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モルガン図書館 先日、ブラームスの手書き原稿がみたくなり、モルガン図書館(The Morgan Library & Museum)のサイトを訪問した。ついでに「買い物依存症」のモルガン(J.P. Morgan )の蒐集を見ていた。その中で、エミール・ゾラの「ナナ」の原稿の冒頭の部分があった。乏しい語彙では判読できなかったが、幸いウィキペディアに収録されていた「ナナ」と照らし合わせて手書きを解読した。字は解読したが、「ナナ」の記憶はほとんどないので誤訳が多いのは覚悟している。 http://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/f/f6/TheatreVarietes.jpg/180px-TheatreVarietes.jpg ヴァレェテ劇場 A neuf heures, la salle du théâtre des Variétés était encore vide. Quelques personnes, au balcon et à l'orchestre, attendaient, perdues parmi les fauteuils de velours grenat, dans le petit jour du lustre à demi-feux. Une ombre noyait la grande tache rouge du rideau; et pas un bruit ne venait de la scène, la rampe éteinte, les pupitres des musiciens débandés. En haut seulement, à la troisième galerie, autour de la rotonde du plafond où des femmes et des enfants nus prenaient leur volée dans un ciel verdi par le gaz, des appels et des rires sortaient d'un brouhaha continu de voix, des têtes coiffées de bonnets et de casquettes s'étageaient sous les larges baies rondes, encadrées d'or. Par moments, une ouvreuse se montrait, affairée, des coupons à la main, poussant devant elle un monsieur et une dame qui s'asseyaient, l'homme en habit, la femme mince et cambrée, promenant un lent regard. Deux jeunes gens parurent à l'orchestre. Ils se tinrent debout, regardant. - Que te disais-je, Hector? s'écria le plus âgé, un grand garçon 九時になったが、ヴァレェテ劇場の客席は空いていた。桟敷席やオーケストラ席では、ほの暗いシャンデリアの光の中で数人が真っ赤なビロードの椅子でじっと待っていた。緞帳の赤い模様が影に隠れていた。舞台の音は何もなく、舞台の光は消え、楽師の譜面台は片付けられたままだった。ただ上を見上げると、三階の天井桟敷の丸天井には、裸の女や子供がガス灯で緑がかった空を飛び、絶え間ないざわめきから大声や笑い声が聞こえ、ボンネットや軍帽で飾った頭が金の縁取の入り口に並んだ。時おり忙しげな案内係が現われ、手にしたクーポンを着席した紳士と淑女に差し出す。礼服を着た男と背筋を伸ばした痩せた女がゆっくりとあたりを見回した。 若い男が二人オーケストラ席に現われた。二人はまず立ち上がって眺めた。 ―エクトール、君に言っただろう?年長の青年が叫んだ。
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サロン
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桜と日本人ですね。なぜか、三島由紀夫を思...




「ナナ」は学生時代に読みましたが、19世紀末頃〜20世紀初頭くらいにかけての文学やオペラにはこれまではなかった新しい女性像が多いような気がして...、一時期、当時の女性主人公ばかりに注目してみたことがありました^^;。「ナナ」はもちろん、メリメの「カルメン」やローデンバッハの「ジャーヌ」(死都ブリュージュ)、シャルパンティエのオペラ「ルイーズ」など、女性の描写は男性よりもずっと社会の変化を反映しているような感じで惹かれます^^。
2009/6/30(火) 午前 4:25 [ - ]
原語で読まれたのでしょう、凄いな。「ナナ」はいくつかの場面がかすかに記憶に残っていますが、一番鮮明なのは、ナナが死んだときのパリの様子です。プロシアとの開戦が決定され、「ベルリンへ、ベルリンへ」という声が街に響いていきます。印象的でした。最初の出だしがお芝居の小屋の描写であることは記憶していませんでした。「ナナ」の映画はなぜか見ていません。
ローデンバッハという作家の名前も知りませんでしたが、ベルギーもトゥルネーで生まれた人ですか?しかもブリュージュを描いた作家とあれば、みつるさんの記事を期待したいです。それとも紹介ずみでしょうか?
私は絵画や文学のみならずナポレオン三世の時代の文化に大変興味があります。
2009/6/30(火) 午前 10:17 [ fminorop34 ]
お陰さまで全く知らなかったシャルパンティエのオペラ「ルイーズ」の聞きどころの Depuis le jour を聴かせていただきました。 youtube で Grace Moore の歌唱するものです。
http://www.youtube.com/watch?v=L_YeGgDsd7s&feature=related
お針子とボヘミアンの芸術家の恋物語という設定はプッチーニの歌劇を想わせて興味深いものでした。
2009/6/30(火) 午前 11:52 [ fminorop34 ]
歌詞も見つけました。前半ですが
Depuis le jour
où je me suis donnée,
toute fleurie semble ma destinée.
Je crois rêver sous
un ciel de féerie,
l'âme encore grisée
de ton premier baiser!
Quelle belle vie!
Mon rêve n'était pas un rêve!
Ah! je suis heureuse!
L'amour étend sur moi ses ailes!
Au jardin de mon coeur
chante une joie nouvelle!
Tout vibre,
tout se réjouit de mon triomphe!
