ヘ短調作品34

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<詩と各行の注釈を示す>

Tristesse d'été

Le soleil, sur le sable, ô lutteuse endormie,
En l'or de tes cheveux chauffe un bain langoureux
Et, consumant l'encens sur ta joue ennemie,
Il mêle avec les pleurs un breuvage amoureux.

De ce blanc Flamboiement l'immuable accalmie
T'a fait dire, attristée, ô mes baisers peureux,
« Nous ne serons jamais une seule momie
Sous l'antique désert et les palmiers heureux! »

Mais ta chevelure est une rivière tiède,
Où noyer sans frissons l'âme qui nous obsède
Et trouver ce Néant que tu ne connais pas.

Je goûterai le fard pleuré par tes paupières,
Pour voir s'il sait donner au coeur que tu frappas
L'insensibilité de l'azur et des pierres.

V1.
Le soleil, sur le sable, ô lutteuse endormie,

この詩は晴れ渡った太陽の下で砂の上に横たわる男女のイメージを想起させる。" ô lutteuse endormie":マラルメは女をこう呼ぶ。NOULETは、この技巧的な呼びかけの美しさに注目する:一方は(lutteuse)という能動的な名詞であり、他方は(endormie)という受動的な修飾語であり、この二語が結合されている。従って一方は他方の原因であり、二語は対になっている。輪郭と原因を無視しない造形に注目すべきである。形容語はそれぞれ愛の瞬間を描いており、この結合は無秩序な動作が調和と統合に至る時間的距離を表現している。

V2.
En l'or de tes cheveux chauffe un bain langoureux

女の髪は詩人がけだるげに水浴びしている川にたとえられる。"Angoisse"の第3行と比較すべきである。これは"triste tempete semee dans la chevelure"と彼が語るときに類似している。女の髪はマラルメが多くの詩で繰り返し用いたテーマである。少なくとも髪に関して、マラルメの詩を二つに区分することが出来る。Mery Laurent と知り合う前の詩、すなわち、一つは "Angoisse", "Tristesse d'Ete"であり、他方、Mery の金髪が登場する詩である。すなわち、"Dame sans trop d'ardeur... " ô si chere de loin..."; "M'introduire dans ton histoire"; "Victorieusement fui le suicide beau"; "Ses purs ongles tres haut"; "La chevelure vol d'une flamme"。

マラルメにとって、女性の属性である髪はつねに川と海の象徴である。次に髪は女の象徴である。女が男に表すものすべての象徴である:肉体、詩人にとりついた理想の忘却、ある種の虚無に到達するために突入する場なのである。

詩の最初では、詩人は女の髪の種類にこだわらなかった。次に最初の"cheveux tenebreux"を修正して、l'or de tes cheveuxで置き換えた。このような修正は鮮明にブロンドの髪、Mery Laurent の髪を暗示している。

V3ー4.
Et, consumant l'encens sur ta joue ennemie,
Il mele avec les pleurs un breuvage amoureux.

太陽は女の頬の化粧を焼いている。joue ennemie は私の接吻を拒絶した頬である。化粧の概念は"encens" という語で表現されている。テキストの最初の状態を見れば混乱はない。Mme NOULET はこの二行に混ざり合った季節感:bains, encens et breuvage とBaudelaire への回帰を見るのである。

V- 4 .
Il mele avec les pleurs un breuvage amoureux.

まぶたの化粧は暑い涙のように流れる。詩人にはこれは愛の飲み物のようなものである(ADAM)。代名詞"il"は "soleil" を呼び戻すが、NOULETによれば、これはなおざりな様式であり、うっとおしい。

V5.
De ce blanc Flamboiement l'immuable accalmie

"De ce blanc flamboiement":1887 には f は大文字に変えられ、Flamboiementになっている。E. NOULETによれば、これで迂説法の効果を倍化させている。この行は見事であり、ほとんどが長い語で構成されている。長さは"m" の畳韻法と"a" の鼻音化で強化される。"l" の畳韻は川の流れの印象を与える結果を生む。

