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123.ヘルツォーゲンベルクからブラームスへ [ライプツィヒ、1883年10月1日] 親愛なる友へ 私はリンブルガーの手紙をあなた宛に送ってところです。葉書の内容を知っていますので、自分からも手紙を書いてみたい気持ちを抑えなければならないのです が、我慢できなくなりました。そうなさってください――ライプツィッヒに交響曲と一緒にお出でください。リンブルガーは今年の冬のプログラムをおそらくあ なたに送っています。あなたの都合のいい日をお選びください。12月六日にパルツェン・リードが予定されていますので、もしあなたが指揮なされば、大変結構です。この曲は春のフェスチバルでは恐ろしく遅いテンポで聴きました。この曲と知り合いになるには良い機会ではありましたが駄目でした。 あなたのすぐ後に歌われるラフ(1)の「日のうつろい(Tageszeiten )」 を避けたいのでしたら、ベルリンからわが家にいらしてはいかがですか。これからのわくわくするような季節を考えるとこの組み合わせは軽蔑したものではあり ません。とにかく、私たちをここで先の見通しもない飢えた状態で放っておかないでください。あるいは、「息子よ、お前の見るとおり、ここでは時間が空間になるのだ(Du siehst, meine Sohn, die Zeit wird hier zum Raum )。」(2) 私には魔女の九九同様にわかりませんので、これには別段悪い意味はありません。 もしいらっしゃるならば、余分の一部屋をお使い頂けます。もちろん、ライプツィッヒのわが家だけではなく、ベルヒテスガーデン、ケーニッヒゼー教区、土地登記No.110の小さな家でも同様です。 信じられないのですが――あなたの口から聞くまでは――あなたは「ラインの守り(Die Wacht am Rhein )」の作曲家ではありませんのに、ニーダーワルドの記念碑に感激して、ウィースバーデンに永住(3)されるのですか。あなたよりドボルザーク寄りという理由で、あのクロアチアの君主には我慢ならないのですか。それとも、――あなたの向上心には目がくらみますが――ウィースバーデンの宮廷オーケストラの監督になりたいのですか。どうか教えてください。私たちは皆からブラームス−ヴォルフ(4)の類に見られています。私たちは多くの問い合わせにすぐに答えねばなりません。でないと、詐称者と思われますが、これは望むところではありません。 リンブルガーに受諾の模範的な手紙をお送りください。そして、あなたの来訪とこのアイデアに賛成する旨の簡潔かつ友好的なお手紙をお願いします。 あなたの忠実なヘル――とフラウ――ツォーゲンベルグより (1) ヨアヒム・ラフ(Joachim Raff, 1822−1882)、作曲家。「日のうつろい」作品209は合唱、ピアノ、管弦楽のためのカンタータ。 (2) パルシファルからの引用。 (3) ブラームスの敵は彼のウィーン退去の噂を流していた。これはドイツ人がウィーンには住めなくなると彼がたまたま発言したことに原因である。ターフェ伯のチェコ政策は彼には我慢がならなかったのである。 (4) ヘルマン・ヴォルフ(Hermann Wolff, 1845−1902)、最初のコンサート業者。「コンサート・ヴォルフ」と称される。 (5) ルードウィッヒ・マイナルドス(Ludwig Meinardus, 1827−1896)、著述家で作曲家。彼のオラトリオ「ウォルムスのルーテル」は、1883年の11月10日のプロテスタント・ドイツあげての400年祭ではちょっとしたブームになった。 (6) バッハの宗教改革カンタータ。
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