|
「小鳩」はチディオック・ティッチボーン作と認められている。人畜無害な「小鳩」が「カラスの群れ」と一緒にいたために、有害なカラスを駆除しようとする鳥打ちに一網打尽となる話である。「カラスの群れ」はエリザベス一世の暗殺を狙う反逆者であり、「小鳩」は交友関係を悔やむティッチボーン自身である。「鳥打ち」とはエリザベス一世のスパイ・マスターのサー・フランシス・ウォルシンガムである。最後に出てくる「一羽のカラス」とはウォルシンガムが送り込んだ二重スパイのことだろう。 The Housedove A silly housedove happed to fall Amongst a flock of crows, Which fed and filled her harmless craw Amongst her fatal foes. The crafty fowler drew his net - All his that he could catch – The crows lament their hellish chance, The dove repents her match. But too, too late! It was her chance The fowler did her spy, And so did take her for a crow - Which thing caused her to die. Chidiock Tichborne (1558–1586) 小鳩 バカな小鳩がうっかり カラスの群れの中 小鳩は餌をはみ、胃を満たす 鳩の仇敵の中。 鳥打ちが巧みに網を引き―― 全部捕まえようと―― カラスは恐ろしい運を嘆き 小鳩は交友関係を悔やむ。 もう遅い、チャンスだったのに 鳥打ちは小鳩を見つけ 一羽のカラスに残し 小鳩は死ぬはめに。 チディオック・ティッチボーン(1558–1586) 学生のデモ隊でもそうであるが、デモの呼びかけを断わりきれなかった、ノンポリの大人しい学生に限って逮捕されるものである。ティッチボーンもこの詩では、その程度の「反逆者」のようである。彼は足を負傷して逃亡が遅れたのである。不運な男である。 上の絵詩中の鳥打、フランシス・ウォルシンガム(Sir Francis Walsingham)である。
|
イギリス宮廷詩人
[ リスト ]

桜と日本人ですね。なぜか、三島由紀夫を思...



