ヘ短調作品34

ルブランの回想録の link 先はゲストブックを御覧ください。

ハーディ

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ハーディは墓場で成仏していない死者とよく会話する。今回の死者は、自分が先祖の記憶が薄れるように、現在生きている人々によって忘れ去られることは必定である。これが第二の死であり、悲しいというのである。さらに現世の良き行いも人々記憶から薄れ、悪しき行いの人々と一緒にされるという。なんともいじましい話である。

この詩のメジャーは 6 10 10 6 である。脚韻の構造は AABB である。


The To-Be-Forgotten

I
I heard a small sad sound,
And stood awhile among the tombs around:
"Wherefore, old friends," said I, "are you distrest,
Now, screened from life's unrest?"

II
--"O not at being here;
But that our future second death is near;
When, with the living, memory of us numbs,
And blank oblivion comes!

III
"These, our sped ancestry,
Lie here embraced by deeper death than we;
Nor shape nor thought of theirs can you descry
With keenest backward eye.

IV
"They count as quite forgot;
They are as men who have existed not;
Theirs is a loss past loss of fitful breath;
It is the second death.

V
"We here, as yet, each day
Are blest with dear recall; as yet, can say
We hold in some soul loved continuance
Of shape and voice and glance.

VI
"But what has been will be --
First memory, then oblivion's swallowing sea;
Like men foregone, shall we merge into those
Whose story no one knows.

VII
"For which of us could hope
To show in life that world-awakening scope
Granted the few whose memory none lets die,
But all men magnify?

VIII
"We were but Fortune's sport;
Things true, things lovely, things of good report
We neither shunned nor sought ... We see our bourne,
And seeing it we mourn."

Thomas Hardy (1840-1928)


忘れ去られる者

I

かなしげな小さい声を耳にし
私は立って墓を見回した。
「どうして悲しいのです」と私は言う
「浮世の不安はもうないのに?」

II

「ここで悲しくはありませんが
私たちの第二の死が間近いのです。
生きている人々から私たちの記憶が消え
完全な忘却が到来する時が!

III

私たちに先立った先祖は
私たちより深い死に抱かれて眠ります。
どんなに過去を見る目があっても
先祖の亡霊も想い出も見られません。

IV

完全に忘れ去られた人に数えられ
もはや存在しなかった人なのです。
偶然失った呼吸より以上に失う
これが第二の死です。

V

私たちにはまだ毎日懐かしい
記憶が残されているし、まだ話せます
なんとか引き続いて愛しい
姿や声や視線を持ち続けています。

VI

過去にあったことは未来にも――
最初に記憶、次に記憶を飲み込む忘却の海
先立った人のように、私たちは
語られることなき人々と一緒になります。

VII

私たちの誰が生前に
万人が記憶する人々にのみ認められた
目覚めの世界の範囲を示せましょう?
すべての人々に広げるだけです。

VIII

私たちは所詮『運命』の娯楽に過ぎず
誠実なる者、愛すべき者、評判良き者なのです
私たちが避けも求めもしなかったことです…
私たちの行き先を知り、私たちは悲しんでいます」。

トマス・ハーディ(1840-1928)

閉じる コメント(8)

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small sad soundという響きがなんとも言えずいいですね。

それに、第二の死も・・。

2009/12/30(水) 午後 7:19 [ - ]

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ひでゆきさん今晩は。ハーディの頭韻が利いていますか?それは良かったです。

ハーディの死生観は分かりにくいです。今まで聞いたことがない観念が出てきます。これから理解できるようになるでしょうか?

2009/12/30(水) 午後 7:27 [ fminorop34 ]

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外国の詩は私には難解ですが、この「忘れ去られる者」は少し分かります。そんな歳になったのでしょう。関連して旧約聖書の詩篇103−16「風がその上に吹けば、消えうせ 生えていた所を知るものもなくなる」が浮かびます。外国詩人のものの見方、死生観を知るために新年もブログを拝見させて下さい。クリスマスカード有難うございました。私はまだ写真を撮り続けたいと思っています。

2009/12/31(木) 午前 0:19 [ minuma ]

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お早うございます。詩篇103−16「風がその上に吹けば、消えうせ 生えていた所を知るものもなくなる」を読ませていただきました。

ハーディは多作で、どれを読んだらいいのか。とりあえず専門家が推奨する詩を読んできましたが、「死」が多いです。また心がけます。

いつも素晴らしい写真を有難うございます。年々腕前が上げられてきましたね。来年も宜しくお願いします。楽しみにしております。

2009/12/31(木) 午前 9:54 [ fminorop34 ]

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いや、難しいですね。私にはきっと理解できませんね。

ブランショさんに聞いてみたいと思いますけど、分かるかどうかは分かりませんね。結構知っていろいろ話しているみたいですけど・・。

2009/12/31(木) 午前 10:34 [ - ]

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ひでゆきさんお早うございます。

ブランショさんとはモーリス・ブランショのことですか。私は存じ上げないですが、また宜しくご教示ください。

2009/12/31(木) 午前 10:40 [ fminorop34 ]

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ええ、モーリス・ブランショのことです。なぜか、私のプロファイルの一番に載っていたので書いてしまいました。お気に入りは全部取り換えたのですが、きっとその辺に本が転がっていたのでしょうね。

「文学空間」の中で、確か死、第二の死の記述があった記憶があるのですが、定かではなく、誠に申し訳なく、ご容赦下さいますようにお願い致します。

2009/12/31(木) 午後 5:06 [ - ]

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最近は哲学する心がとみに薄れました。色々とお教えください。

2009/12/31(木) 午後 5:20 [ fminorop34 ]


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