ヘ短調作品34

ルブランの回想録の link 先はゲストブックを御覧ください。

リルケ

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Cygnus_Odileさんのブログの記事で知ったが、リルケがサッフォーの断片詩をネタに詩を書いている。その詩とは、英訳の一つ:

One more scornful than thee, O Eranna, I have never found.

「エランナ、お前ほど横着な女を私は知らない」

とある。エランナの情報はこれだけである。創作能力のある人には格好の材料である。リルケが書いたのは弟子のエランナの「浮気」である。逆上したサッフォーは彼女を誘拐して僻地に追いやった。その後エランナから手紙が届く。

私はこのリルケの詩を和訳しようとしたが、歯が立たたない。とうとうグーグル書籍から英訳を見たが、なおもリルケのドイツ語が今一釈然としない。英訳をカンニングしたので、和訳だけでは気が治まらず、仏訳に挑戦してみた。


Eranna an Sappho

O du wilde weite Werferin:
Wie ein Speer bei andern Dingen
lag ich bei den Meinen. Dein Erklingen
warf mich weit. Ich weiß nicht, wo ich bin.
Mich kann keiner wiederbringen.

Meine Schwestern denken mich und weben,
und das Haus ist voll vertrauter Schritte.
Ich allein bin fern und fortgegeben,
und ich zittere wie eine Bitte;
denn die schöne Göttin in der Mitte
ihrer Mythen glüht und lebt mein Leben.
Rainer Maria Rilke, 1907
Aus der Sammlung Neue Gedichte, Erster Teil

Rainer Maria Rilke (1875 – 1926)



エランダからサッフォーへ

あなたは何と酷い投擲家でしょう。
他の物のそばにある槍のように
私は家族と寝ていました。あなたの声が
私を投げ飛ばしたのです。今はどこだか?
私を連れもどす人は誰もいません。

私の姉妹は私を思い、機を織っています。
家には慣れ親しんだ足音でいっぱいです。
私一人だけが見捨てられたのです
私は震えて哀願しています。
神話の中心である美しい女神は
光り輝き、私の生きがいですから。

ライナ・マリア・リルケ (1875 – 1926)


仏訳

Eranna à Sappho

O tu es le plus sauvage lanceuse:
Je dormis, comme un javelot près du lames,
Avec ma famille. Ta grand voix affreuse
Lancas au loin. Je n'accepte pas ton blâme.
Il n'y a personne. Je suis malheureuse!

Mon sœurs tissent et pensent à moi
Et la maison est pleine de les joyeuse voix.
Je suis seul isolé de ma patrie
Et je toujours tremble et prie:
Parce que la belle Déesse dans le mythe rayonne
A dont clémence ma vie je abandonne.

Rainer Maria Rilke (1875 – 1926)


エランナからサッフォーに

あなたは実に野蛮な投擲家です。
私は剣のそばにおいてある投槍みたいに
家族と寝ていて、あなたの恐い大声で
私は遠くに飛びました。咎は納得できません。
誰もいません。私は不幸です!

姉妹は機を織りながら私を思っています
家の中には陽気な声があふれています。
私だけが郷里から引き離されています。
私はいつも震えながら祈っています。
神話の美しい女神は光り輝いており
私は命を彼女の慈悲に委ねているからです。

ライナ・マリア・リルケ (1875 – 1926)

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原語(独語)などのご紹介&トラックバック有難うございました。とても参考になり。私の方は、いくつか解釈を誤っていたようです。槍(spear)は、辛辣なものの象徴というよりは、『私』を例えているのですね。
当方の邦訳(英文の重訳)を見直します。

2009/9/19(土) 午後 7:41 [ cygnus_odile ]

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リルケの原詩も、日本人が解読すれば、「あなたの声が私を投げ飛ばした」となります。これでは何のことか分かりません。ネイティブが読めば、「あなたのエイヤーという声とともに、私は飛んでいました」と読めるのでしょうか。いやはやリルケは大変です。

2009/9/19(土) 午後 7:47 [ fminorop34 ]

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こんにちは、リルケの "Eranna to Sappho"、"Sappho to Eranna" について、訳を大幅に見直したものを改めて記事にアップいたしました。色々参考にさせていただきましたこと、御礼申し上げます。でも、まだ、これらの詩の解釈(リルケの意図した内容)について、迷って居ります。本当に単純な痴話喧嘩のやりとりなのでしょうか。

2009/9/22(火) 午後 7:33 [ cygnus_odile ]

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リルケは翻訳家ではありません。好き勝手な解釈をしています。それは誰も咎められないと思います。人それぞれ物語が書けると思います。

2009/9/22(火) 午後 8:20 [ fminorop34 ]


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