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ゲロンシオンは1920年に出版されたエリオットの詩である。ゲロンシオンとは老人の意味である。第一次世界大戦を生き延びた老人に語らせる形式になっている。相変わらず注釈が必要な詩である。私は Representative Poetry Online の注を参照した。 注釈によれば、彼は依然として数多くの古典をこの詩に散りばめているようである。古典を織り込むことによってヨーロッパの歴史に思いをはせる詩人の真意をより深く理解できるのであろう。だが今回は単語を調べて機械的に訳した結果をといらえず投稿する。真意を多少とも垣間見るのはいつのことだろうか? 残念ながら、英文は文字数が多いので原文と訳を一度に投稿すると、ソフトの制約にひっかかる。適当な切れ目がないので困ったが、半分に分けることにした。 Gerontion
Thou hast nor youth nor age
Thomas Stearns Eliot (1888 - 1965)But as it were an after dinner sleep Dreaming of both.
Here I am, an old man in a dry month,
Blistered in Brussels, patched and peeled in London.Being read to by a boy, waiting for rain. I was neither at the hot gates Nor fought in the warm rain Nor knee deep in the salt marsh, heaving a cutlass, Bitten by flies, fought. My house is a decayed house, And the jew squats on the window sill, the owner, Spawned in some estaminet of Antwerp, The goat coughs at night in the field overhead; Rocks, moss, stonecrop, iron, merds. The woman keeps the kitchen, makes tea, Sneezes at evening, poking the peevish gutter.
I an old man,
A dull head among windy spaces.Signs are taken for wonders. "We would see a sign!" The word within a word, unable to speak a word, Swaddled with darkness. In the juvescence of the year Came Christ the tiger In depraved May, dogwood and chestnut, flowering judas, To be eaten, to be divided, to be drunk Among whispers; by Mr. Silvero With caressing hands, at Limoges Who walked all night in the next room; By Hakagawa, bowing among the Titians; By Madame de Tornquist, in the dark room Shifting the candles; Fraulein von Kulp Who turned in the hall, one hand on the door. Vacant shuttles Weave the wind. I have no ghosts, An old man in a draughty house Under a windy knob. ジェロンシオン 汝は若くもないし老いてもいない ただ食後の眠りのごとく 二つの夢を見ている。 うん、わしが乾いた月の老いぼれさ 雨を待ち、男の子に本を読んでもらっている。 わしは「熱い門」で闘ったこともなければ 暖かい雨の中で闘ったこともないし 塩辛い沼に膝まで浸かりカトラスを持ち上げ ブヨに咬まれて闘ったこともない。 わしの家は崩れそうだ。 ユダヤ人が敷居にしゃがんでいるが大家さ アントワープのどっかの飲み屋でわいたのさ ブリュッセルでふくれて、ロンドンで継ぎを当て、一皮むいたのさ。 山羊は夜になると上の原っぱで咳をする。 岩、コケ、マンネングサ、鉄、糞 女は台所仕事をし、茶をわかし 夜になるとキゲンの悪い溝をつつきながらクシャミする。 吹きさらしの所にいる頭の鈍い男。 徴は奇跡と思われている。「われら徴を見んことを願う!」 言葉の中の言葉、一言では言えずに 暗闇に包まれる。この一年も早いころは キリストは虎だったよ。 転落の五月には、ハナミズキ、栗、ユダの木に花が咲く 食っちまうか、分けちまうか、飲んじまうが ひそひそ話をしていたのは 手をさすりながら、ミスター・シルヴェロ リモージュでこの人は一晩中隣の部屋を歩いた: ハカガワはティツィアーノにお辞儀をした: マダム・ド・トーンキストは暗い部屋で ろうそくの場所をかえた:フロイライン・フォン・クルプは 片手で広間にはいった。空のシャトルが 風を織りおる。わしには魂なんぞないのさ 吹きさらしの丘の すきま風の家にすむ老いぼれさ。 TSエリオット(1888 - 1965) 2.「熱い門」とはギリシャ語の テルモピュライ"Thermopylae" のことである。テルモピュライの戦いでレオニダス指揮下のアテネ・スパルタ連合軍がペルシャの大軍を迎え撃った。「熱い門」で闘わなかったとは大きな戦争に参加していないという意味である。 3.カトラスは湾曲した刀であり、挿絵はウィキペディアを参照。 4.「われら徴を見んことを願う!」はマタイ伝12章の38節にある。パリサイ人がキリストに奇跡を見せよと迫る。
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TSエリオット
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