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今日のドイツ語の詩はトラークルの詩集「夢見るセバスチャン」の第二作「時の歌」である。第一作の「幼年時代」同様よく分からないが、Webに掲載されていた詩集は全て単語を調べてみることにした。見つめ合う恋人の目に映った光景を彼独特の言葉で散り嵌めた言葉の系列である。 脚韻はもちろん、外部韻や内部韻も配慮しない現代詩である。到底、翻訳と言えるものではない。それは今後の問題として、各詩の単語帳を作るつもりで訳語を並べたてた。散文詩といえども、彼独特の規則があるのだろう。今の所、それは把握できていない。ただ生意気に硬質な言葉を羅列してみた。 ただ単語帳とはいっても、私の翻訳の方針としてたとえば明らかに「薔薇は美しい」と訳されても、(私の)日本語の都合で「美しい薔薇」とか「美しいのは薔薇」する場合がある。ご了承いただきたい。 これを機会に、前回の「幼年時代」のタイトルを「夢見るセバスチャン1」に修正してシリーズであることを示すことにした。この詩集の翻訳が私なりに完成したら、新たにブログを立ち上げてみたい。今のところに夢物語であるが。 Sebastian im Traum Stundenlied Mit dunklen Blicken sehen sich die Liebenden an, Die Blonden, Strahlenden. In starrender Finsternis Umschlingen schmächtig sich die sehnenden Arme. Purpurn zerbrach der Gesegneten Mund. Die runden Augen Spiegeln das dunkle Gold des Frühlingsnachmittags, Saum und Schwärze des Walds, Abendängste im Grün; Vielleicht unsäglichen Vogelflug, des Ungeborenen Pfad an finsteren Dörfern, einsamen Sommern hin Und aus verfallener Bläue tritt bisweilen ein Abgelebtes. Leise rauscht im Acker das gelbe Korn. Hart ist das Leben und stählern schwingt die Sense der Landmann, Fügt gewaltige Balken der Zimmermann. Purpurn färbt sich das Laub im Herbst; der mönchische Geist Durchwandelt heitere Tage; reif ist die Traube Und festlich die Luft in geräumigen Höfen. Süßer duften vergilbte Früchte; leise ist das Lachen Des Frohen, Musik und Tanz in schattigen Kellern; Im dämmernden Garten Schritt und Stille des verstorbenen Knaben. Trakl 時の歌 暗い眼差しで見つめ合う恋人同士 輝く金髪の二人。漆黒の闇の中 絡む華奢な憧憬の腕。 豊かな赤い口が開く。丸い瞳に映る 鬱金色の春の午後。 森の奥と縁、緑の中迫り来る夜の恐怖。 得も言えぬ鳥の飛行、暗き村に至る 生まれざりし子の小道、退廃する青から抜け 孤独な夏に進みでる老衰。 さやぐ黄金色の麦畑 頑健なる生命。農夫が振り下ろす大鎌の一閃 繋がる大工の強き梁。 赤く染まる秋の葉。快晴の日々を往来する 修道的な精神。熟した葡萄 大気華やぐ広き庭園。 芳香を放つ黄色の果実。静かなる 幸福の笑い声、日陰の地下室の歌と踊り。 黄昏の庭、死せる子供の足音と静寂。 トラークル
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トラークル
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桜と日本人ですね。なぜか、三島由紀夫を思...




たぶんシンボリックなイメージが切り結ぶ峻烈、閃光、その重層から来るイメージの芳醇と余韻。訳すのは難しく、それゆえの達成の心地よさもあるのでしょうね。
2007/7/22(日) 午後 10:22
緑の森さん、達成感はありませんが。作者は、写真家のようにシーンを撮って歩いたと考えました。写真の展示は展覧会の主催者でなく、作者自身が展示を企画しています。トラークルの場合、一部誤訳があってもそれが致命傷になる危険が少ないのだと言い聞かせて訳しました。
ただ注釈書の必要な詩人だとは思います。彼の詩に「青」、「黄昏」、「暗き」という色が多いのは了解するとしても、「生まれざりし」という言葉が謎めいています。
2007/7/22(日) 午後 10:56 [ fminorop34 ]
「グロデク」という最後の詩で、呻きながら死んでいったおそらく10代の兵士達を描写しています。そこに「生まれざりし子」という言葉が登場します。彼らは女も知らず、子孫を残すこともなかった訳ですから、「生まれざりし子」という言葉の意味を注釈学者のいう通り納得しました。でもこの詩で「生まれざれし子」に会うと考え込んでしまいます。どういう意味なのか、考えあぐねています。とりあえず単語帳作成の作業を続けます。
2007/7/22(日) 午後 11:02 [ fminorop34 ]