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おそろしく単純な韻文詩を他言語に誤魔化す作業は大変に難しい。ヴェルレーヌの訳詩で毎度体験していることである。今回のブレヒトの詩の解読はいたって簡単である。共産主義者ブレヒトが人民のための詩を意識した詩であるが、形式としては伝統的なソネット(14行詩)である。難しい単語は排除しつつ、彼の韻の構造を守り、原詩の言わんとする内容を伝える作業は困難を極めた。はたして意味が通じるかどうか?英訳ですら通常の数倍の時間が掛かった。仏訳は当分望めそうもない。 Fragen Schreib mir, was du anhast! Ist es warm? Schreib mir, wie du liegst! Liegst du auch weich? Schreib mir, wie du aussiehst! Ist´s noch gleich? Schreib mir, was dir fehlt! Ist es mein Arm? Schreib mir, wie´s dir geht! Verschont man dich? Schreib mir, was sie treiben! Reicht dein Mut? Schreib mir, was du tust! Ist es auch gut? Schreib mir, woran denkst du? Bin es ich? Freilich hab ich dir nur meine Fragen! Und die Antwort hör ich, wie sie fällt! Wenn du müd bist, kann ich dir nichts tragen. Hungerst du, hab ich dir nichts zu Essen. Und so bin ich grad wie aus der Welt Nicht mehr da, als hätt ich dich vergessen. Brecht 返事をくれ 返事をくれ、君の着ている物!暖かいかい? 返事をくれ、君の寝心地!良く寝られるかい? 返事をくれ、君の様子!変わりはないかい? 返事をくれ、君が欲しい物!僕の腕かい? 返事をくれ、君の気分!煩わしくないかい? 返事をくれ、君の願望!意欲十分かい? 返事をくれ、君の仕事!良い仕事かい? 返事をくれ、君が考える事!僕のことかい? 確かに僕は質問だけ書いた! 返事がなくても僕は充分わかる! 君が疲れていても、僕は助けられない。 君が飢えていても、僕に送る食物もない もしも君の事を忘れてしまったら。 僕はもうお終いなんだよ ブレヒト 英訳 Write me! Write me! What do you wear! Is it cold? Write me! Can you sleep! Is it deep? Write me! How is your look? Does it keep? Write me! What do you want! My hold? Write me! How are you! Do you feel free? Write me! What is your concern? Are you inspired? Write me! What do you work for? Are you tired? Write me! Whom do you have in mind? Me? I know my question is too short And will know all if no reply You’re tired, but cannot wait my support. You’re hungry while I’ve none to give I have nothing new to defy With no image you can revive. Brecht 返事が欲しい 返事が欲しい、何を着ている?寒いかい? 返事が欲しい、眠れるかい?ぐっすり? 返事が欲しい、容姿はどう?変わりない? 返事が欲しい、欲しいは?僕の抱擁かい? 返事が欲しい、元気かい?自由かい? 返事が欲しい、興味があるのは?やる気わく? 返事が欲しい、仕事はある?疲れていない? 返事が欲しい、君が想う人は?僕かい? この質問が短いのは分かっているし 返事がなければ、それで全てが分かるが 君が疲れていても僕は助けられない。 君が飢えていてもあげるものは無い。 君が蘇えらせるイメージ無くしては 僕にはもう挑戦するものは何も無い。 ブレヒト
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ブレヒト
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桜と日本人ですね。なぜか、三島由紀夫を思...




この詩はすごいですね
韻が効果的に使われていて、
普段は何気なく聞いている言葉が心に響いてきます
日本語に変換する事によってその効果が薄れたりしますが、訳されている詩を見てみたらかなり韻が上手く使われていますね
僕は韻をあまり意識しないのですが、これから詩を書くときは韻をもっと取り入れていこうと思いました
ありがとうございます。
2008/8/28(木) 午前 1:14 [ ニワトコの杖 ]
「ニワトコの杖」さんお早うございます。たんなる暇つぶしで始めたブログですが、ご登録いただき恐縮です。私は大学の教養部時代以来詩とは無縁の人生を送ってきました。定年後一念発起して詩の翻訳を始めました。詩の翻訳などありえない。いやありうるという論争があるようです。私の感想は最近前者の意見に傾きつつあります。ドイツ語の詩はドイツ語を学び、繰り返し朗誦して、その詩の音楽性を理解しなければいけないでしょう。日本語は西洋の詩の翻訳に最もハンディーを背負った言語だと思うようになりました。分かった上で当分この作業を続けると思います。特に韻文を他言語の韻文に翻訳する作業には繰り返し辞書を引かなければなりません。勉強にはなります。ドイツ語やフランス語の記事が読みたかったのですが、それには韻文詩の変換の作業が良いのではという気がしました。
2008/8/28(木) 午前 10:16 [ fminorop34 ]
そんな動機ですから、詩の形式性の理解は多少進みましたが、詩の評価は私には出来ません。こんな調子ですが、よろしければ折にふれてご訪問下されば幸です。色々教えてください。
2008/8/28(木) 午前 10:20 [ fminorop34 ]