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一日4.5ドルで――その1――(アンドリュー・ロス記者/ワシントン・ポスト紙)
オリヨール、ロシア――「戦争の子ら」と呼ばれる、ロシアの最高齢の世代にとり、困窮は続いている。
ガリーナ・チュチュコーヴァ(81歳)は1944年に10歳だったが、地雷原を這って野いちごを探しまわるうち、ガリーナと囁く声が聞こえたので戻った。「私の守護天使の声だった」と今でも思っている。親類の七人はレニングラード(サンクトペテルブルク)包囲戦で飢死し、残りはシベリアに集団疎開して行った。
「その後に比べれば、今の金欠はなんとかなるわ」。
「戦争、疎開、1946年の飢饉を生き抜いた」とリューボフ・ファブリチノーバ(84歳)お茶を飲みながら言った。「あたりを眺め回し、思ってみるけど、これが普通だわ。今の年金で充分よ」。
モスクワ南方360キロ、人口30万の都市オリヨールだけでなく全ロシアの4千万人以上の年金生活者にとり、荒涼たる時は近付いている。ルーブルは3年前の半分の価値に下がり、物価の上昇に年金の支給は追いつかない。年金の平均支給額は毎月200ドル。それからガス、水道等の公共料金が64ドル。30で割ると一日4.5ドル、食料品だけであとは無い。
チュチュコーヴァはキープ・アクティブが楽しみで、外出して余暇を過ごす(余分な金なんか一銭もないしね、とも言った)。最近木曜日彼女は17人の高齢の友達とこの地方の中心都市の建物の4階に入りこみ、朝の体操をする:サルサ、ボックス・ステップス、深呼吸。ここ数十年混乱の中で続けてきた肉体運動の一つである。
若い年金生活者(女性は55歳で退職できる)も凄い動乱を生きてきた:ペレストロイカ、ソヴィエト連邦の崩壊、1998年のルーブルの引き下げ、これで貯金は一晩で空になった。ロシア人は何度も挫折を味わっている。
今は長引く不況に見舞われている。インフレは15%になった。冬季の年金の支給も地方により遅れがちになり、通貨不足が懸念されている。ロシア政府は今年二度になる物価スライド年金でなく、77ドルの一時金を支給している。間の悪いことに、ディミトリー・メドヴェジェフ首相はこの春、ロシアに併合されたクリミアのお婆さんに年金を支給する金がないが、「我慢して」、「頑張ってね」と言った。
ロシアの大統領ウラディミール・プーティンは16年間人気を維持してきたのは2月にインフレ率に合わせて年金を上げると誓ってきたからである。この利益を切り下げるのは2018年の大統領選挙を前にプーティンの評判に傷つける。
仕方なく、ロシアの年金生活者は動じることなく、さらにベルトを締めてきた。衣類は古着か自分で編んだものにし、食糧棚はダーチャの夏の庭の野良仕事で収穫した苺ジャムを詰め込み、コーヒーはお茶で我慢し、治療を先送りし、親戚や子供の助けを求める。
オリヨールはまだリンゴの季節、最初の雪が降るまでに、町の市場か道路沿いに一籠ごとに売っている。近郊から数多くやってくる。郊外のダーチャ、ペンキ色あせ、窓枠が歪み、庭は小さく、まばらな果樹の村の家、みすぼらしい住まい、これがなんとかやり過ごす術である。
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桜と日本人ですね。なぜか、三島由紀夫を思...




