ヘ短調作品34

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マラルメ

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<この注釈はニース大学のサイトからとってきたのだが、この文章の作者が明示されていない。フランス語の詩が数多く載っている。私のフランス語の読解能力は怪しげであるが故に、老化を遅らせるために翻訳に挑戦したものである。興味のある方は下をクリックして確かめられた方が賢明である。ただ私には参考になったことは確かである。誤解があったことは確かである。英訳も遊びで始めたことではあるが、直さなければならないところが出てきた。まだまだ未解決である>

http://www.unice.fr/AGREGATION/TRISTESSE-D.html

夏の悲しみ(Tristesse d'ete)

マラルメはこのソネットを1864年にトゥルノンで書いた。当時22歳であった。この時期彼の生活は物質的に困難であった。彼はいやいや教師をしていたが、肉体的にも精神的にも疲労困憊していた。詩的感興はそがれ、詩作に専念出来なくなっていた。職業上の束縛、友人達と分断された地方での生活に加えて、金銭上の問題がのしかかっていた。マラルメはは惨めな生活条件に悩まされていた。彼は妻と生まれたばかりの娘ジュヌヴィエーブと小さな部屋を借りて生活していた。マラルメは夜の大半を書いているか、とにかく書こうとしていた。しかし肉体的に衰弱し、神経衰弱の瀬戸際にあった。友人 Cazalis への手紙の一節が詩人の当時の精神状態を物語っている。「毎日が失望の連続で、無気力で死にそうだ。」

このソネットは1866年の Le Parnasse contemporain で発表されたが、5月12日の出版ではなく、この刊行物で発表された文集の最後に、他の作家のソネットとまとめて同年出版された。

ソネット"Vere Novo"と一緒にこのソネットには3編の草稿があることが知られている。最初の草稿のタイトルは"Soleils Mauvais"、次に"Soleils Malsains"、最後に"Soleils Malsains"である。これらの草稿は2行のみがこの詩の最終稿と同じである。なおこのソネットに1941年 Henri Saugetが付曲している。

これらのテキストの草稿の差異や変更を調べるにはB. MARCHAL (Poesie/Gallimard 1992)編集のマラルメ詩集とla Pleiade (1998)の編集を参照されたい。

この詩の着想は明らかにペシミスティックである。マラルメが虚無(Neant)と永遠の眠り(sommeil eternel)と呼んでいるものである。この点については容易に理解できる。しかしながら、この詩の最終稿では非常に密度の濃いソネットになっている。マラルメは様式の完全な改作を成し遂げている。すなわち、大胆に短縮化し、起伏が豊かになり、思いがけぬ言葉も出てくるが、しかし初稿を参照すると、明らかに詩の曖昧さは減じている。

この詩には注釈学者間に目立った対立はない。細部の多少の解釈の相違を別にして、MICHAUD,NOULET, GENGOUXはこの詩は"Angoisse"と"L'Azur"に近く、すなわち、詩人につきまとう病的なまでの書くことの強迫観念からの逃避願望、虚無への逃避の新たな表現である。

MICHAUDによれば、この詩は「否定」を表現している。"Le Pitre chatie"で詩人がある種の平静に到達したことを認めることができる。しかしこの詩はそうではない。詩人は逃避を求めている。彼は女の目にではなく、女の髪に逃避するのである。このなま暖かい川に、清らかさの再生ではなく、虚無と自己の忘却を求めているのである。MICHAUDはこれをBaudelaireの影響と見ることを拒否してはいないが、この詩がマラルメの精神的、芸術的進化の過程で占める場所をあけるべく努力した。彼によれば、このソネットがとりわけ以前からの死の強迫観念に結びついた苦悩からの生還を証言し、以後マラルメの作品に大きな位置を占める「虚無」のテーマの登場を明らかにしようとした。MICHAUDは"Herodiade"を生み出した危機の先駆をこの詩に見るのである。

GENGOUXは、分析的と言うよりは、哲学的思考を通してマラルメの注釈を試みる。彼はこの詩に彼の主要な様相である、思考する人と愛する人を見るのである。この詩の最初のタイトル"Soleils Malsains"は彼によれば、マラルメのある哲学的概念の明示である:マラルメには、冬は春=生命に対立する思考を象徴する。冬は「晴朗な季節」、「明晰な冬」である。それゆえ、春には「病的な"maladif"」、「悲しき"triste" 」という呼称が登場する。春は思考の暗礁であり、マラルメの愛人である夢と理想は、よみがえった生命との接触で失われる。このソネットは"Angoisse"の中心概念を展開している。ここでは女は男の苦悩を共有する。マラルメは女の髪に"une triste tempete" を掘り当て、彼の接吻は"l'ennui"を伝達する。したがって問題を提起するのは女である。

"Angoisse"におけるように、マラルメと女は理想の忘却に救済を求める。詩人は女に求める: l'insensibilite de l'azur et des pierres" この二つは思考しない虚無の象徴である。


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