ヘ短調作品34

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ポー

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征服者蛆虫 -- ポー

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「今日の詩」はエドガー・アラン・ポーの “The Conqueror Worm” 「征服者蛆虫」である。この詩はポー自身が脚本を書いた怪奇な劇が背景にあるそうである。この怪奇な劇を観客の話者もう一人に語りかける形式である。この話を厳格な韻文形式で詩に纏め上げている。

ロマン派の「死への憧れ」から「死の恐怖」、「死の勝利」にモチーフを転換するために文化果つる新大陸のポーが登場しなければならなかったのか。西洋文明とは随分死の問題で時間を喰った文明である。いずれにしてもボードレールが賞賛したからには、当時それなりの理由があったのだろう。今日の詩はブラウニングの劇的詩を読むような面白さがあった。


The Conqueror Worm

Lo! 'tis a gala night
Within the lonesome latter years!
An angel throng, bewinged, bedight
In veils, and drowned in tears,
Sit in a theatre, to see
A play of hopes and fears,
While the orchestra breathes fitfully
The music of the spheres.

Mimes, in the form of God on high,
Mutter and mumble low,
And hither and thither fly-
Mere puppets they, who come and go
At bidding of vast formless things
That shift the scenery to and fro,
Flapping from out their Condor wings
Invisible Woe!

That motley drama- oh, be sure
It shall not be forgot!
With its Phantom chased for evermore,
By a crowd that seize it not,
Through a circle that ever returneth in
To the self-same spot,
And much of Madness, and more of Sin,
And Horror the soul of the plot.

But see, amid the mimic rout
A crawling shape intrude!
A blood-red thing that writhes from out
The scenic solitude!
It writhes!- it writhes!- with mortal pangs
The mimes become its food,
And seraphs sob at vermin fangs
In human gore imbued.

Out- out are the lights- out all!
And, over each quivering form,
The curtain, a funeral pall,
Comes down with the rush of a storm,
While the angels, all pallid and wan,
Uprising, unveiling, affirm
That the play is the tragedy, "Man,"
And its hero the Conqueror Worm.

Edgar Allan Poe


征服者蛆虫

ほら!特別の見世物だよ
さびれたこのご時世に!
着飾った天使の群れが羽付けて
ヴェイルをかぶり涙にくれる
劇場に入って見ておいで
希望と恐怖のお芝居
オーケストラが流す
天界の音楽!

道化はいと高き所の神に扮し
小声でなにやら呟いて
あちらこちらと飛び回る―
行き来するのは人形さ
舞台装置を次々変える
何かしら大きな物の言うなり
コンドルの翼をパタパタ鳴らし
眼に見えぬ苦しみ!

道化芝居―うん確かに
忘れてはいけないよ!
幽霊は永遠に追われる
群集は捕まえられない
堂々巡りして
同じ所に戻ってくる
それにすごい狂気と罪
それに恐怖、この劇の核だ。

だがご覧、道化の逃走の最中
何やら這って押し入る!
孤独な背景から
血のように赤い物が悶える!
悶える!悶える!死の苦痛
道化が餌になり
天使は人間の血糊がついた
害虫の牙をみてすすり泣く。

消えた!消えた!光が!
恐怖で震える人影に
葬儀の棺衣の幕が
突如襲う嵐ととみに降り
血の気を失った天使一同
立ち上がり、ヴェイルを取る。
確かに芝居は悲劇「人間」であり
主役は征服者蛆虫である。

ポー

閉じる コメント(8)

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うーん。
なかなか難しいです。

2007/11/29(木) 午後 10:17 きむた9

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今晩は!この芝居を知ってて訳したわけではなく全くの直訳です。ポーの両親は役者でした。この当時の芝居を知らないと理解できません。

ですが、The Conqueror Worm をグーグルで画像検索すると薄気味悪い画像がいっぱい出てきます。アメリカでは流行っているのかもしれません。同名のロックバンドもあるかもしれません。

2007/11/29(木) 午後 10:48 [ fminorop34 ]

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『リジイア』(英語のスペルはわかりませんが、Ligeia でしょうか?)という短編の中に出てくる詩で、
ぼくはこの『リジイア』が『アッシャー家の崩壊』と同じくらい好きです。
リジイアを想像して絵に描いたことすらあるのです。

2008/9/6(土) 午後 1:57 [ ダクセルくん ]

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今調べたところ、Ligeia がありました。私はポーに関しては全く無知です。

2008/9/6(土) 午後 2:10 [ fminorop34 ]

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リジイアという女性と出会った主人公が、
その女性といっしょに暮らします。
リジイアは黒髪で黒い目をした、ものすごい美しさの、物静かな女の人。
この女性は学問に深く通じており、主人公の研究生活を助けます。
しかし或るときから病気になり、死んでしまいます。
死ぬ直前に読んだのがこの蛆虫の詩です。
主人公は絶望状態になり、
リジイアの残した莫大な遺産でイギリスの僧院跡を買い取り、その建物を贅沢極まりなくゴシック的に飾ります。
その建物の建築や装飾の様子が詳しく描かれています。
そして彼は金髪の青い目の貴族の娘と再婚します。
その妻も病気になり、
主人公はその死の床の傍らで妻を見守ります。
そのときにいろいろ不思議なゴシック的なことが起こってきます。
そして最後に死の床の妻がいつの間にかリジイアに変化している。
主人公が歓喜して終わります。
すごく好きだった作品です。

2008/9/6(土) 午後 2:48 [ ダクセルくん ]

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dakuserukun さんとゴシック怪奇趣味とは結びつきませんでした。私はドイツにいた頃に改築を重ねたのでしょうが、ドイツ・ロマン派というのでしょうか、怪奇な中世以来の城を見ました。私はどれもこれも同じような様式のお洒落なフランスのお城より面白かったのですが、好きにはなれませんでした。dakuserukun さんなら浸れたかもしれません。

2008/9/6(土) 午後 3:02 [ fminorop34 ]

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いいなあ。ぼくもゴシック建築を生で見たいのです。
お城も見たいですが
(ずっと前、NHKで『欧州城物語』という番組があって、子供のころ好んで見ていました。中世のが特に好きでした。)、
それよりも修道院やカテドラルが見たいです。
小学生のころ、写真集でゴシック・ロマネスクの建築を見たり、テレビでも見たので、
もともと興味があったんです。

2008/9/6(土) 午後 3:55 [ ダクセルくん ]

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ドイツの田舎の領主の趣味はNHKに出てくるゴシック・ロマネスクとはまた違います。あれも中世回帰のロマン派なのでしょうが、グロテスクです。dakuserukun さんのポーの解説で思い出しました。あの領主の寝室に泊めてやるといわれても。農民や一族の亡霊が出てきそうです。眠れそうもありません。帰りに近くのカフェで濃いコーヒーとチーズケイキでほっとし、お城よりこのカフェが良いと言ったら、ウェイターは喜んでいましたっけ。

2008/9/6(土) 午後 4:24 [ fminorop34 ]


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