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先日、オブラドロスというバルセロナの音楽家の「いちばん細い髪の毛で」を聴いて懐かしかった。今回取り出したアメリンクのCDには作曲者は紹介されているが、歌詞と和訳がなかった。他にもロスアンヘレスのCDがあるはずだが、探し出すのも面倒とオブラドロスという作曲者名でウェッブから原詩を探し出した。おおよその意味は記憶していたので、スペイン語の豆辞典から「訳出」してみた。正確性については保証のかぎりではない。 作曲者オブラドロスについて詳しい記事はないが、スペインの古謡を収集していたとある。おそらく「いちばん細い髪の毛で」もそのうちの一曲であろう。原詩が意識的に韻をねらったのか、ロマンス語のことであるから、自然と韻文調になったのかは定かではない。原詩はほぼ四歩格(tetrameter)であるが、三歩格(trimeter)の英詩にしてみた。英語はロマンス語に比べ母音が少ないこともあるが、表現力の不足から内容を削ったからでもある。 なお今回の英訳のみであるが、「君」を「彼女」にした。二人称から三人称に変更したことで、この歌は彼女を口説く歌セレナードとしては失格になる。情熱の国スペインでは大問題であり、一人で彼女を思う歌になる。ただこうしなければ、キスする唇は複数形(lips)である。それに合わせるために、三人称・単数・現在形の啜る(sips)を持ってきた。こうした操作は原作者なら誰でもしているが、訳者としてはどうだろうか。内容よりも、韻を大事にするヘボ詩人のこと、大目に見ていただきたい。 さらにアルカラーサalcarrazaというアラビア人がスペインに持ち込んだ水差しが登場する。この水差しは素焼きであり、水分が染み出て、気化熱で水を冷やす。このアラビア語の語尾は二種類の発音があり、alcarratha と表記してもいいのではと思った。そこで rather との類似性から韻を踏んだ。残念ながら、素焼きの水差しの写真はウェッブにはあるが、ウィキには金属製かガラス製であり、陶器であっても釉がかかっていそうである。暑い地方ならスペインでなくてもありそうなこの水差しに興味のあるかたはalcarraza を見ていただきたい。 Del cabello más sutil Del cabello más sutil Que tienes en tu trenzado He de hacer una cadena Para traerte a mi lado. Una alcarraza en tu casa, Chiquilla, quisiera ser, Para besarte en la boca, Cuando fueras a beber Autor ignoto いちばん細い髪の毛で 君の三つ編みの中の いちばん細い髪の毛で 連れ歩けるように 縄を作れたらいいな。 ねえ、僕が代わりたい 君の家のアルカラーサ。 君が水を飲みに来たら 君の口にキスできる。 作者不明 Her fine hair How fine is her blond hair! If I could pluck some there, And twist a pretty rope For her not to elope! Oh her alcarraza I envy him, rather, Of his kiss on her lips When she grips him and sips. Unknown author 彼女の細い髪 彼女の編み毛の細いこと! 出来ればそれを取って 彼女が逃げないように 愛らしい縄を編みたい。 ああ彼女のアルカンザラ こいつが羨ましい 彼女が掴み、水を啜るとき 彼女の唇にキスできる。 作者不明
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スペイン語の詩
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