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一世紀前、ラルウォースの入り江にて ―― トマス・ハーディ Representative Poetry Online RPO のトマス・ハーディ詩選の最初に出てくるのが「一世紀前、ラルウォースの入り江にて」である。この詩をネットで取り上げているのはRPOだけである。今日の詩の題材であるキーツのさびしい船出にふさわしいのかもしれない。ハーディ自身の解説では、キーツは1820年にドーセット・シャーのラルウォースの入り江からローマに旅立った。ドーセット・シャーはハーディがつねに題材にしている土地であるから、キーツの旅立ちには特別の思い入れがあり、悲劇の詩人を見送りたかったのだろう。 At Lulworth Cove a Century Back Had I but lived a hundred years ago I might have gone, as I have gone this year, By Warmwell Cross on to a Cove I know, And Time have placed his finger on me there: "You see that man?" -- I might have looked, and said, "O yes: I see him. One that boat has brought Which dropped down Channel round Saint Alban's Head. So commonplace a youth calls not my thought." "You see that man?" -- "Why yes; I told you; yes: Of an idling town-sort; thin; hair brown in hue; And as the evening light scants less and less He looks up at a star, as many do." "You see that man?" -- "Nay, leave me!" then I plead, "I have fifteen miles to vamp across the lea, And it grows dark, and I am weary-kneed: I have said the third time; yes, that man I see!" "Good. That man goes to Rome -- to death, despair; And no one notes him now but you and I: A hundred years, and the world will follow him there, And bend with reverence where his ashes lie." Thomas Hardy (1840-1928) 一世紀前、ラルウォースの入り江にて 私が100年前に生きていたとしたら 今年のように行っていたかもしれないな ウォームウェルをこえた入り江だけどね 時が彼の指を私に触らせたかもしれない。 「あの人を見かけたのかね?」―― 私は見かけたろうし、言っただろう 「はい、見かけましたとも。セント・オルバンズ・ヘッドの 方向に水路を下る船に乗っていました。 思いがけなくごくありふれた若者でした」 「あの人を見かけたのかね?」― 「えっ、はい!言いましたけど、はいと ブラブラした町の人という感じ;痩せて、髪は茶色く; 夜の光が次第にまばらになると みなと同じようにある星を見上げていました」 「あの人を見かけたのかね?」― 「もう、ほっといて下さい」と私は頼む。 「私は草地を15マイルも歩いて来ました 暗くなるし、私は疲れきっています: 私は三度言いましたよ:はい、私はあの人を見かけました!」 「うんそうか。彼は絶望のあまりローマに行く そして今彼に気付いたのは君と私だけ 百年間、世界中の人々が彼についてローマに行き 彼の遺灰の前で恭しく一礼するだろうよ」。 トマス・ハーディ(1840-1928)
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ハーディ
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