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「今日の詩」はエミリー・ディキンソンの「嵐の夜」である。エミリーは同居した家族にも謎の女性であったから、エミリーの研究者が伝記とする資料は彼女の詩しかない。話者をエミー・ディキンソン自身とする傾向が一般的である。「今日の詩」は謎の女性の一面を垣間見たと思わせた詩である。ウェッブにも色々投稿がある。 人気のある解釈は、独身の彼女が性の悩みに悶えていたはずという前提に立つ。現代用語では確かにWild Nights! は(情熱的な)激しい夜!である。詩の最後の二行は「あなたと結ばれたら」と解釈でき、「性交」を暗示している。フロイドの亜流が荒稼ぎしているアメリカでは、抑圧された性欲が詩の形式をとったと結論される。 当たっているのかもしれないしが、アメリカ的な心理分析かもしれない。彼女は神の問題について読まれては困る詩を書いている。恋の詩も書いている。彼女をマサチューセッツの処女聖人に祭り上げる気はないが、ポルノ見すぎの現代人の解釈には気を付けるべきである。フロイト以前に生まれた女性、フロイトの荒唐無稽な暗示にかかってもいない女性に、フロイト理論を当てはめるのは気にいらない。ここは性的な含意はないという前提に立ってみた。 この簡潔極まりない詩は一詩節16音節であり俳句より短い。言葉の選び方に工夫があり、形式的には優れてはいるが、その簡潔さゆえに解釈は多様である。要するに、本人の内向的な性格もあるだろうが、嵐の夜にふと思い出した(女の)友人との再会を願うぐらいの詩と解釈できないものか。 Wild Nights! Wild Nights! Wild Nights! Wild Nights! Were I with thee, Wild Nights should be Our luxury! Futile the winds To a heart in port, Done with the compass, Done with the chart! Rowing in Eden! Ah! the sea! Might I but moor To-night in Thee! Emily Dickinson. 嵐の夜!嵐の夜! 嵐の夜!嵐の夜! あなたと過ごせたら 嵐の夜もなんと 素敵! 港に立つ心に 風は無意味 コンパスも 海図も! エデンの園で漕ぐ ああ!海! 今晩あなたと 繋がれたら! エミリー・ディキンソン
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