2009/6/30(火) 午前 11:56 [ fminorop34 ]
残念ながら私の耳では Grace Moore の発声とテキストが一致しません。フランス語は難しい!
ブロードウェイに大いなる影響を与えたでしょうね。
2009/6/30(火) 午後 0:59 [ fminorop34 ]
ナナの最後の場面、印象的ですよね。。冒頭の場面の観客の熱狂と、最後の見知らぬ群衆の叫び...、二つの世界の対比に虚無感を感じます。そんな中で静かに死んでいく様子が衝撃的でした。
遠くに群集の熱狂を聞きながら死ぬ、という設定は当時結構使われていた(?)...ような気がします(ヴェルディの「椿姫」はカーニバルを、カルメンは闘牛士の勝利を聞きながら...の死だったと記憶にあります)。
ローデンバッハは、トゥルネーでは生まれたと言うだけなので、トゥルネーの人々はそれほど「地元人」という感じでは見ていないようです(^^;)。いつか「死都ブリュージュ」も記事にしてみたいです(ここにも男性を破滅に追いやる女性像が描かれています^^)。
「ナポレオン三世の時代」というとゾラの少し前ですね。私はあまり詳しくないですが、激動のフランスが大きく飛躍した重要な時代なんですよね。
2009/7/1(水) 午前 6:30 [ - ]
「ルイーズ」とプッチーニの「ラ・ボエーム」も確かに通じるところがありますね!
久しぶりにミミのアリアを思い出しました。
Grace Moore の「ルイーズ」は、確かにあまりフランス語の発音が素敵でないですね...。マリア・カラスの方が幾分聴きやすいかもしれません。。
http://www.youtube.com/watch?v=rLy_WvtYPBM
マリア・カラスは、フランス語の発音が比較的はっきりしているように思います。サン=サーンスの「サムソンとダリラ」は私は個人的に彼女の版がとても気に入っています^-^。
http://www.youtube.com/watch?v=9piRiiZ0C4Q
2009/7/1(水) 午前 6:31 [ - ]
お忙しいのにご丁寧なコメント有難うございます。「死都ブリュージュ」の記事を来たいます。昔ラスキンの「ヴェニスの石」を読んだことがありますので、凋落した運河の町には惹かれるものがあります。それに旅人リルケが訪問していますし。運河に写るダンスの描写を思い出します。
2009/7/1(水) 午前 10:17 [ fminorop34 ]
ナポレオン三世は軍事面で偉大なナポレオン一世と比較されて可哀想ですが、フランスに経済発展をもたらし、現在の「花の都パリ」を具体化した人物として興味があります。パリを活気付け、印象派が好んで描いた、洗濯女、お針子、歌手、バレリーナ、それに娼婦は彼の経済政策が生み出した階級ですね。拝金主義の日本と比較しても興味はあります。
2009/7/1(水) 午前 10:31 [ fminorop34 ]
カラスがお勧めですか。聞きなおしてみます。正直言って私が好きな Louise は Montserrat Caballe です。
http://www.youtube.com/watch?v=364-cJ7_xQk&feature=related
コメント欄は彼女の歌唱力と「凄い」フランス語で盛り上がっています。私は学生時代の第三外語であるフランス語はもちろんのこと、第一外語である英語でもネイティブの発音は聞き取れません。私はスペルと発音がほぼ一対一対応している国の発声が好きです。スペイン系かドイツ系の人の言葉が好きです。なにより理解可能です。
2009/7/1(水) 午前 10:51 [ fminorop34 ]
私の耳のせいでしょうか。Je は「ジェ」、le は「レ」と聞こえます。スペルを思い出させてくれる発声をしてくれると嬉しくなります。フランス語は英語同様に世界言語ですから、いろんな発音があってもいいのでしょう。もう「良い」フランス語の学習には年を取りすぎました。これからしばらくは彼女の歌でフランス語を聞くことにします。
2009/7/1(水) 午前 10:59 [ fminorop34 ]
「花の都パリ」と聞いてやっとピンときました^^。
オスマンが大通りを中心にパリを大改造していった時期ですね!私は、これまで近現代に興味を持っていたのですが、そう言われてみると確かにナポレオン三世時代のパリの飛躍には目を見張るものがあるように思います。ブルジョワ階級が出てきたり、ちょうど万国博覧会が開かれるようになったのもこの時期ですね。今後はこの時期にももう少し注意してみたいと思います^-^。
2009/7/2(木) 午前 5:01 [ - ]
Montserrat Caballe の「ルイーズ」を聴いてみましたが...、フランス語はちょっとイマイチに感じます...(歌唱は本当に素晴らしいです!)。fminorop34さんの仰るように、Je は「ジェ」、le は「レ」のように発音していますね。。フランス語のコメント欄を見ると、「フランス語はひどいけど、彼女だから許す」と言うようなのがあります^^;。
スペイン系もドイツ系も、私はほとんど理解が出来ないので羨ましいです。ドイツ語の音はとても好きなので、ゲーテの詩の朗読会とか、全然わからないのにノコノコと行ったことがありますが^^;、どんなに勉強しても私にはモノにすることが出来ない言語でした。。
フランス語はベルカント向きでない、と感じます。クラシックではありませんが、シャンソンの方がきれいなフランス語を聞くには最適のように思います^-^。
2009/7/2(木) 午前 5:03 [ - ]