V6.
T'a fait dire, attristée, ô mes baisers peureux,

mes baisers peureux この挿入節は不明瞭である。:注釈学者によって見解が異なる。NOULETによれば、この挿入節は la lutteuse に関係している。詩人が大胆な換喩で呼びかけたのは彼女であり、彼女が与えた臆病な接吻で、彼女を指示している。逆に、もっともらしいのは ADAM の説で、詩人が指示しているのは la lutteuse であるが、臆病な接吻をしたのは「君に臆病な接吻をした」詩人その人である。

V7,V8
« Nous ne serons jamais une seule momie
Sous l'antique désert et les palmiers heureux! »

わたしたちは非常に暑い国にいる。小心なマラルメはその臆病さで女を失望させる。女は自分たちは一つになることが出来ないと結論する。"Sous"はマラルメに関係している。マラルメは簡潔性に配慮して l'antique désert にも関係させた。"antique"、この形容詞はマラルメには "ancestral"、 したがっ "eternal"、 と同義である。幸せはこの行の最後で拒否され、"nous" に関係する。マラルメは幸福の概念をミイラの概念と一体化させる。男の幸福への到達の不甲斐なさーー「私たちは決して砂漠と椰子の木の下で一つのミイラにはなれない。私たちは決して幸せにはなれない」。

V9.
Mais ta chevelure est une rivière tiède,

"Mais" はここで基本的に重要な文節を構成する。 ADAMはこの行にコメントしている。:彼女は言う「私たちは融合して一つの死体にはなれない。」そして彼は答える。「その通りだ。でも少なくとも僕は君のそばに虚無の安息を見いだすよ。」

V10.
Où noyer sans frissons l'âme qui nous obsède

sans frissons :これは非常に重要である。彼はもはや生きていることを感じていない、完全な不動の状態に到達する。

V11.
Et trouver ce Néant que tu ne connais pas.

ce Néant que tu ne connais pas:これも不明瞭である。
マラルメが"connaitre"を"posseder"の意味で使っている場合:この行は、詩人がすでに虚無を発見する試みは失敗するに決まっていることを知っている;彼は彼女が"posseder"せず、彼に与えられない、なにものかを要求していると解釈される。
あるいは、マラルメが"connaitre" を"avoir fait l'experience"の意味で使っている場合:詩人は女がまだ体験していない虚無について語っている。初稿によって、この問題に決着をつけることはできない。しかしながら、むしろ第二の解釈に注目しよう。たしかに、初稿では、マラルメは"Le Néant ou l'on ne pense pas"と書いており、この虚無の定義から、マラルメはすでに体験しており、彼はこの点で彼の傍らの女と対比しているのである。

V12.
Je goûterai le fard pleuré par tes paupières,

この行は第4行の再表現である。

V. 13-14 :
Pour voir s'il sait donner au coeur que tu frappas
L'insensibilité de l'azur et des pierres.

L'insensibilite de l'azur et des pierres:Azur と Pierre この二つの象徴はマラルメの詩によく登場する。Azur は到達不可能な理想のむなしい追求を象徴する。彼が純粋な思考を見いだした時の無感動である。この無感動は物質の無感動に近い:石の無感動:Mme NOULET によれば、Azur と Pierre の遠い距離と類似音の結びつきによってある効果が生じる。

かくして"Angoisse", "Le Pitre chatie", "L'Azur" と同様に、詩人の主要な強迫観念がここにある。それは到達不可能な完成への強迫観念であり、それは同時に無感動、虚無、死につながる。

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<この注釈はニース大学のサイトからとってきたのだが、この文章の作者が明示されていない。フランス語の詩が数多く載っている。私のフランス語の読解能力は怪しげであるが故に、老化を遅らせるために翻訳に挑戦したものである。興味のある方は下をクリックして確かめられた方が賢明である。ただ私には参考になったことは確かである。誤解があったことは確かである。英訳も遊びで始めたことではあるが、直さなければならないところが出てきた。まだまだ未解決である>

http://www.unice.fr/AGREGATION/TRISTESSE-D.html

夏の悲しみ(Tristesse d'ete)

