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253.ヘルツォーゲンベルクよりブラームスへ ベルリン、1890年10月31日 親愛なる友へ あなたの見事な消息を受け取った喜びは実に大きなものでありました。この精妙な五重奏曲(1)のパートを見る希望と見通しがあればさらに大きなものになったでありましょう。でも見込みはありませんから、私たちはこれを人に見せないようにして、二人で(a deux )で貪欲に理解することになるでしょう。この曲がヨアヒムにも同時に送られたら、どれほどか嬉しいでしょう。本当に彼は「室内楽(Kammermusik)」のために演奏できないのですか。認可しないのですか。彼のあなたの音楽にたいする熱意はいまでも強く若々しいのです。二日前に彼はよい聴衆を前にヘ長調五重奏曲を完璧に演奏し、すべての美しさを披露しましたが、今まで以上の説得力のあるものでした。 ご好意の最高の印ではありますが、彼との関係で私たちにはかえって苦痛です。なんとかならないものでしょうか。 妻は昨日トリオ(2)を演奏しようとしましたが、いつもの呼吸困難で取り止めました。改訂の意図は理解しましたが、秘かに亡くした親友――たとえば、第一楽章の第二主題――を悼みました。 明日私はライプツィッヒに行き、あの老婦人フラウ・ハウプトマン(3)の埋葬の手助けをしてきます。 私はその前になすべきことが数多くあり、あとの処理は妻に任せなければなりません。彼女はあなたが下さった大いなる喜びにたいする雄弁な礼状を書くことになると思います。 私は新しい弟子との面会が待ち遠しいのです。彼とは一時間自由な時間が取れることになりました。ドイツ人学生があまり芳しくないので、外国人は歓迎です。 もっとも誠実なるあなたのヘルツォーゲンベルクより
(1)作品111。 (2)作品8の改訂版。 (3)モリツ・ハウプトマンの未亡人。 |

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