プーチン大統領が人気があるのは、経済が安定しているからと思っていました。
年金生活者には厳しい現実があるのですね。
達観…諦め…
写真の老婦人の風貌に厳しさと共に孤高の気高さ…も感じました。
政治には何も期待しない…
それにしてもアメリカ大統領選挙の結果には驚きました。
トランプ氏に期待せざるを得ない白人の数の多さに驚きながら
アメリカの闇を感じ…とてもショックでした。
2016/11/16(水) 午後 8:39
プーティンの支持率の高さは、ロシア人が社会の混乱をいやというほど体験してきたからでしょう。それに秘密警察出身のプーティンの政権下での世論調査にのりうっかり本音をはいたら、どうなるかという恐怖感もあるのでしょう。
ロシアの男性は結婚せず、母親の年金をあてにし、ウォッカをあおり、若くして死んでしまうから、年金問題はないと聞いていました。でもその母親たちの年金が出ないようではね。我が国もどうなることやら。
アメリカの公共的な放送に違法移民の女性の話が出てきます。彼女たちはカリフォルニアの農業をささえ、夜のオフィスの清掃作業で都市を支えてきましたが、「違法難民」という弱みが有ります。彼女たちは非道な男たちに抵抗できないのです。
2016/11/16(水) 午後 8:59 [ fminorop34 ]
同じ番組ですが、アメリカのミルウォーキーのブルーカラーの白人夫婦の10年間の話も印象的でした。新築の家を買い、夢のような時代が過ぎました。だが工場は海外に移転し、住宅ブームは去り「、残るのは借金の催促の郵便物ばかりです。最終的な債権者はウォール街の帝王モルガン銀行だったのが印象的でした。結局家は中国人の手に渡り、美人だった女主人公はフード・スタンプ用の食事で太り、キャンピング・カーでの老後を夢見ています。月々の支払いを何とかすますのが、アメリカン・ドリームだというコメントも記憶に残っています。
2016/11/16(水) 午後 9:24 [ fminorop34 ]
とりとめのない話になりましたが、こんな公共放送が新政権下で無くなりはしないかと心配です。この公共放送はセサミ・ストリートで有名なPBSです。特に私が関心を持っているアメリカの社会問題を取り上げている番組は"Front Line"です。
2016/11/16(水) 午後 9:34 [ fminorop34 ]
違法移民たちがいなくなればアメリカの農業は大打撃でしょうね。
彼らがアメリカ人がしない(できない…やらない)辛い仕事をしているから
今の生活が成り立っているのだと思いますが、
どんどん貧富の差が激しくなり
中産階級が減ってきている…彼らは危機感を強めているのでしょうか…。
中世の異質なものに対するピューリタンたちのようで
時代の逆行を感じました。…ちょっと大袈裟かもしれませんが…
2016/11/16(水) 午後 10:12
"Front Line"という番組知りませんでしたが、
そういう番組が無くなる…とは考えたくありませんね。
トランプ大統領になって期待するのは
戦争という非生産的で無価値なものに拘らなくなることでしょうか…。
2016/11/16(水) 午後 10:23
今調べたらiTunesのポッドキャストで視聴できるようです…。
ちょっとハードルが高そうですが、英語の勉強を兼ねて…
以前CSで「60Minutes」というCBSのドキュメンタリー番組を見ていました。
今は終了したのかもしれませんが、Fminorさまはきっとご存知でしょうね。
私が見ていたのは字幕放送でしたが
2016/11/16(水) 午後 10:46
FRONTLINE でした。アメリカン・ドリームを充たしてくれると思ったミルウォーキーの芝刈り機の小型モーターで有名な会社に就職し、良い賃金を得て、ガール・フレンドと結婚し、二人の子供の親になったカップルの幸福な生活。これがアメリカだという毎日をご覧になりたければ、下記をクリックしてください。こんな人達がウォール街の銀行に踊らされ、家を買い、転落していきます。
http://www.pbs.org/wgbh/frontline/film/two-american-families/
さらにもう一つの家庭が紹介されます。黒人教会の牧師(無報酬?)をしながら、市のゴミ収集トラックに乗ってはたらく子沢山の黒人の男性。息子は大学には行けず海軍に入り、その先はアフガニスタンのコントラクターになるという、まさにトランプハットしか買えない人達です。彼らが大富豪のトランプに期待した人達なのかなとおもいます。PBSはいつも暗いと言われ共和党から狙われている放送です。「暗さ」を逆手に取ったトランプ氏がどう判断するか興味があります。
2016/11/16(水) 午後 10:49 [ fminorop34 ]
リンクをありがとうございました!

ポッドキャストは音声だけだったので動画が観られるのは嬉しいです。
たとえ英語でも、願わくば字幕があれば…ですが、それは贅沢でしょうね
紹介分が助けになりました。有難うございました。
2016/11/16(水) 午後 11:46
画面下にどなたかのブログ・ネイムみたいな[CC]というボタンがあります。それをクリックすると英語の字幕が出てきます。公共的な放送ですから、最近の私みたいな難聴者のためにあるのだと思います。
2016/11/17(木) 午前 0:06 [ fminorop34 ]