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今日の話者は以前に公園で「彼女」の写真でも撮ったのだろうか、彼女にポーズをとらせてからかったことがある。そして「彼」は行ってしまった。例によって「彼女」と「彼」の説明は何もなく、謎めいている。思わせぶりでもある。秋晴れの日になると記憶の中に「彼女」は登場する。本来はロマン派の専売特許だった想い出の話であり、話者は感傷に耽るところ。だが時代の先端を行く話者は自分自身を認知という用語で分析しようとする。フロイトの精神分析がはやった時代の知識人の性と言うことだろうか。 タイトルがイタリア語だから、作者は「彼女」がイタリアの女の子であることを示唆したののだろうか?また注釈があれば紹介する。一行の長さはまちまちに見えるが、一応脚韻は取れており韻文詩である。 La Figlia Che Piange Lean on a garden urn-- Weave, weave the sunlight in your hair-- Clasp your flowers to you with a pained surprise-- Fling them to the ground and turn With a fugitive resentment in your eyes: But weave, weave the sunlight in your hair. So I would have had him leave, So I would have had her stand and grieve, So he would have left As the soul leaves the body torn and bruised, As the mind deserts the body it has used. I should find Some way incomparably light and deft, Some way we both should understand, Simple and faithless as a smile and shake of the hand. She turned away, but with the autumn weather Compelled my imagination many days, Many days and many hours: Her hair over her arms and her arms full of flowers. And I wonder how they should have been together! I should have lost a gesture and a pose. Sometimes these cogitations still amaze The troubled midnight and the noon's repose. T.S. Eliot (1888-1965) 泣いている女の子 一番高い段に立ってごらん―― 庭園の壷にもたれてごらん―― 太陽の光を髪に織り込んでごらん―― びっくりして花を握りしめてごらん―― 地面に投げつけて、ちょっとの間 怒った目つきして振り返ってごらん。 でも太陽の光を髪に織り込んで。 こうして僕は彼を追い払ったのだろう こうして僕は彼女を立たせ泣かしたのだろう こうして彼は行ってしまったのだろう 魂が傷ついた体から出るように 心が利用した体を見捨てるように。 なんとか見つけなければ 比較的簡単で上手な方法 僕たちが分かり合える方法 笑みとか握手のような単純で不誠実な方法。 彼女は僕の想像を何日もかき立てる 何日も、何時間も。 腕にかかる髪と腕一杯の花。 どうして髪と花が一緒なのだろう! 僕はしぐさやポーズを忘れたらよかった。 寝付けない深夜と昼寝のときに こんな認知像に驚くことがある。 TSエリオット(1888-1965) 絵はモネが継娘に日傘を持たせた。この詩とは関係ないが、眩い明るさに共通点があるかどうか。
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TSエリオット
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