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「今日の詩」はコールリッジの「希望なき労働」である。希望なき労働は蜜をザルに注ぐようなもの。蜜は溜まらない。きわめてルーズな性格で阿片におぼれた稀有の天才コールリッジの性格と日常を垣間見る詩である。自らに失格を宣言した詩である。 この詩をウェッブで調べてみたら、このコールリッジの敗北宣言のような詩に応じて “nectar in a sieve” と題するインドの女性の小説が最近登場してベストセラーになったとのこと。働けど働けど暮らしが楽にならず、「ザルに注いだ蜜」はこぼれていく。それでも女主人公は希望を捨てない。私はこの本に興味を持った。 Work Without Hope All Nature seems at work. Slugs leave their lair-- The bees are stirring--birds are on the wing-- And winter slumbering in the open air, Wears on his smiling face a dream of Spring ! And I, the while, the sole unbusy thing, Nor honey make, nor pair, nor build, nor sing. Yet well I ken the banks where Amaranths blow, Have traced the fount whence streams of nectar flow. Bloom, O ye Amaranths! bloom for whom ye may, For me ye bloom not ! Glide, rich streams, away! With lips unbrightened, wreathless brow, I stroll: And would you learn the spells that drowse my soul? Work without hope draws nectar in a sieve, And hope without an object cannot live. Samuel Taylor Coleridge 希望なき労働 自然界は働いているようだ。のらくら者も隠れ家を後にし ― 蜜蜂は動き回り ― 鳥は飛び ― 冬は屋外で居眠りし 微笑を浮かべながら春の夢を見ている! 僕だけが暇人 蜜の採取も、相手探しも、巣作りも、歌いもしない。 でも僕はアマランスが風になびく堤を知っている。 蜜の流れる出る泉をたどったこともある。 咲け、汝アマランス!汝の好む人のために 僕のために咲くことはない!豊かなる川よ、流れ行け! 唇輝かず、花冠被らず、僕はただぶらつく。 僕を眠気に誘うお呪いを覚えてみない? 希望なき労働はザルに入れた蜜 目的なき希望は長続きしない。 コールリッジ
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