マラルメはこのソネットを1864年にトゥルノンで書いた。当時22歳であった。この時期彼の生活は物質的に困難であった。彼はいやいや教師をしていたが、肉体的にも精神的にも疲労困憊していた。詩的感興はそがれ、詩作に専念出来なくなっていた。職業上の束縛、友人達と分断された地方での生活に加えて、金銭上の問題がのしかかっていた。マラルメはは惨めな生活条件に悩まされていた。彼は妻と生まれたばかりの娘ジュヌヴィエーブと小さな部屋を借りて生活していた。マラルメは夜の大半を書いているか、とにかく書こうとしていた。しかし肉体的に衰弱し、神経衰弱の瀬戸際にあった。友人 Cazalis への手紙の一節が詩人の当時の精神状態を物語っている。「毎日が失望の連続で、無気力で死にそうだ。」

このソネットは1866年の Le Parnasse contemporain で発表されたが、5月12日の出版ではなく、この刊行物で発表された文集の最後に、他の作家のソネットとまとめて同年出版された。

ソネット"Vere Novo"と一緒にこのソネットには3編の草稿があることが知られている。最初の草稿のタイトルは"Soleils Mauvais"、次に"Soleils Malsains"、最後に"Soleils Malsains"である。これらの草稿は2行のみがこの詩の最終稿と同じである。なおこのソネットに1941年 Henri Saugetが付曲している。

これらのテキストの草稿の差異や変更を調べるにはB. MARCHAL (Poesie/Gallimard 1992)編集のマラルメ詩集とla Pleiade (1998)の編集を参照されたい。

この詩の着想は明らかにペシミスティックである。マラルメが虚無(Neant)と永遠の眠り(sommeil eternel)と呼んでいるものである。この点については容易に理解できる。しかしながら、この詩の最終稿では非常に密度の濃いソネットになっている。マラルメは様式の完全な改作を成し遂げている。すなわち、大胆に短縮化し、起伏が豊かになり、思いがけぬ言葉も出てくるが、しかし初稿を参照すると、明らかに詩の曖昧さは減じている。

この詩には注釈学者間に目立った対立はない。細部の多少の解釈の相違を別にして、MICHAUD,NOULET, GENGOUXはこの詩は"Angoisse"と"L'Azur"に近く、すなわち、詩人につきまとう病的なまでの書くことの強迫観念からの逃避願望、虚無への逃避の新たな表現である。

MICHAUDによれば、この詩は「否定」を表現している。"Le Pitre chatie"で詩人がある種の平静に到達したことを認めることができる。しかしこの詩はそうではない。詩人は逃避を求めている。彼は女の目にではなく、女の髪に逃避するのである。このなま暖かい川に、清らかさの再生ではなく、虚無と自己の忘却を求めているのである。MICHAUDはこれをBaudelaireの影響と見ることを拒否してはいないが、この詩がマラルメの精神的、芸術的進化の過程で占める場所をあけるべく努力した。彼によれば、このソネットがとりわけ以前からの死の強迫観念に結びついた苦悩からの生還を証言し、以後マラルメの作品に大きな位置を占める「虚無」のテーマの登場を明らかにしようとした。MICHAUDは"Herodiade"を生み出した危機の先駆をこの詩に見るのである。

GENGOUXは、分析的と言うよりは、哲学的思考を通してマラルメの注釈を試みる。彼はこの詩に彼の主要な様相である、思考する人と愛する人を見るのである。この詩の最初のタイトル"Soleils Malsains"は彼によれば、マラルメのある哲学的概念の明示である:マラルメには、冬は春=生命に対立する思考を象徴する。冬は「晴朗な季節」、「明晰な冬」である。それゆえ、春には「病的な"maladif"」、「悲しき"triste" 」という呼称が登場する。春は思考の暗礁であり、マラルメの愛人である夢と理想は、よみがえった生命との接触で失われる。このソネットは"Angoisse"の中心概念を展開している。ここでは女は男の苦悩を共有する。マラルメは女の髪に"une triste tempete" を掘り当て、彼の接吻は"l'ennui"を伝達する。したがって問題を提起するのは女である。

"Angoisse"におけるように、マラルメと女は理想の忘却に救済を求める。詩人は女に求める: l'insensibilite de l'azur et des pierres" この二つは思考しない虚無の象徴である。

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