ヘ短調作品34

ルブランの回想録の link 先はゲストブックを御覧ください。

TSエリオット

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ある貴婦人の肖像

 あんた様がやりなさったのは――
 姦淫の罪ですよ。だがよその国のことでした。
 それに娘っ子は死んじまった。
 マルタ島のユダヤ人

I

霧と煙の12月のある日の午後
「あなたのために取っておきました午後」の
場面はご想像いただける――まもなくご覧になる――
暗くした部屋にロウソクが四本
天井にはリングの照明が四基
ジュリエットの墓の雰囲気
以上とその他はすべて準備が完了
予定してことは、言うなれば、新進のポーランド人が
「前奏曲」を髪と指先を通して伝えるのを聞くことであった。
「まさに愛着があり、このショパンは、彼の魂は
友人にのみよみがえるべきと思います
二人か三人、この方々にはコンサート会場で摺れ
話題になった花を聞かせはいたしません。」

――かすかなコルネットと交じり合う
ヴァイオリンのか細い響きのなかで
この会話の話題はやがて
切ない願望と嘆きになり
始まる。
「ご理解は無理かもしれませんけど、私にはこんなことがどれほど大切なことでしょう
このガラクタがいっぱい詰まった人生で
(実のところ私は人生を愛していません……ご存知でした?
洞察力がおありだから!あなたは鋭いから!)
発見の機会はめったになく、いくら経験しても大変なのです
素質のある友を見つけることです
友情をはぐくむに必要な素質を
持ちながら与えられる友人です。
大事なことだから、私があなたに申し上げているのです――
この友情がなければ――人生は何という悪夢なのでしょう!」

曲がりくねるヴァイオリンと
かすれたコルネットの
アリエッタの中で
トムトムが僕の脳で鈍く鳴り
僕のたわけた自作の前奏曲を弾く
単調なるカプリッチオ
これぞまさしく「偽の調べ」
――外に出て、タバコの恍惚のうちに
石碑を鑑賞し
最近の出来事の話をし
僕らの時計を聴衆の時間に合わせ
半時間ほど座り、ビールを引っかけよう。

II

今はリラの季節
部屋にはリラの鉢があり
彼女は一本摘んで話す
「あなたにはおわかりにならない、おわかりにならない
人生とは何かを。手に握っておられるあなたには」
(リラの茎をひねりってみせる)
「あなたは流れるに任せ、流れるに任せていらっしゃる
若さは残酷、後悔はなく
理解できない場面をみてただ笑っています。」
僕はもちろん笑い
お茶を飲み続けている。
「でも四月の夕暮れになると、なぜか
僕の埋もれた人生、春のパリを想います
僕は限りなく安らかで、世界は
素晴らしく若々しいのだと思います。」

また音程がずれた声

ある八月の午後のこわれたヴァイオリンのよう。
「私は信じています、あなたは私の感覚が
分かっています。信じています、あなたは感じています
信じています、あなたは溝をこえて手を差しのべます。

あなたは不死身です。アキレスの腱がないのです。

あなたは前進します、そして勝利したら
おっしゃるでしょう:この点で失敗した人が多いと。
でも私に何があるの、でも私の何があるというのでしょう
私がさし上げ、あなたが受けとれるものは?

あるのは旅の終わりに近付こうとする人の
友情と同情だけですよ。

私はここに座って友人にお茶を勧めている…」

僕は帽子をとる。彼女は僕に話してくれたのに

僕はどうしたらなんとかお返しできるのか?
あなたは毎朝公園で僕をみかけるはず
コミックスやスポーツ欄を読んでいる
とくに舞台に挑戦するイギリスの伯爵夫人に関心がある。
ポーランドの舞踏会でギリシャ人が殺された。
また一人銀行預金の着服を自白した。
僕は顔色を変えない。
僕は冷静だ
冷静でないのは、街のピアノが古くさくてつまらない曲を
機械的にうんざりするほどくり返し
庭のヒヤシンスを嗅いで
他人が望みを思いだす時だ。
こんな発想は正しいのか間違っているのか?

III

10月の夜がやってくる。以前と変わりなく
少し落ち着かない気持ちがするが
僕は階段を上りドアの取手をまわす
僕は這って上ったような気分がした。
「外国にいらっしゃるのね、いつおもどりになるの?
でも意味のない質問でした。
いつ帰られるかご自分でも分かりませんものね
お勉強することがいっぱいおありでしょう」
僕の微笑はガラクタに注がれている。

「お手紙を下さいますね」

僕の冷静心は一瞬燃え上がる。
これは僕の計算どおりだ。
「僕は最近考え込んでいました
(僕たちの始まりはいつ終るか分からない!)
なぜ僕たちは友だちにならなかったのか」
僕は微笑む人になるような気がする、振り向くと
グラスにはその人物の表情がある。
僕の冷静はゆらぐ。僕たちは闇の中だ。

「誰もがそう言いました、誰もが

どなたもが私たちの気持ちは密接だと
信じていますが、私自身には分かりません。
私たちは運命に任せるほかはないのです。
とにかくお手紙をくださいね。
たぶん遅すぎることはありません。
私はここに座って友人にお茶を勧めています」。
僕はいろんな姿を拝借しては
表情を見つる…ダンス、ダンス
踊る熊みたいにね
インコのように声を上げ、サルのようにおしゃべりする。
外に出てタバコの恍惚に浸ろう――

そうもし彼女がある日の午後に死ぬとしたら

灰色の煙い日、黄色いばら色の夕暮れ時に。
僕に手紙を書きながらペンを握ったまま死に
煙が屋根の上に降りてくる。
信じられない、しばらくは
どう感じるか分からない、もし分かったとしても
賢いのか愚かなのか、ぐずなのか機敏なのか――
結局彼女はそれを生かせなかったのでは?
この音楽は「たそがれの秋」とピッタリだ
僕たちは死について語っている――
僕に笑う資格があるだろうか?

TSエリオット

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