|
「今日の詩」はジョン・ダンの “The Indifferent” 邦題を「女なら誰でも」にした。いわゆる講話の形式に従った彼の「形而上詩」である。話者は女性に話しかける形式で、話者は浮気な女であれば、どんな女でも良い。問題は女に貞操観念があるかどうかである。貞操観念があれば、(性)愛は成立しない。心配することは無い。愛の女神ヴィーナスが「愛の宗教」の異端者は数人だったと調査報告をしている。警句でも知られたダンらしい講話詩は、道徳を正面から説くわけではない。不道徳が蔓延する社会に対して警鐘を鳴らすのが意図と思いたいが、17世紀にはどう受け取られたのだろうか。 脚韻は確認できたが、韻律に関してダンは独特の巧妙な技法を駆使しているとのことである。それを見破るだけの語学力は私には無い。 絵はフランソワ・ワトー(Antoine Watteau 1684-1721)の有名な「シテール島への船出」である。ギリシャの伝説の愛の島が今日のダンの講話に合っているのかどうか。 The Indifferent I can love both fair and brown; Her whom abundance melts, and her whom want betrays; Her who loves loneness best, and her who masks and plays; Her whom the country form'd, and whom the town; Her who believes, and her who tries; Her who still weeps with spongy eyes, And her who is dry cork, and never cries. I can love her, and her, and you, and you; I can love any, so she be not true. Will no other vice content you? Will it not serve your turn to do as did your mothers? Or have you all old vices spent and now would find out others? Or doth a fear that men are true torment you? O we are not, be not you so; Let me--and do you--twenty know; Rob me, but bind me not, and let me go. Must I, who came to travel thorough you, Grow your fix'd subject, because you are true? Venus heard me sigh this song; And by love's sweetest part, variety, she swore, She heard not this till now, and that it should be so no more. She went, examin'd, and return'd ere long, And said, "Alas! some two or three Poor heretics in love there be, Which think to stablish dangerous constancy. But I told them, 'Since you will be true, You shall be true to them who'are false to you'." John Donne. 女なら誰でも 私は金髪も好きだし、黒髪も好きだ。 私は裕福を誇示しない女も好きだし、つい貧困を露呈する女も好きだ。 私は田舎で育った女も好きだし、都会で育った女も好きだ。 信じ込む女も、疑い深い女も。 泣いて目を腫らしている女も 乾いたコルクのように涙を一滴も流さない女も。 あの女も、この女も、貴女も、そして貴女も私は好きだ。 誰でも好きだ、女が貞淑でさえなければね。 不貞以上の悪徳がありましょうか? 貴女方の母親に代わり、この悪徳が貴女方にお仕えする番ではないかな? それとも、あらゆる悪徳を犯し他の悪徳をお探しかな? それとも、男が誠実だとしたらとお悩みかな? 我々は誠実ではない。それは貴女方も同じ。 色々知っていたら教えてください。 私から誠実を奪ってもいい。だが私を自由にして、縛らないで頂きたい。 私は貴女方とお付き合いしてきた。 貴女方が貞淑だとして、この私が貴女方の忠実な家来になれますか? ヴィーナスが私の不安のため息を聞き付け 愛の甘美な役割、浮気にかけて誓いました。 今まで聞いたことがないし、今後もないだろうと。 彼女は出かけ、調べて、間もなく戻ってきて 言うには「ああ二、三人ばかり 哀れな邪教徒がいて 貞操を守ろうなどと危険な考えを持っている。 私は連中に言った。『貞淑にだって お前達に不実な者に貞淑になることよ』」 ジョン・ダン
|
ジョン・ダン
[ リスト ]

桜と日本人ですね。なぜか、三島由紀夫を思...



