ヘ短調作品34

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リルケ

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今日のリルケの詩は “Tränen, Tränen, die aus mir brechen” 「流れる僕の涙また涙」である。結局題名はなかったのであろう。リルケがこの時期に死に瀕するような病気になったという記述にはであっていない。死にそうな人は「死」を語らないものである。元気だったのだろう。

短いから選んだし、韻文を書く人の手の内は多少とも分かりかけてきたつもりであるが、ドイツ語の語彙は相変わらずお粗末である。たとえば” Mohr” であるが、辞書を引けば「ムーア人」である。すなわち色が黒く、異教のイスラム教徒をさす。この頃は罵倒語として使っていいのか、私には分からない。”schwarz” では韻律を損なうが。私の辞書では判断できない。

二度目になるかもしれないが、ブルーゲル父の「死の勝利」である。


Tränen, Tränen, die aus mir brechen
Paris, Spätherbst 1913

Tränen, Tränen, die aus mir brechen,
Mein Tod, Mohr, Träger
meines Herzens, halte mich schräger,
daß sie abfließen. Ich will sprechen

Schwarzer, riesiger Herzhalter.
Wenn ich auch spräche,
glaubst du denn, dass das Schweigen bräche?

Wiege mich, Alter.

Rainer Maria Rilke


流れる涙また涙

パリ、1913年晩秋

流れる僕の涙また涙
嫌らしい死、僕の心臓を
握る死、その時は涙が流れるように
僕を傾けておくれ。僕はしゃべるからな

心臓を止めるこの嫌な大男に
僕がしゃべれば
死んではいないことに気付くだろう?

僕に優しくな、爺さん。

リルケ

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