Reserved.

みんなの更新記事