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167.エリーザベト・フォン・ヘルツォーゲンベルクからブラームスへ リーズライ、1885年9月6日 親愛なる友へ わたしたちは直ちにあなたの「微笑み」を浴びることにしました。作品は今日到着しました。そして、先日懇請の手紙で二つの歌曲(1)が 欲しいと言いましたことを思い出し、束の中でひらひらしている貴重な同封物をわたしの所有物にしてしまいました。こんなに早くわたしの要請を受け入れてくださるとは、なんて親切な方でしょう。ここまでわがままを聞いてくださるとは夢にも思いませんでした。交響曲の楽章はわたしの不器用な指でかなりの拷問を受けています。時間をやりくりしてフラウ・シューマンのところへ明日行かなければならないとは不運な作品です。作品は今日の正午に着きました。ヘル・フォ ン・カイザーフェルト(2)が やってきて、これに当てようとしていた短い時間はほとんど奪われてしまいました。明日フラウ・シューマンの前で上手く役目を果たせないでしょうし、ほとんど知らないのを厚かましくつま弾く自信もありません。もうほんの少し時間があれば、楽しく、自信を持って彼女に弾いてさしあげるのですが。実のところ、ほとんど理解できない楽節があります。あいにく――ハインツも困っています――ホルンのパートがわたしには難しいのです。スコアの三箇所、ホ調のホルン、ハ 調のホルン、ホ調のトランペットで悪戦苦闘しています。でもやはり、わたしは思いつきました。それを考えない方がうまく行きます。美しく響き、嬉しくなる パートがあります。第一主題と第二主題の音の響きが細部に至るまで理解できました。一分でも余裕があればわたしの印象を書きます。でも、そんなに早い別れ は嫌ですし、勝手に考えているのですが、あなたはわたしたちが10日には出発する事をご存じなのですから、大事に扱うという条件で、ホステルヴィッツにそれを持って行き、15日に送り返すのを許してくださるではないでしょうか。「僕のプレードが荒れている方に飛ばされてしまう。隠そう。隠そう」しかし今からお願いするのは遅すぎますから、もちろんご命令に従います。でも結局、わたしたちにはあなたに感謝すべきことが多々あります。 もう少し稽古しなければなりません。急いでさようなら。それと多くの祝福を。わたしは出だしのニ短調(3)とマルカート(変ロ長調の四重奏を思いだします)の直前の六頁(4)で、スラーの付いた八分音符(5)がみな大好きです。嬰ト調の減七のピアニシモは美妙です。ドラムが鳴り響く中で素晴らしい音がします。またすぐにお手紙したいと思います。さらにもう一度すべてのものに感謝します。 大変誠実なあなたのE.H.より (1) ブラームスは格別彼女のお気に召した2つの歌曲の写本を同封した。作品96第2曲と第4曲。 (2) モリツ・フォン・カイザーフェルト(Moritz von Kaiserfeld)、オーストリアの政治家でシュタイエルマルク州の知事あった人物の息子であり、音楽に傾倒し、ブラームスの崇拝者であった。ブラームスがアルト・アウスゼーのラディスラウス・フォン・ワーグナーの家で彼の新作の五重奏曲を試演しようとしたとき(1882年8月19日)、 第二ビオラが足りないのに気付いた。カイザーフェルトは、バイオリンは弾けるが、ビオラは持ったこともなかったのに、ぜひ弾くように言われた。役目をうま く果たしたので、ブラームスは第一楽章のビオラのテーマを写して一言添えた。「第一ビオラは可もなく不可もなし。第二ビオラは上出来」 (3) 総譜の4ページ最終小節。 (4) 総譜の8ページ第1小節。 (5) 総譜の7ページ第1小節以降。
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