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詩のタイトルは “Poem in Prose” 文字通り訳せば「散文詩」である。詩の形式に拠らないで詩的な内容を表すということであろうか。今回のマクリーシュは、新婚さんのノロケを歌っている。この内容で書くとすれば、形式に拠らないだけかえってロマンチックになる。大抵の詩人は無意識のうちにロマン派の亜流になってしまう。 モダニストのマクリーシュは意識的に伝統的な詩の形式を守り、本来「ロマンチックな」題材で即物的な詩が書けることを主張したかったのだろう。ロマン派の語彙を排除し、簡潔には書かれてはいるが、はたしてモダンな詩が生まれたかどうか? 今回の詩に登場する女性とはイメージが合わないようだが、フランス印象派の女流画家ベルト・モリソの「ダイニング・ルーム」である。 Poem in Prose This poem is for my wife. I have made it plainly and honestly: The mark is on it Like the burl on the knife. I have not made it for praise. She has no more need for praise Than summer has Or the bright days. In all that becomes a woman Her words and her ways are beautiful: Love's lovely duty, the well-swept room. Wherever she is there is sun And time and a sweet air: Peace is there, Work done. There are always curtains and flowers And candles and baked bread And a cloth spread And a clean house. Her voice when she sings is a voice At dawn by a freshening spring Where the wave leaps in the wind And rejoices. Wherever she is it is now. It is here where the apples are: Here in the stars, In the quick hour. The greatest and richest good, My own life to live in, This she has given me -- If giver could. Archibald MacLeish (1892 – 1982) 散文詩 これは僕の妻の詩 真実を平易にあるままを書いた。 妻には徴がある 小刀の柄に徴があるように。 賞賛の詩ではない。 賞賛は彼女には 夏や快晴と同様 必要ない。 とりわけ女に相応しく 話としぐさが美しい。 愛らしい愛の仕事 行き届いた掃除。 彼女がいれば、太陽と 時間と甘い空気がある。 平和があり すばらしい。 いつもカーテンに花 キャンドルと焼いたパン 掛けたクロス きれいな家。 彼女が歌う声は 夜明けの目ざめの泉。 波は風にはねて よろこぶ。 彼女がいるのは今。 リンゴはここ。 星の中でここと すぐにわかる。 とても豪華な幸せ 僕の人生 彼女は僕にくれる―― 気前がいい! アーチボルト・マクリーシュ(1892 – 1982) なおこの女性の名前はアダAdaというが、気になる方には写真もある。なるほど似合いのカップルである。マクリーシュは法律家のキャリアを捨て、歌手志望の奥さんとパリにしばらく滞在したこともある。
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マクリーシュ
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桜と日本人ですね。なぜか、三島由紀夫を思...




なんと、微笑ましい詩なのでしょう。読者も幸せな気分に包まれます。 ノロケではあるのでしょうが、それがまったく嫌味でなく心地よく聞こえます。
2009/10/14(水) 午後 10:50 [ cygnus_odile ]
そうですか。彼女の写真見ていただけたでしょうか?一番最後の写真アンダーラインをクリックしていただけると、彼女が写っています。健康な美人ですね。やはりノロケですよ。
2009/10/14(水) 午後 10:54 [ fminorop34 ]