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今日のシュタットラーはまたしても夜をテーマにしている。今日の夜の園を彩るのは星である。空を彩る星を大空の網に見立て、その網にかかり、神への名誉な犠牲となる魚を幸運な星とし、空を海に、星を魚に同一視して、夜空を賛美している。 題名の "Evokation" の訳に困った。普通のドイツ語の辞書に載ってない。大きな辞書には僅かな記述しかない。勿論外来語である evocation に相当すると確信している。ドイツ語の語彙にはない言葉を採用したのはいかにも言語学の教授らしい。だが evocation も日本人には難しい言葉である。記憶の喚起を意味するが、彼の連想を言っているのか判然としなかった。とりあえず「喚起」を仮題にして投稿する。 今日の絵はゴッホの有名な「星空」である。安易な連想と思われるかもしれないが、ゴッホは二十世紀早々、ドイツの表現主義の画家に大きな影響を与えた。シュタットラーがゴッホの絵を見たという証言を私は知らない。きわめて色彩的な前衛詩人が見ていないとは断定できないと思う。ゴッホとシュタットラーの主題には隔たりがあるが、共通点は確かにある。 Evokation O Trieb zum Grenzenlosen, abendselige Stunde, Aufblühend über den entleerten Wolkenhülsen, die in violetter Glut zersprangen, Und Schaukeln gelber Bogenlampen, hoch im Bunde Mit lauem Flimmer sommerlicher Sterne. Wie ein Liebesgarten nackt und weit Ist nun die Erde aufgetan . . o, all die kleinen kupplerischen Lichter in der Runde . . Und alle Himmel haben blaugemaschte Netze ausgehangen – O wunderbarer Fischzug der Unendlichkeit! Glück des Gefangenseins, sich selig, selig hinzugeben, Am Kiel der Dämmerung hangend mastlos durch die Purpurhimmel schleifen, Tief in den warmen Schatten ihres Fleisches sich verschmiegen, Hinströmen, über sich den Himmel, weit, ganz weit das Leben, Auf hohen Wellenkämmen treiben, nur sich wiegen, wiegen – O Glück des Grenzenlosen, abendseliges Schweifen! Ernst Stadler 喚起 無限の夕べの至福の時間 菫色に輝き、飛び散り、消えた雲から燃え上がる 黄色いアーク灯は夏の星の生暖かき点滅とともに 一斉に揺れ動く。愛の園のように 大地は広く裸身で広がる ..環状の小さき天空の光 .. 大空は青き網を張り巡らした− 限りなく大漁の網引き! 幸なるかな!囚われの身、安らかに犠牲となり 深紅の空からマスト無き黄昏の船にすがり 黄昏の温かき肉の影に深く隠れ 大空を、さらに、さらに、生命を超えて流れ行き 高波に梳かれ、揺られ、揺られ― 幸なるかな!無限の夕べの放浪。 シュタットラー
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シュタットラー
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桜と日本人ですね。なぜか、三島由紀夫を思...




凄く素敵ですね。原語の韻と流れもすごくあるでしょうね。
2007/11/9(金) 午後 6:00 [ - ]
ドイツ語の解読にフーフー言っているのが現状です。とても韻律まで手が届きません。分かれば一層興味深いと思われます。シュタットラーも20世紀初頭の人ですから、新しい工夫を試みているのは感じています。ただ感じているだけでよく分かってはいません。
興味を持って頂き有難うございました。
2007/11/9(金) 午後 6:50 [ fminorop34 ]